またかい
一度壊れた自動防御は自動で再展開されるけど、ちょっと時間が掛かるっぽい。なので、ステータス画面から手動で再起動してしまう。
「よし! どこからでもかかってこい!」
私が立ち上がると、二回目の自動防御にも次々に弾を撃ち込まれてきた。
結界のHPが斬れないよう注視していたのだけど……射撃回数はだんだんと少なくなり、やがて止まった。
「おや? 弾切れ?」
まぁ近づいても自動で防御されるから平気か。ということで弾の発射地点に向かってみると――なんか、植物が萎れていた。
見た目としては百合の花に近い感じ? ……あ、そうだ。そのままずばり『テッポウユリ』そっくりだ。
よく見ると普通の植物なら花粉が付いている部分に何もなく、穴が開いていて茎部分に繋がっている。ここからさっきの弾丸(?)が発射されていたのかな?
「魔石は……あるのかな?」
落ちてた棒きれで百合っぽいものを突いていると……ニョキニョキと。そんな効果音が聞こえてきそうな勢いで私の周囲に芽が吹き出した。
どことなくこの萎れた植物に似ている。気がする。
「ははーん? なるほど、さっきの弾丸は種だったって展開かな?」
発芽した植物はそのままグングンと成長して――百合っぽい花を咲かせた。先ほどまで私を狙い撃ってきた植物そっくりだ。
その花が一斉に私の方を向いた。ぐりんと。
「え、ちょっと待って――」
植物に言葉が通じるはずもなく。一斉に吐き出された弾丸によって私は滅多打ちにされてしまうのだった。
「痛痛痛痛痛っ! ちょっと待った結界割れた!? 痛痛痛痛痛っ!!」
◇
炎魔法で焼き尽くした。是非も無し。
『みゃあ……』
なんか『うわぁ第六天魔王……』みたいな反応をするミャーだった。いやミャーが織田信長を知っているはずがないんだけどね。
『みゃ!』
百合っぽい植物をむしゃむしゃと食べ始めるミャーだった。どうやら肉食じゃなくて、雑食みたい。
「美味しいの?」
『みゃ!』
マズくはないが健康のためにね~、みたいなことを言われている気がする。ゼロ歳児が健康に気を使わなくても……。
でも、そう考えると私も健康には気をつけないといけないというか、今までの軟禁状態のせいでありとあらゆる栄養が足りていないのだから野菜(?)も食べないとね。
いい感じに焼けていることだし、ミャーに百合っぽい植物を分けてもらい、食べてみることにする。むしゃむしゃ。お、中々いい感じ。ちょっと苦みがあって、痺れもあって――
ばたーん、っと。そのまま横に倒れる私。なんか全身が痺れるし呼吸ができないし、頭がくらくらするんですけど?
≪スキル・毒分解のレベルが上昇しました≫
また毒かーい!
地面に転がりながら突っ込んでしまう私だった。