君の名は
てっっきとーに書いたんで。
てっっきとーに読んでくだされば。
皆さんご存知執筆マンです。
——俺の名前は、白銀鏡。
小説家……になるのはそう遠くない未来の話。
本当の職業は、市立石ノ森学園に通う高校二年生である。
学歴にうるさい親父のおかげで、今日も俺は、その学校とかいうクソ面白くもねぇ未来ある人間製造所に向けて、嫌々足を運ぶ。
進学校と呼ばれる建物向かう若者達は、参考書なるものを片手に、必死になって脳みそに何かを詰め込んでいる。
見上げたものだ。
だが、俺が常に持っていたのは、一本の万年筆とアイデアノートだった。
——未来ある若者達が、詰め物作業をしてる中、俺は淡々と別の詰め物を行っていた。
「これがこうで——ふむふむ、いい感じだ」
訳もわからない独り言を呟きながら歩いていると、聞き慣れた足音が、風を切って俺の元へやってくる。
「お兄ちゃん! また弁当忘れてるよ!」
振り向くとそこには、風呂敷に包まれた箱を俺に突き出し、息を切らしている一人の少女。
彼女は、同じ石ノ森学園に通う一年生、白銀香。
いつも俺の傍を離れない、おせっかい焼きの妹だ。
「ふん、飯なんか食わなくたって執筆はできるさ」
そっぽを向きながらも、妹の突き出した弁当箱を受け取る俺。
「また勉強もせず、小説書いてるの?」
いつも通りの反応に呆れる香は、俺の横顔を見つめて言う。
俺は気にも止めず、相変わらずノートと睨めっこをしていたが、妹はさらに続けた。
「お兄ちゃんさ〜。学校でなんて言われてるか知ってる?」
彼女のおせっかいを聞き流しながらも、いつもの冷やかしボイスに耳を引っ張られ、ようやく校門に立ってる自分を確認する。
「お〜い。執筆マ〜ン」
続きは書くと思うけどわからん。
ただ一つだけどうしても伝えたいことがあるから、完結はすると思う。
酒ででろんでろんになったり、本当に忘れた頃に書くつもり。