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縁登場

どうしよう、しかし、何も思いつかない俺。

唖然としながら見続けるしかない。樹さん、食べられそう。かろうじて口に入れられないように手で抑えてはいるが……。

と、上空から発光した何かが落ちてくる。

それは俺の前に音もなく着地すると一直線にゴーレムに向かって走っていく。

小さくて細い体の女の子。服装からして魔法少女? 若い。縁か?

走りながら右手を上に上げる。

光輝く巨大な剣が現れる。彼女の体の倍以上の大きさがある。厚みも相当ある。かなり重そうである。

しかし、その大剣を軽々と回しながら、強烈なスピードでゴーレムへと疾走する少女。

ゴーレムの足下に到達すると垂直に飛翔する。

ものすごく速い。激しくはじかれるピンボールの玉のようである。

少女、ジャンプしながらゴーレムの舌を切ったらしい。

舌と共に地面に落ちる樹さん。

ドロリとした液体が樹さんの服を溶かしている。

ジャンプした少女は空中でくるりと体を回転させると壁を蹴り、大剣を抱えて落ちてくる。

「オドガァアァァァァアーー!!」

吠えている。女の子っぽくない。あれが俺の従姉妹か?

少女、ゴーレムの脳天に大剣を突き刺す。

強い……。

ゴーレムの防御力よりも、少女の攻撃力のほうが強かったようだ。

ゴーレム、動かなくなり、やがて倒れる。ドラゴンリュウキ、ゴーレムの足がはずれ自由になる。一瞬光り、元の少年の姿になる。

「リュウキ、やられてんなよ」と少女。

「つよかった……」とつぶやくリュウキ。少女、リュウキの手を取り立ち上がらせる。

大鷲のレオンも、首を振りながら立ち上がる。

茜さん、レオンへと手をかざす。レオン、光の玉になり、やがて消える。

「縁!」と呼びかけながら走り寄る茜さん。俺もついていく。

やはり、あの少女が四女の縁なのか……。やだ、あんな中学生……。

「こいつ、何?」と縁、倒れたゴーレムに蹴りをいれながら言う。

「虎君が掘った穴からでてきたのよ」と茜さん。

「ふうん。掘れたんだ」と縁、俺を鋭い目つきで見る。

俺に期待してなかったような言い方だな……。

「すいません」と俺。なんとなく謝ってしまう。年下で、小さい女の子なのに、なんでこんなに迫力があるんだ……。

どうやら、一番攻撃力があるのが縁のようである。

茜さんは自分では戦えないんだな。治療専門か。

茜さん、樹さんに回復の呪文をかけている。服も元に戻った。

そういえば、麗は? 麗は相変わらず反対側の壁にいる。

麗は攻撃系の魔法は使えないのか?

麗が何かを叫んでいる。

「敵! 動いている!」

麗に言われ、倒れたゴーレムを見る、俺達。

ゴーレム、たしかに細かく震えている。

「しぶといな」言うと縁、空中に手をかざす。

発光した筒状の何かが現れる。

ガトリングガン?

手持ちの大きな銃が樹の手の中にある。

どっからだしたんだよ……。

いきなり引き金を引く縁。

ものすごい音……。あわてて避難する俺、茜さん、樹さん。リュウキは茜さんが抱えた。

ひたすら引き金を引き、ゴーレムの体を粉々にしていく縁。離れた場所でそれを見る俺達。

サドだな。明らかに。なんか、楽しんでいるようだし。

ゴーレムの体、砕かれ小石になっていく。

そういえば、銃の弾、壁や地面にも当たっていると思うのだが、そこがえぐられたり傷がついたりはしない。

やはり、この空間の壁を掘れるのは選ばれた存在だけなのか?

「やれやれ」と撃ち終わり、銃を立てる縁。

もはや、原型をとどめていないゴーレム。

死んだな。完璧に。と思ったら、小石化したゴーレム、宙に浮遊し始める。

何が起こっているんだ? 縁も少しあっけにとられた顔をしている。

よく見ると縁の足に小石が付着している。ゴーレムの手のようにも見える。

「やば!」とあわてる縁。足を引き上げようとするが叶わず。

小石状のまま、ゴーレム、元の姿へと戻っていく。しぶとい。弱点はどこなんだよ。

手をあげて、剣をだそうとする縁。ゴーレム、一瞬早く縁にパンチを放つ。

足下を固められている縁、動けなくてもろにパンチを食らう。一発でぐったりとする縁。体の防御力は普通の人間のようだ。

気を失う縁を体の中にとりこむゴーレム。

「縁!」茜さんと樹さん、同時に叫ぶ。

「逃げた方がいい」とリュウキ、茜さんからおりる。

「みんなやられる」言うとリュウキ、ドラゴンの姿になる。大きな手で茜さんと樹さんを掴むと飛翔する。

「だめ、リュウキ、戻って!」と茜さん。

「離せリュウキ!」と樹さん。

彼女達の言葉を無視して飛び続けるリュウキ。

行ってしまった……。

うん? 俺と麗、どうすればいいの?

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