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【受賞・書籍化】魔石喰らいの最強聖女 ~悲劇の運命は『力(パワー)』でなぎ倒します!~  作者: 九條葉月


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サルサル


「……お嬢様ー、攻撃魔法を使うときはー、もっと周りを見てからにしましょうねー?」


 メッチャ引きつった笑顔で注意されてしまった。たぶん公爵令嬢じゃなかったらゲンコツされていたと思う。マジすみませんでした。


「で、どんな感じでした?」


「そうっすねー。やっぱりステータスってやつが強くなっているんでしょうね。キラー・バットをこうも簡単に倒せるとは……」


 キラー・バットってあのコウモリの魔物のことだっけ? なぁんか『キラー』って感じがしないんだよね。攻撃されてもちょっと痛いだけだし。


「いやいやお嬢様、舐めすぎっす。キラー・バットは初心者殺しと言われてまして、駆け出しの冒険者がいっぱい殺されているんですから」


「えー、そうなんですか?」


「そうなんですよ。まず表皮が硬いですし。視界の外から奇襲してきますし。何より基本群れていますからね。強敵なんですよ? まぁドラゴンを倒せるお嬢様からしたら雑魚でしょうけど」


「へー」


 まぁ確かに。攻撃魔法で範囲殲滅しているから瞬殺できるけど、これが剣で一匹一匹倒すとなれば大変かもしれないね。相手も避けたりフェイントしたりするだろうし。


「ふふふ、つまり私は超強いスーパー幼女ということですね?」


「はいはい、すごいですねー」


 やる気ない反応をされてしまった。くっ、やはりミャーがいないと突っ込みが足りないぜよ。





 キラー・バットは易々殲滅し。水晶を使って第二階層に移動したのだけど……。


「あれー?」


 なんか、様子が違うような? 第二階層は草原だったはずなのに、目の前に広がるのは鬱蒼とした森だ。間違えたかな?


「ダンジョンの階層ってランダムだったりするんですか?」


 この中で唯一ダンジョンに詳しいフィナさんに質問する私。


「いやぁ、聞いたことないっすねぇ。そんなのだったら先人たちの攻略法がまるで役に立たないですし」


「ふーん?」


 でも実際に今までと違うしなぁ?


「あとは、このダンジョンの持ち主はお嬢様なんですよね? なら、その時に色々と変わっちゃったとか?」


「持ち主というかダンジョンマスター――まぁ持ち主ですか。そんなものなんですか?」


「分からないっすよ。そもそも人間でダンジョンマスターになった人なんているのかって話ですし」


「いないんです?」


「いたとしたら『魔王』とか呼ばれているんじゃないっすかね? んで、危険視されて討伐されると」


「……え? 私も魔王って呼ばれちゃう系ですか?」


「まぁ、お嬢様の実力をそのまま表に出したら、討伐しようって勢力が出てきても不思議じゃないっすよねぇ」


「マジっすかー」


 これは偽装も完璧にしないと。改めて決意する私だった。





『――ウッキー!』


「お?」


 なんかいかにもサルっぽい魔物が? 木の上に?


 サル。

 見た目はサル。


 なのだけど、なんだろう? ものすごーくこちらをバカにしたような顔をしている。


『ウッキー!』


 そんなサルは、投げてきた。こちらに。ウ〇コ――じゃなくて、排泄物を。


「うっぎゃああああぁああああ!?」


「ぎゃあぁあああああああああ!?」


「ひぃやぁあああぁあああああ!?」


 涙目になる私、フィナさん、アリス。なんだこいつ見た目サルのくせにゴリラかな!?


 もちろん、自動展開の結界によって排泄物は防御された。


「やだー! ばっちぃ!?」


 一旦結界を消し、もう一度展開する私。よーし綺麗になった――


『ウッキー!』


 再び例のブツを投げてくるサル。なんだこいつ無限ウ〇コ製造器かな!?


「――死ねぇええええい!」


 たぶん今までで一番殺意の込められた一撃。サルは瞬時に消し炭となったのだった。第一部完。


 そして、


『『『『『ウッキー!』』』』』


「増えたぁ!?」


 仲間を呼んだ!? 仲間がやられて怒った!? 十数匹のサルが一斉に――ぎゃあぁあああああああ!?



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