説明
ルイナスの新スキルはどうしたものかなぁ? レベリングすれば扱い方も分かるようになるかなぁ?
私が悩んでいると、ルイナスがおずおずとした様子で質問してきた。
「あの、お姉様? ここは一体? お姉様はなぜこんなところにいるのです?」
「あ」
そりゃそうか。疑問だよね質問してくるよね。さてどうしたものか。
と、悩むまでもない。
なぜなら!
お姉ちゃんは!
弟妹に嘘をつかないのだ!
『みゃー……』
私の愛を目の当たりにして大絶賛の声を上げるミャーだった。照れるね。
「えーっと、まず……私って実家の伯爵家で実の父親に軟禁されてね? 別邸に閉じ込められたんだ」
「――なるほど、僕は伯爵に報復すればいいのですね?」
「いやぁ、もうお爺さまがやっちゃったんじゃないかなぁ?」
あの後の話は聞いてないけど、「取り潰しだ!」と一喝していたし。有言実行したのだと思うよ、あの祖父バカっぷりだと。
「さすがお爺さま。ご立派です」
ルイナスが納得したところで、次へ。
「別邸を探検していたら地下室で卵を見つけてね? ミャーが産まれたんだよ」
「なるほど」
「そのような出会いが」
ルイナスと共に話に聞き入るアリスだった。そういえばこの辺の話はしていなかったっけ?
「で、ダンジョンを見つけた私は探検を開始して――見事ドラゴンを倒し、ダンジョンを我が物にしたのでした!」
『みゃー……』
端折りすぎだろ、みたいにため息をつくミャーだった。でもあのあたりを一から話していたら時間が掛かりすぎるからなぁ。今度冒険譚として纏めてみる? タイトルは『リーナちゃん頑張る!』みたいな感じで。
『みゃー……』
ネーミングセンスぅ、みたいな以下略。
で。私の冒険譚に聞き入っていたルイナスの反応はというと、
「ドラゴンを倒し、ダンジョンマスターになるとは……まるで伝説の勇者のよう。さすがはお姉様です!」
大感激していた。私の言葉に対する疑いなど微塵も存在しない。ふっふっふっ、見たかいミャー君? これが姉弟の絆というものなのだよ!
『みゃーみゃー』
はいはい、みたいに肩をすくめるミャーだった。あまりに感激してリアクションを間違えちゃったらしい。
◇
説明が一段落したところで。
「――二人はとにかくマズいのです」
と、アリスとルイナスを前にして腕を組む私だった。
「マズい、とは?」
「アリスは聖女の称号を持っているし、ドラゴンを倒したのでヤバそうなスキルもいくつか。あと魔力総量もすごいことになっているし」
「それは、そうですわね……」
「ルイナスもスキルが『七つの大罪・暴食』に進化したせいか吸い取る魔力が激増しているし。今のままだと部屋の外にいても魔力を吸い尽くされるかもしれないね」
「それは……マズいですね」
しゅんとするルイナスを安心させるように、私は獲得したばかりの魔石をルイナスの手に握らせたのだった。
「でも大丈夫! この魔石を食べれば隠蔽系のスキルが手に入るからね! まぁでも毒だから――」
「分かりました!」
私の説明が終わる前に魔石を口に含むルイナス。
そして『ばったーん!』とぶっ倒れるルイナス。
弟よ、人の話は最後まで聞きましょう……。まぁ聞いたところで倒れるのは避けきれないのだけどね。
『みゃー』
そういうところだぞ、みたいな以下略。




