表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/59

閑話 王太子

 ――王宮。


 この国の王太子、フリードは『影』からの報告を受けていた。


「ルクトベルク公が、ランテス伯爵家を調べさせている?」


「はっ。なんでも、孫娘の扱いが悪い可能性があるとかで」


「孫娘?」


 未来の国王として、この国の主要な貴族については学び始めたフリードだが、さすがに中位貴族の娘までは記憶していなかった。


 それを察した『影』が簡潔に説明する。


「ルクトベルク公には娘がいたのですが、ランテス伯爵と駆け落ちに近い状態で結婚しまして。二人の間にできた娘がルクトベルク公の孫娘に当たる、リーナ嬢でございます」


「ふぅん」


 親が子供を虐待する。庶民はどうか知らないが、貴族であればよく聞く話だ。わざわざ王太子であるフリードに報告するようなものであるとは思えない。が、こうして上がってきたのだから何らかの理由があるのだろう。


「そのリーナ嬢、今何歳なんだい?」


「先日7歳になったそうで」


「7歳か」


 現在12歳であるフリードとは5歳差。ならば婚約者候補かもしれないと考えるフリードだ。貴族としてはまぁまぁ普通の年齢差だし、ルクトベルク家の孫であれば血筋としても問題ない。


 とはいえ、中位貴族(伯爵家)の娘なので『弟』の方が可能性は高そうだが……。


「なら、一応注目しておいてくれ」


「ははっ」


「それと、弟の様子はどうかな?」


「はっ、病状は小康状態ですが、部屋から出られるほどではないとのこと」


「相変わらずということか……。やれやれ、聖女様(・・・)でも出現してくれれば治癒してくださるのだろうけどね」


「……期待いたしましょう」


「うん、期待して待っていようかな。とりあえず、リーナ嬢のことはよろしくね」


「承知いたしました」


 一度頭を下げてから、『影』の男は煙のように消え去った。いつものことながら腕がいいことだ。


 しかし、しょせんは国王陛下(父上)の紐付きでしかない。


(私の方からも、調べておくか)


 なぜだか妙に気になってしまったフリードは、そう決めたのだった。




※お読みいただきありがとうございます。面白い、もっと先を読みたいなど感じられましたら、ブックマーク・☆評価などで応援していただけると作者の励みになります! よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ