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ろく

「……え?」

 もっと怒られる事を覚悟していた青年は、少女の言葉に目を丸くさせた。少女はそれが気にくわないようで、頬を膨らませる。

「べ、別に言い過ぎたって思ってるだけだから謝ったの」

 その言い分にも、言い方にも、青年は大きく笑った。しばらく不機嫌そうにしていた少女も、いつの間にか笑っていた。

 葉は緩やかな揺れを取り戻し、朱もまた、雲を制した。

「ね、ねえ、それはそうと……」

 先に口を開いたのは少女だった。白い肌まで朱に染まっている。

「一体、どうやってあなたは草を元に戻したの?」

 青年が固まった。口をぽかんと開きながら。

「えっと……ほら、こっち」

 少女は無理矢理青年を引っ張り、朝に青年が草を植え直した木の前へと青年を突き出した。

 青年には、ようやく少女の言わんとする事が分かった。これが元に戻した事になっているかは、はなはだ疑問だったが。

 少女に振り向き、青年は言う。

「どうやってって、穴を掘ってそこに元のように植えただけ……だけど」

 すると少女は目を陽にも負けない程輝かせ、「『穴を掘る』って何? 『植える』ってどういう事なの?」と聞いた。

 青年は、少しだけ少女がどういった存在なのかが掴めて来た。

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