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intermission.
むーかーしーギリシアのーイカレースーはー
あたまーがーイカレーてーとんでーえったー
潮騒。
漣波打ち寄せる白い砂浜。
母親に手を引かれ、歩く少女が朗らかに歌う。
「こらぁ。ちがうでしょ。駄目でしょ、カナちゃん。」
母親は少女の。楽しげな替え歌遊びを困った顔で優しく咎める。
えへへ、と嬉しそうに母親を見上げる少女。高く繋がれた二人の手と手。遠く輝く紅い夕陽。
青き波頭。コンクリートの灰色の波止場。
黒く聳える外宇宙探査艦プレジデント・オバマ。漆黒の巨山、その脇に、ぷかり浮かんだ白い機体。
きらきらと。夏の終わりの太陽に照らされ、打ち寄せる小波にただ揺れている。
ちゃぷん、ちゃぷんと外殻を叩く、やさしく小さな波の音。
人類の。安寧をもたらす地球の律動、精神に振動わるf/1ゆらぎ。
少女を包み振れる卵は、さながら過去へと誘う揺り籠。ちゃぷん、ちゃぷんと静かな揺れが、大時計の振子がごとく。一歩、一歩と記憶を辿る。
微睡みの中。
遥日奏歌は夢をみる。
白い砂浜、紅い夕陽。少女の自分の歌う声。
高く繋がれた二人の手と手。
幼きあの日の夢をみる。




