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ゆめ
限り無い草原。
そんな中を少年は走っていた。満面の笑みで。それを追いかける少年の姉も、口を大きく開けて笑っていた。
陽は無い。
少年は振り向いて、そのまま後ろ向きにこけた。姉は少年に手をさしのべ、また、笑った。
けれど明るい。
幸せな空間。微笑ましい光景。楽しい思い出。
__思い出?
ガラスのように、空が砕けた。破片は半透明な厚い鎚となって姉を潰そうとした。
何もできない少年。助けを求める姉。
無くなる時間。
それこそ、今で言うなら木を倒すような音と共に、時は満ちた。
駆け寄る少年。姉は、傷があるわけでも、紙のように圧縮された訳でも無いが、いくら揺すっても起きない。
少年はずっと姉の名前を叫んだ。
そのうち、鎚が少年に近づいて来て__




