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intoroduction.

暗黒の宇宙空間を、悠然と進む黒い巨山。

外宇宙探査艦プレジデント・オバマ、その船体に従うように、白・青・黄色3ツの星が、一列並びに随行する。

(オバマ)は既に敵の領海、『外』の宇宙のただ中に()る。いつ襲い来るともわからぬ敵を警戒しての哨戒飛行、並びに、新人女子高生搭乗者(パイスライダー)二人の技能習熟を兼ねた、横一文字の訓練飛行である。


「哨戒飛行…訓練飛行…隊列飛行…飛行、飛行、飛行、ね。宇宙でも飛行は飛行でいいモンかねえ?飛宙?ピチュウ…ピカチュウ。なんか可愛くなっちまったか。」

黄色と黒の虎縞(ストライプ)。巨大な右拳をもつ3号機の操縦席(コックピット)につまらなそうにふんぞり返り、よくわからないことをボンワリと考えているのは健康的な褐色の美少女。pai第1小隊隊長のタツミ・ウシトラゥである。

頭の後ろで手を組む姿勢、ずり上がったタンクトップから覗く腹筋、覗く脇。かろうじて布でガードされている胸は、座席の円環(ベルト)(ふた)ツに分けられ、その存在を主張している。

微々、微々(ピピ、ピピ)と計器が鳴る。

「あーん?お。1号機(ハルカ)ァ!3°下に落ちてんぞ、修正(なお)せ!!」

面倒くさそうに画面(モニター)を確認し、タツミは部下(ハルカ)に指示を飛ばす。


3号機(「隊長どの」)にどやされて、純白の1号機(ハルカ)がピィッ!と跳ねる。新人女子高生搭乗者(パイスライダー)遥日(ハルカ)奏歌(カナタ)、既に幾度もの実戦を経験しているとはいえ。その操縦技術は未だに未熟、「偉い人」が苦手なのも相変わらずである。

あせあせと、ミリ単位の調整で機体の飛行角度を修正するハルカ。慌てる彼女を退屈そうに、画面(モニター)の中から黒いひよこが見つめている。

「…なあ、ハルカちゃん。つまんねえ。なんかマッスグ飛んでばっかでさあ。地味っつうかー、単調っつうかー?ぶっちゃけ、飽きたー。」

黒いひよこはひっくり返り、パタパタと足を動かして駄々を捏ねる。

「いまちょっと難しい修正してるんだから…ちょっと黙っててよ。」

暢気な黒いひよこの態度に、若干怒気を含んでハルカが応える。

「つまんねえ。おいハルカ、なんかえろいことやれや。」

突然脈絡のない黒ひよこの提案。

「はぁ!?なんで私が!?ヤだよ!!」

当然の如く拒絶するハルカ。だが、しかし。

「…空気抜くぞ?」

「う…。」

温度や湿度、酸素の濃度。pai1号機内の環境維持、言うなれば、宇宙空間におけるハルカの生命維持を担っている補助AIシステム。画面(モニター)の中でニヤニヤ嗤う黒いひよこの表情からは、その言葉が本気とも冗談とも判断がつかないが。

ハルカはこのふざけた黒いひよこが、彼女に「えろいこと」をやらせるためにはそのくらいやる、実際本気でやりかねない、そういう相手であることを知っている。まったく不本意なことではあるが、ここは彼に従うしかない。

「ぱ、ぱい…スライドぉ…。」

しぶしぶながらもハルカは両手で僅かな胸の膨らみを持ち上げ、互い違いにスライドさせる。

「解説をお願いできますか。」

真顔で尋ねる黒いひよこ。

「あ、いや、だから…いまのはおっぱいをスライドさせるのと、パイスライドォ!を掛けた冗談で…。」

「…訓練中になに馬鹿なことやってんだお前?」

健気に答えるハルカの声を、小画面に映るタツミが遮る。馬鹿なポーズのままで固まるハルカ。

「そーだぞ、真面目にやれ。」

「なっ…!!」

理不尽極まりない黒ひよこからの扱い、ハルカが身を乗りだしかけたその傍。

ビーコン。ビーコン。

敵襲を報せる警報(アラート)が鳴った。







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