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敵ですか?

爆風が起こった……。

あたり一面に散らばる壁の破片、煙も上がる。

なんだ? ダイナマイトでもしかけてあったのか?

俺の眼前の壁が無くなり、大穴が開いている。

背後で悲鳴。

振り返ってみると麗と樹さんが向こう側の壁に飛ばされている。

茜さんはリュウキにしがみついていた。リュウキは無表情のまま立っている。

俺の腕が爆風を作ったのか?

巨大なリュウキの爪でさえ、こんなには風起こらずに、穴も大きくはないのに。

これ、俺の能力?

「す、すいません……」

俺、ぺこりと謝る。俺が悪いわけではないとは思うのだが……。

「虎君! 後ろ!」と茜さんが俺に向かって叫ぶ。

後ろ? と振り返る俺。

なんか、でっかい人的なもの。巨人? ファンタジーの世界だとゴーレムと言うのか? 

それが俺の掘った穴の中にいた。

ゴツゴツした堅そうな体で頭に大きなツノが生えている。

見るからに強そう……。

なんだ? どっから来たんだ?

逃げたい……。でも、足が動かない……。

あ、ゴーレム、動いた。と思ったら、思い切り殴られた。

車にはねられたように飛ばされる俺。

痛いというよりも、衝撃が凄すぎて頭が現状把握できない状態。地面を転がる俺。一応生きている。でも、なんか体中の骨が折れているように痛い……。

「リュウキ、変身して!」遠くで茜さんの声が聞こえる。うっすら目を開けるとドラゴンリュウキがゴーレムと戦っているのが見える。

茜さんが俺のところに駆け寄ってくると、手をかざす。

俺の体をぼんやりとした光が包み込む。体が温かくなる。

折れた骨が元に戻っていくのがわかる。

治癒の魔法か?

数秒すると自分の体が回復したのがわかる。

ドラゴンリュウキとゴーレム、いまだに激しく戦っている。

ゴーレム、強いらしく、ドラゴンリュウキ、苦戦している。首を掴まれてゴツゴツ殴られている。炎を吐いて対抗しているけれど……。

「やばいな、穴からでちまうかもしれない」離れた場所で樹さんが言う。

穴からでるって現実世界にあれが行くってことか?

なんでいきなりそんな危機に。俺のせい?

「仕方ない」と樹さん、両手を広げる。その手に輝く剣が現れる。2本の剣をクルクルと回してゴーレムへと走る。

あの小さい体で戦うのか? なんだ、この人達……。

「麗! 縁に連絡して!」茜さん、麗に叫ぶ。麗、壁側で青い顔をしている。茜さんに言われて麗、こめかみに指先を当てて目をつぶる。

テレパシー?

ゴーレムへと目をやると、樹さんが超人的な跳躍力でゴーレムの体に乗り剣を振り下ろしている。

しかし、ゴーレムの体が堅いのか、剣が刺さらない。

「なんなのコイツ!」樹さん、叫ぶ。

スピードはゴーレムよりも樹さんの方が上のようだが、いかんせん防御力が高すぎて攻撃が効かない。

「虎君、下がっていて」と茜さん、言うと立ち上がる。そして、両手を天にかかげると何やら呪文を唱える。

空中にぼんやりとした光の玉。

それが割れて大きな鷲のような生物が現れる。

えっと、召還獣?

「レオン、ゴーレムを」と茜さん。

レオンと呼ばれた大鷲、うなずくとゴーレムへと飛翔する。

召還獣というよりペットに近いような気がする。

ゴーレムVSドラゴンリュウキ+樹さん+レオンの戦いが続く。

数では優勢なのだが、ゴーレム、攻撃されてもひるまない。

防御力が高すぎる。攻撃は殴る蹴るの単純なものなのだが……。

あ、ドラゴンリュウキ、ゴーレムの強烈なフック(パンチの一種)をくらって地面に倒れた。

立ち上がろうとしたところ、首を踏みつけられる。

さらにゴーレム、大鷲のレオンの足を掴むと地面に叩きつける。かなり痛そうである。

レオンも立ち上がれない。

樹さん、一旦離れた場所で戦いを見ていたが、リュウキとレオンがやられ、さらに距離をとろうとする。

逃げようとする樹さんだが、ゴーレムが長い舌をカメレオンのように伸ばして樹さんに絡みつかせる。そして、自分の方へと引き寄せる。

樹さんを飲み込もうとするゴーレム。

「樹!」と叫ぶ茜さん。

もう武器とか召還獣とかない?

もしかして、やばい状況?

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