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荒野の地下遺跡を調べる

 

 荒野へ旅立ち、前回の遺跡を越えて先へ進んでいる。

 相変わらず岩ばかりな光景が広がる。

 ふと、町の事を思い出す。なんだかシンシアとはじっくりと二人きりが無い気がするな。

 先行していたマルイドが戻って来た。

「まだまだ先のようだ。少し行った所に休めそうな場所があったぞ」

 チラリと振り返り指で場所を示す。

「しかし遠いなぁ」

「……バカ」

 冷たい目で隣を歩くメイディが睨む。

「ハハ、もう少しですよ。地図が正しければですけど」

 ジェルドが地図片手に笑いかける。

 ちなみにムランは歩き疲れて俺の背中で寝ている。ホント、こいつってどこでも寝るな。

 荒野では魔物が少なく、前に戦ったストーンオーガなどは見当たらなかった。

 彼らの生息域と俺たちが進んでいるルートが離れているかもしれない。お陰で無駄な体力の消耗の心配をしなくてすんだ。

 斥候をしているマルイドが一番疲れているな。


 二日ほど移動した先に目的地へ到着した。

「何もないな……」

 目の前には大小さまざまな岩がゴロゴロと転がっているだけ。はるか地平線の先には山の連なりがおぼろげに見える。

「ムラン、わかるか?」

「ちっともだよ。ホントにここなの?」

 キョロキョロして辺りを見ながらムランが聞いてくる。

「私の記憶が間違えなければこの辺りなんですが……」

 自信なさげなジェルドが地図を見ながら答える。

 マルイドとメイディは散らばって何かないかと探しているのが見える。

「とりあえず俺たちも調べるぞ! ほら、ムランも!」

「わかったよー。疲れたらおんぶしろよー」

 ブーたれながらムランも探し始める。いや、なんでおんぶ前提なんだ?

 しばらく全員であちこちにある岩を調べたが何もなく、再び集まって昼飯にする。

 皆、それぞれちょうどいい石の上に腰かけ、ジェルドが食料を分配する。

 保存用の干し肉と硬いパンで口の中はパッサパサ。少ない水をチビチビと飲む。

「ハァ~。ダメかも」

 食べ終わってグッタリする。ここまで来て何もないんじゃ、無理だな。

 諦めてこの星に根を張るか?

「おい、おい。お前がそんなんだと俺らがミジメだろ!」

 マルイドが突っ込んでくる。くそ、少しは黄昏(たそがれ)たい。

「たまにはグチらせろよ! そんな前向きキャラじゃないぞ!」

「なに言ってんだ? ヨシオは愚痴ばっかだろ」

 ニッとするマルイド。よくわかってるじゃん!

 ふとムランを見て発見する。マジかよ……意外にあっさり見つけてしまった。

「な、何? とうとうオレの魅力にまいったのか?」

 俺の視線に気がついて、アホな事を言ってくるムラン。

「いや、違うオマエじゃなくて」

 慌ててムランに近づくが何を勘違いしたのかムランが抱きしめてきた。

「やっぱり! わかってたんだ! へへっ」

「違うって、バカ! その座ってる石だよ!」

 無理やり離してムランをどかす。ちぇ~とかいってるよ! この女!

「見ろ!!」

 ムランが座っていた石の一角にある穴を指さす。

「あ! コレ!?」

 驚いたムランがマジマジと見ている。

「……灯台下暗し」

 なぜかメイディが格言を言い、マルイドとジェルドは笑顔になる。良かった、見つかって。


「じ、じゃあ、入れるよ?」

「早くしろ!」

 ビビりなムランを急かすと恐る恐る指を穴に入れる。

 すると、ゴゴゴゴ…と音を鳴らしながら近くの地面がスライドして地下へと続く階段が現れた。

 なんかゲームっぽい。ゴクリとマルイドが喉を鳴らす。

「やりましたね! 良かった本当にあって!」

 ジェルドが喜んでる。無邪気か!

 仲間を見るとメイディが顎で先に行けと示している。師匠、しゃべって!

 とりあえずムランを先頭にしようとしたが、俺の後ろにピタリと張りついてくるので無理。

 再び仲間を見渡してから地下への階段に足を踏み入れる。

 階段は地下二階ぐらいの所で終わり、真っ直ぐに通路が伸びていた。

 この辺りまでは地上の光が届いているが先は暗くて見えない。

 ムランがいるのに機械が起動しないってことはどこかが壊れたのか?

「どう思う? ムラン」

「全然だよ。この通路にはセンサーが組み込まれていないのかもしれない」

 わからないようだな、仕方なし。

 メイディが魔法の明かりを点け、通路の奥へと足を進める。

 通路は(ゆる)い坂道になっており、さらに下へと続いているようだ。

 長い通路を先へと歩くと前方の通路が破壊されているのが見える。

 近づいて観察すると横から壁が破壊されて反対側へと大穴が空いている。

「これは?」

「……ジャイアントワーム? わからない」

 メイディは知らないようだ。マルイドとジェルドに目を向けると二人とも両肩を上げる。誰もわからないのか。

「どうやらここも安全ではないようだな。気をつけろよ!」

 後ろのマルイドが注意してくる。偵察にはいかないのかよ。ムランは怖がって背中に張り付いてるし。

「わかった。何かあったらダッシュで逃げるぞ!」

「……バカ!」

 メイディに小突かれた。軽い冗談なのに…。メイディを睨むと睨み返される。怖ぇえ。

 破壊された部分から先の通路は何かが(こす)ったような跡が奥まで続いている。

 あちこちの壁が崩れて土がむき出しの部分もあった。

 ビクビクしているムランがますますピタリとくっついてくる。さっきから豊な胸が押し付けられているので、怒る気をそげさせる。

 メイディの魔法の明かりの中、暗い通路を先へ進んでいく。


 やがて大きく崩れて通路をふさいでいる所に行きついた。

 前方はおびただしい土砂や岩で行けそうにない。

 左右の壁には大穴が空いている。あからさまに怪しい。

「ど、どうするの?」

 恐々とムランが聞いてくる。ずっと俺の服をつかんで離さないところを見ると、怖いのが苦手か?

「横の穴に入るのはマズい気がする。できれば前を進みたい」

「……で?」

 隣に来たメイディが聞いてくる。俺の考えが読まれている感じ。

「魔法で突破する」

「おい! マジかよ!? そんな事できるのか?」

 驚いたマルイドが突っ込んでくる。ニヤリと答えると苦笑いで返された。

「師匠、少し後ろに。見てろよ!」

 メイディを下がらせて目の前の土砂に片手を向ける。

 あれだ、トンネルっていったらあのマシーンだ! 子供の頃はあの名前でワクワクしてたし、巨大さにもしびれた。

 魔力を巡らせ想像を膨らませる! いくぞ!

「シィーールドマシィイイイーーーン!!」

 叫んで魔力を片手から解放すると前にある土砂が円形状にくり抜かれていく。

 くり抜かれた壁はがっちり固定され先に進んでいく。

 五メートルほど掘った所で先の通路へと出た。思ったよりも短かったな。まあ、いいか。

「おお! すごい! ヨシオの魔法は独特で面白い!」

 後ろのジェルドが褒めてきた! 振り返って笑みをプレゼントすると、隣にいたマルイドがウェーっと舌を出す。

 メイディに腹をつねられ、目で先に行けとうながされる。少しは冗談に付き合えよ、師匠!

 再びキレイな通路を奥へと進んでいくと、行き止まりにたどり着いた。

 横の壁の下には例の穴が空いている。

 無言でムランを見ると頷いて穴に指を差し込む。

 プシュ。

 行き止まりの壁が開く。

 中に踏み込むと天井が自動で点灯し部屋を明るくする。

 いや、部屋じゃない…倉庫のようだ。広い空間が俺たちを迎える。


「こいつはスゲェ……」

 マルイドが息を飲むのを聞く。

 先を見ると何者かが荒らしたのかあちこちが破壊された跡がある。

「ヨシオ! あれ!!」

 背中に張りついていたムランが指をさす。

 そこには丸い円盤らしき物体がめちゃめちゃに壊されているのが見えた。かろうじてカーブを描いた部品が元の姿を想像させる。

「これは…宇宙船の残骸?」

 よく見ると倉庫の壁が崩れ大穴が空いていて、床には何か重いものを引きずったような跡があちこちにあった。

 警戒しながら奥へ進み円盤の残骸の横を通り過ぎ先を見ると、他にも破壊された円盤がいくつも見える。

 その積み重なった残骸の中央部分に、何か巨大なヘビのような魔物がとぐろを巻いているのを発見した。

 俺たちの気配を感じたのか、でかい頭がこちらを向いた。ゲームとかで知っているドラゴンの顔、黄金の目が瞬く。

 隣にいたメイディが喉を鳴らして呟く。

「……あれは、アースドラゴン」

「おい、ヤバすぎるだろ」

 マルイドが警告する。ジェルドが頭を引っ込める音がする。

「よ、ヨシオ~?」

「慌てるな。まだ敵とも限らないだろ?」

 背中に張りついているムランが抱きついてきた。

 ビビリすぎだぞ!



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