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さん

 __ヴァルト。辺境の地に存在する町。青年は重い足を動かし、その町の入り口をくぐった。

 この町は、いい言い方をすれば自然と調和した町で、石や土、木やわらなど自然の素材でできた住宅が円を描いて並び、その真ん中にはヴァルト森林のシンボル、千年樹を模した木像がある。

 ヴァルト森林とは先程まで青年がいた森の事、千年樹とは目指していた巨木。

 ここヴァルトは海が近い事もあり、昔は漁業で栄えていたが、辿り着くにはヴァルト森林を通らなければいけず、交通が不便である理由から、新しく別の漁場が見つかってからは過疎が進んだ。

 しかし一部の釣りマニアというか、そういう物好きな人が訪れる事は度々あるようで、現在でも宿などは小規模ながらも存在する。青年も、ベクトルは違えどもその物好きの一人であった。

 村に入ってからすぐ、子供達が駆け寄ってきた。そんなに珍しくも無いだろうに、と青年は思ったが愛想よく笑顔を振り撒き、しばし子供達の他愛無い質問に付き合った。

「森を通って来たの?」

「ああ」

「海で釣りをしに来たの?」

「いや、違う。少し探し物があるんだ」

「ふぅん、変なの」

「変か?」

「だって海と森以外、ここにはなーんにも無いよ?」

「いいや、あるさ。帰ったらお母さんにでも聞くんだな」

 その辺で区切りをつけ、青年は「それじゃあ」とその場を去った。子供達の多くは首をかしげていた。しかし、少しすると何事も無かったように走りだし始めた。

 宿らしき建物はすぐに見つかり、青年は早速中へと足を踏み入れた。

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