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プロローグ 絶望と希望の飛び降り自殺

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  この世界は間違っている。

 この世界は夢も希望もありはしない。

 この世界は俺に厳しすぎる。人生ハードモードだ。

 この世界はこの世界はこの世界は…………。


 ふと、周りを見る。

 見えるものは電車の中だというのに、人の顔色を窺い気持ち悪く笑いあって、自分たちは友達だと、仲間だということを確認しあっているかのようにお喋りをする俺と同じ学生。


 そこで俺は思う。それは本当に『友達』と呼べるもので、世間で言われているほど必要なものだろうかと。

 俺は思わない。そんな顔色窺って相手の話に合わせて笑っているような上辺だけの関係が本物なわけがないだろう。

 だが、世間ではその『友達』とやらがとても大切なものらしく、それを持っていない俺は、『可哀想な人間』として見られている。


 まぁ、そんな評判はどうでもいい。


 その『友達』というものが世界で言われているような気持ち悪いものではなかったのなら、俺は友達というものを作っていただろう。

 でも違う。この世界にあるのは全て偽物だ。


 だから俺は欲しい。顔色を窺わなくてもよくて、どんなことをしても自分を嫌わないでいてくれると、裏切らないでいてくれると思える本物が。

 アニメに出てくるヒロインのように、主人公を一途に思い主人公に絶対の信頼を寄せ、主人公もまた絶対の信頼を預けるような、そんな誰かを俺は欲する。


 そうして何年探したのだろうか?

 何年待ったのだろうか。俺の前に理想のヒロインが現れてくれるのを。

 だが、何年待っても現れない。当然だ。俺の求めているような人間が、この世界にいるなんて夢のまた夢。

 俺は知っている。この世界が甘くないことを。

 小学生の時いじめられていて、神様に助けてくれと懇願しても助けてもらえなかった。

 中学生の時自分になにか特別な力があればいじめてくる奴らを一網打尽にできると力を求めていろいろと試したこともあった。だが全部駄目だった。


 やれることはやった。生きている間に試すことはもうない。

 だから、最後に一つ賭けに出よう。

 どうせこの世界で生きている意味なんてないんだ、だから勇気がなくて一度も試せなかった『死』というもので異世界に行けるかどうか試そうじゃないか。


 電車から降り、今住んでいるマンションの屋上に向かう。


 死のうとしているのに俺は今すごく落ち着いている。

 久しぶりに希望を持っているからだろうか?

 屋上へと向かう足が軽やかになり、恐怖も震えもなく、屋上まで辿り着く。


「ふぅ。ここから見てもこの世界は腐って見える。どこを見ても気持ち悪い」


 今日で初めて声を出したかな? 独り言をよく呟くけど、電車の中や学校だとできないからだな。


「じゃあ、さようなら。今の世界。頼むよ、散々俺の願いを無視してきたんだから、今回だけでいいから俺の願いを叶えてくれよ。神様」


 散々神様に頼って一回でも何かしてもらったことがないのに、また頼んでる俺は馬鹿かな。

 落下している中、俺はそんなことを考えていた。



 そして――――



 世界への絶望と異世界への希望を胸に、空谷そらや 夜月よつきは命を捨てた。

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