私ともう一人の桃
中田 アマです!
クラスのみんなの名前、考えるのって結構苦労しますね…。
時期ににクラスメイトの名前も使っていきますんで長いですが、面倒で無ければ読んで頂ければな〜って言うのがお願いです!
2、私ともう一人の桃
小井谷先生に聞いてみよう。そしたら、何かが攫めるかもしれない。
みんなの曖昧な顔、苦笑していて何かを隠している顔が目に浮かぶ。
そして琉生のあの何処と無く、寂しく哀しそうな顔。…こんな初日から聞くのはあれだし、正直言えば知らなくても良いのかもしれない。
いや、初日からそんなこと聞いたら部外者が何?なんて思われるかもしれない。
「小井谷先生!」
「桃野さん、どうかした?」
「…小井谷先生は桃のこと、何か知ってるんですか?」
「……桃…?」
「はい、みんな桃って言うとなんか雰囲気が変わるって言うか…」
「…百瀬桃華のことかしら…」
「…百瀬桃華?」
「うん、前にいたうちのクラスメイト。桃華は…どんな時でも明るくて誰にでも心を許される子だったよ…」
「…桃華さんは…もしかして今は…?」
「自殺したの」
「な、なんで…」
「そうね…、殺させたって言うのが正しいのかな?」
小井谷先生のいつもの笑顔は一瞬にして消えた。
私は少し、びっくりと怯えが混じった感情になった。
「だ、誰に…?」
「………そこまでは言えないよ…。そう言えば、桃野さん」
「は、はい…」
「桃野さんが理事長の娘さんだって言わないようにね、言ったら貴方が嫌な目に遭うからね?」
「は、はい…?」
私は小井谷先生が綺麗で美しく可愛いらしい先生、というイメージしか無かった。けれども今、この先生には何か深い事情と深い闇を感じた。
私が思ってたよりもここの高校にはイケメンと美女と闇、そして何かが隠されてあるみたいだ。
「百瀬桃華…」
なんか、耳にすんなり入っていくな……。
夜は毎日、兄と通話を取っていた。
「星矢」
桃野星矢。私の一つ歳上の兄であり、現在はニューヨークで本格的にデザインを学んでる。
「どうしたんだ?望叶」
「………思ってたよりここに慣れないかも」
「何言ってるんだよ、望叶。望叶は寮生活何日目だよ」
「…今日からです」
「ほらな、今日来たくせに今日いきなり慣れるなんて話聞いたことねーぞ」
「…そうじゃなくて…………」
「…望叶?」
「…そう、だよね…。その通りだね!」
「望叶…」
「ははは、いきなり弱音なんてごめんね!私、明日も早いし今日は疲れちゃったから寝るね!ばいばーい!」
「お―」
無理くり笑い声を出して急いで電話を切った。
「…何弱音吐いてるんだろ、私…」
すると、電話の着信音がなっていた。
「…星矢からか…。もしもし」
「おい!望叶お前勝手に切って良い度胸だな!」
電話で大声出さないでよ…。
「俺の話も聞かないで勝手に切んな!分かったか!おい、望叶…?」
「ね、寝るって言ったでしょ…」
「なら、なんで寝る奴が泣き声で話してる」
「そ、それは――…」
「何があった?」
やっぱり、星矢には適わないや…。
「星矢、もう一人の桃がいたんだって」
「桃?」
「うん、私は桃野望叶。もう一人は百瀬桃華ちゃんって子。でも、その子はもうこの世にはいない」
「…亡くなったのか……?」
「うん、自殺したって…。桃華ちゃんはどんな時も明るくて誰にでも心を許せるそんな存在だったって…」
「そうか…」
「私がいて、桃って存在がみんなの中で忘れたくても忘れられないそんな存在の名前だけの私が、ここに来て……良かったのかな…⁇」
「………望叶、」
グスグス泣いてる私に星矢は言ってくれた。
「正解なんていくらでもある。俺が言えることは一つだけ。お前ももう一人の桃になれば良い。いや、桃以上の桃になれ」
「桃以上の桃……?桃華ちゃんになれっていうこと…?」
「…望叶はとんだ馬鹿だな」
星矢は呆れたように言った。
「お前は誰だよ」
「桃野望叶です」
「なら、お前はお前らしくしてろ。桃華は桃華。お前はお前だろ。みんなを望叶色に染めてやれ」
「…望叶色……」
私色…。私色って私らしくってこと…。
「望叶ー?おーい…!」
「…そうだよね!だよね、だよね!何深刻なこと考えちゃってるんだろう!そうか、そうか〜!」
「え、ねえ?本当に分かったか?今の意味ちゃんと理解したか⁇超不安なんですけど」
「うん!私は私色に染めるよ!もちろん、私流でね!ほっしーサンキュー!」
「え、ねえほっしーって呼び方止めて?…頑張れよな」
「ありがとね!」
「おう!」
そう言い電話を私は切った。よーっし!頑張ろう!私なりに、みんなを染めて行こう!
「望叶~、食事ちゃんとしたかー?」
「佐賀野!まだだけど…、どうしたの?」
「一緒に食べねーかなって思って」
そう言い佐賀野はニッと笑った。そうか…!こう言う時はお礼だ!まずはそこからだよね!
「もちろんっ!誘ってくれてありがとう!」
「別にお礼言うようなことじゃないだろ!」
「ヘヘヘ」
私はホテル廊下みたいに綺麗なところを佐賀野と一緒に歩いていたが私は足を止めた。
「…望叶?」
「…佐賀野はこんな私でも友達でいてくれるの…?」
「…何言ってんだよ、もう友達だろ!」
「…良かった…。佐賀野、聞いてほしいことがあるの」
「…どうしたんだよ、そんな深刻そうな顔して…」
「桃、桃華ちゃんの話、小井谷先生から少し聞いたの…」
佐賀野は少しびっくりしていたが真剣な眼差しを向けてくれた。
「私、桃野望叶。百瀬桃華ちゃんの漢字は違ってもひらがなだと一文字変えて一文字無くせば百瀬桃華ちゃんと一緒になる」
そう言うことを言いたいんじゃなくて…ああ!なんで上手く伝えられないんだろう!自分が自分で憎くなる!
「私は私流でみんなを私色に染めていくよ!…だから、私の桃って呼ばれたことで桃華ちゃんのことを深く考えないで欲しいって言うか…。桃華ちゃんは桃華ちゃんで私は私って言うか―…」
佐賀野は真剣に私の目を見て言った。
「望叶がそんなことまで考えてるとはな…。きっと望叶の素直さとか純粋さとかきっとこれからもっと分かっていくんだろうな…。俺も周りのみんなも…。望叶、望叶色に染めてやれよ。みんなを」
「…佐賀野ぉ〜!」
「き!気持ち悪い顔すんな!」
「だ、だってぇ〜」
私は泣いた。これは佐賀野の優しさだ。きっと、これからもっと信頼して色んなことを乗り越えたりするのかなって思う。
「なら、まずは名前とその人の委員会や部活、性格を知り尽くしたらいんじゃねーの?」
「うん!そうだね!そうと決まったら今日から張り切る!ってことで佐賀野、食べてから色々教えて?」
「えー、俺、見たいテレビあんだけどー」
「そこをなんとか!私の部屋で見れば良いさ!」
「まあー、わがままな望叶さんには叶いませんから」
「さっすが、佐賀野ー!」
私は佐賀野と食事を終えるとクラスメイトのことを聞いた。
うちのクラスメイトは男子十八人、女子十五人のクラスである。クラスの学級委員長が日野出太陽くんで副委員長が佐藤遥ちゃん。書記が釜田大地くんと大倉真結ちゃん。番長の横間笑くんに副番長の大杉勝くん、学芸委員兼弓道部の信田瑠衣くん。生活委員兼写真部の冬里雅ちゃんに図書委員兼新聞部の江藤淳くん。風紀委員兼男子バレー部の風海迅くんに保体委員兼バトミントン部の東山夕緒ちゃん。料理部の鹿妻李恩くん、吹奏楽部のバイオリン担当の外子音色ちゃん、ピアノ担当の多歌音心音くん、ユーフォニューム担当の四十万那音くん、トランペット担当の久斗音葉ちゃん。他にもサッカー部の幸田愛知くんや野球部の喜渡希一くん、テニス部の河崎忍ちゃん、茶道部の光雲海叶くん、歴史部の蔵町弥生ちゃん、家庭部の和兎希和くん、ダンス部の宮澤ロコくんに摂田虹舞くん、真島蒼くん、男子バスケ部の青石頼くん。女子バスケ部の研磨里菜ちゃんと渋谷智乃ちゃん、バレー部の二田悠ちゃん、そして美術部の瞳依と剣道部の真美亜、弓道部の佐賀野。そして、霧野琉生。応援団部応援長。
「まずは、そっからだな」
「みんな、名前難しい…!」
「だろ?」
「ダンス部多いね?」
「太陽組はダンス部とバスケ部が多いな」
「バスケ部って女子?」
「男女合わせて。女子バスの研磨里奈と女子バレー部の二田悠は凄くきついぞ。
「え、どんなふうに?」
「…あいつらは部活の中でもきついって言われてるんだよ。あいつらに目を付けられたらもう終わり。最終的に虐められてここで耐え凌ぐかここを退部するか。って聞いた」
「…そんなにきついの?」
「あいつらととにかく仲良くしないほうが身のためだ」
「でも、桃華ちゃんはきっと仲良かったんでしょ?」
「…桃華は…誰からも恨まれないし妬まれないし誰からでも心を許されて信頼されてた」
「…そっかぁー」
…何だろ、この空気。すっごく気まずいよね⁉︎
…この空気がきっと駄目なんだよね、桃華ちゃんならそんなことさせないんだろうな。
「ご、ごめん…!」
「え…?え、今なんで謝った?」
「だ、だって〜、桃華ちゃんなら絶対今の・・・っての作らないでしょ!」
「そうだけど…、だからって普通謝るか?」
「…だから、ごめん。…佐賀野を誘っておきながら話題出さないとか最悪だよね」
「そ?友達ってさ、何も喋らなくても友達だろ。つまらなくて友達辞めるならそれは友達でもなんでもない。ただの見せかけの友達だろ?」
「佐賀野が良いこと言った」
「何、その真顔!」
「佐賀野!ツッコミ上手い!」
「突っ込むとこそこかよ‼︎」
「はははっ…!やっぱり突っ込むの上手!」
佐賀野とは仲良くやっていけそう★
いかがでしたか?
兄、星矢が凄い真剣…。実は兄、結構シスコンと言う設定です!
設定はイケメンで何でもできる世話好きで結構マメなお兄ちゃん、と言う設定です!
お兄ちゃんの言葉に書いてる自分もグッと来ました…笑
次回のも、書くんで今後ともよろしくお願いします!