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アースドラゴンと対決する

 

 ヤバい、目が合った。

「ヨシオ~、こっち見てるよぉ~」

 情けない声だすな! ムランはすでにガタガタと震えている。

 とぐろを巻いているアースドラゴンが目を離さず見つめてくる。

 隣にいるメイディにささやく。

「師匠。あいつって話しが通じると思う?」

「……わからない。無理かも」

 ささやき返したメイディが俺の袖を震える手で握る。こっちも怖がりだよ。

 唖然としているマルイドに目を向ける。

「最初、俺が一人で行く。マルイド、師匠とムランを頼む」

「わかった。何かあれば援護する」

 うなずくマルイドに引っついているムランと袖を握っているメイディを預ける。

「気をつけて!」

 ジェルドが冷や汗をかきながら心配している。

 ニヤリと笑みで返事をしてドラゴンヘ近づく。


 怖えぇ。強がったけど近くに来ると迫力がハンパない。

 だが、ここまで一緒に来てくれた仲間の為にも進まねば。あいつらは何の見返りもないのに、こんな俺たちに付き合ってくれている。

 いくら感謝してもしきれないな。サラリーマン時代とは大違いだ。

 じりじりと近づき、声が届きそうな所で止まる。

 さきほどからドラゴンは身じろぎもせず、ジッと俺を注視している。

 ゴクッ。喉を鳴らす。い、言うぞ!


「ハロー!」

「……」

 勇気を振り絞って声をかけるが無言で見つめている。照れ屋か?

 あの金色の瞳を見ていると吸い込まれそう。

 首筋に汗が流れるのがわかる。

「失礼します! 少しよろしいでしょうか?」

 どうだ、この丁寧さ。

 と、ドラゴンが口を開く。


「ガァアアアアアアアアアアアアアアッ!!」


 めちゃ吠えてきた!

 うぁわああ! うるせー! 両手で耳をふさぐがビリビリ来る!

 ユラリと、とぐろを解くとこちらに向かってきた!

 ヤバい、これは襲ってくる。

「話せばわかるだろ! 少しは聞けよ!」

 後ろに逃げるとムランたちがいるので、叫びながら横にダッシュで逃げる!

「ガァアアアアアッッ!」

 負けじとドラゴンが吠えて追いかけてきた!

 すると火の玉とヤリが飛んでドラゴンに当たる!

「ッガァアアア!!」

 たいしたダメージはないが、驚いたドラゴンが向きを変える。そっちはダメだ!

 青い顔が三つ並んでマルイドが慌てているのが見える。

 くそ! もう少し引き付けたかったのに。

「こっちだぁああーー!」

 魔法でヤリを打ちつつハルバートを手に持ち走る。

「ゥガアアア!」

 短く吠えるとドラゴンが太い尾を振り回してきた!

 迫りくる尾に魔力を帯びた武器を当てると浅く切り込めるが、そのままはじかれ、吹っ飛ばされる。

「うぁわあああっ!」

 ゴロゴロ転がるがダメージは少ない。急いで立ち上がるとドラゴンの頭が目の前!

「ガァアアアアア!!」

 デカい口を開け飲み込もうとしている!


「アホかぁ! つらぬいてやる!!」

 片手を口に向け魔法を繰り出す!

「レーェエザァアアアアーービィーーム!!」

 最大出力だ! 向けた手の先が丸く光ると、そこから太いレーザーが発射される!

 一筋の光はドラゴンの口の中をつらぬく!

「ハァガゥ?」

 変な声をドラゴンが出すと首の後ろからレーザーが抜け、そのまま意識が無くなった頭が地面へと落ちる。

 ふう。アホなやつで良かった。

 弱点さらして迫って来るからだな。ワイバーンの時の方がきつかった。

 きっと火炎とかブレスがあったのだろうが、この狭い倉庫内だと自身が焼かれるのと酸欠になるから出さなかったんだろうな。きっと。


「ヨシオーーー!」

 と、ムランが抱きついてくる。おわっと、なんだ?

「おい!? どうした?」

「どうしたじゃないよ! 心配したんだぞ!」

 すがるような目で見てくるムラン。くそ、かわいい顔しやがって。ナデナデしてやる!

「……余裕! 場所が良かった」

 メイディが近づいて俺の肩に手を置く。見ると微笑んでいる。さすが師匠だ、勝てた理由がわかってる。

「こりゃ、大変だぞ! お前、ドラゴンスレイヤーだぞ!」

 マルイドが笑いながらジェルドを伴ってやってきた。

 抱きついていたムランを離し、マルイドと握手を交わす。それをジェルドが満足そうに見ている。

「先へ行こう! まだ使える円盤があるかもだ!」

 皆に声をかけ、ドラゴンがいた円盤の残骸の山をう回して行く。


 少し進んだ先で行き止まり、途中には昇降機に乗った円盤が一機、天井近くで止まっているのが見えた。

「む、ムラン!?」

「やったよ! 機体が残ってる! 早く見ようよ!」

 笑顔のムランが壁に近寄り穴を探して指を入れる。

 すると小さい画面が膝の部分に現れ、ムランが四苦八苦しながらモニターを操作している。

「大丈夫か?」

 しゃがんであれこれしているムランの背後に回って聞く。

「んー、なんとなくわかるよ。たぶん、これだ!」

 何かのアイコンに触れると、ギギギィ……と昇降機が音を立てながら降りてくる。

 メイディ、マルイド、ジェルドは三人ならんで目が点になっている。大丈夫か?

「一応、説明すると、この円盤に乗って宇宙を飛ぶんだ。わかる?」

「……飛ぶ?」「これは何だ?」「機械ですか? これは?」

 三人とも口々に疑問を重ねる。まあ、初めて見るからな。戸惑(とまど)うのもわかる。

 宇宙船の状態を見ているムランを置いて、三人になるべくかみ砕いて説明する。

 とりあえず納得してもらい、ムランの様子を見に行く。三人ともゾロゾロと後をついてきた。

「どうだ?」

「ハハッ! 行けるよ! 帰れるよ! 使える!!」

 振り向いたムランが喜んで抱きついてくる。今日はよく抱きつくなぁ。小さい背中を優しく叩く。

「よし! とりあえずここから出よう! 全員乗れるか?」

「たぶん、大丈夫」

 笑顔で顔を上げるムラン。段々実感が出てきた。

 俺たちは帰れるのか!

 とうとうこの時が来た!



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