表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/20

じゅうご

 少女の笑顔に満たされた青年は、帰る事を提案し帰途についた。帰りもそれなりに険しい道だったが、湖の水を飲んだおかげか疲れは感じ無かった。

 

 二人がいつもの場所に着いた時には、日は地平線に沈んでいた。

「ありがとう。君には本当にお世話になった」

 青年はそう言ったものの、それだけでは足りない気がした。もっと感謝を伝えたかった。

「うん」

 少女はただ笑った。くったくの無い笑みだった。太陽のように眩しかった。

「じゃあ」

 と。青年は町へ向かって歩き出した__ところが青年がいくら歩いても町が無い。延々と同じところを歩かされているような感覚がして、青年は試しに近くの木に落ちていた石で傷をつけ進んだ。すると進んだ先に傷をつけた木が立っていた。投げ捨てた石さえ見つかった。

 青年を激しい感情が襲った。焦り、恐怖、憤り、嘆き、それらの全てがいり混じって混沌と化し、何度か吐きそうになりもした。

 ひとまず、道を遡りいつもの場所へと青年は向かった。

 少女はもう、いつもの小さい穴の向こうに行ってしまったようで、そこには誰もいなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ