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きっと同じ台風圏内♪

作者: ソウ マチ

おかげさまで、台風を理由に今日のバイトはお休みになりました。風がすごいからお外に出るのが怖かったので、行かなくていいと言われてほっとしました(涙)。


窓の外では台風が吹き荒れていて、雨が真横に降っています。車も人も見えなくて、まるで世界に誰もいなくなってしまったよう。いつもの世界とぜんぜん違う。もしかしたら世界は終わってしまったんじゃなかろうか? なにもかも終わった地球でわたしだけ一人、パタパタとパソコンを叩いているんじゃなかろうか?ww


そんなワケはないので、この瞬間もきっと生きているタカナシくんのお話を。


その前に、エッセイについてひとつお話を。


先日、なろうのエッセイで「読む気が失せる文章」について書かれていました。基本的な文章の決まりごと……書き出しの文は1文字あける、「!」などの記号の後は1文字あけるなどが守られていないと、内容に関係なく読む気が失せるそうです。


なるほど……。そういう観点で読むのをやめる方もいるのか……!


わたしの文章は最初に1文字あいていません。文章の書き方という観点で見ればルール違反です。先ほどのエッセイを書いた方が見たら、最初の1文字で読むのをやめてブラウザバックなさるでしょう。それはとても残念! できればお読みいただきたい! でもわたしは1文字あけません。


報酬が発生する文章を書くときは1文字あけます。なぜなら担当さまや校正さまのお手をわずらわせてしまうからです。わたしがルール違反な文章を書くと、誰かが修正しないといけない。それは申し訳ないので自分で1文字あけて書く。


けれども報酬が発生しない文章、このなろうのエッセイがそれに該当するのですけれど、そういった文章は1文字あけません。


なぜか?


1文字あけてコンマ数秒のロスを繰り返して文章の勢いが失速するのがイヤだから! 勢いは大事! すごく大事です! 「……1文字あけて……」とスペースキーを押すコンマ数秒が惜しい! それを何度も繰り返したり、あけていない所を見つけて「ここを1文字あけて……」という作業で勢いががれるのはもったいない! わたしはルールより勢いを優先したい!!


わたしの文章、勢いの良さだけが売りですから!!


ランキング常連のはせさんの緻密な文章を読んでいると「はせさんはお若い学生さんなのに、きちんと物事を考えていらっしゃるし、その考察を理論的に書いていてすごい……。」そう思います。尊敬するし、見習いたい。でもムリですから! はせさんの2倍以上人間やってますけど、わたしに緻密とかきちんととかムリですから!! たぶんはせさんは前世も人間で、わたしはイヌでしたから! トータルで考えたらわたしのほうが、はせさんより人間やってる時間が短いですから!(← たぶん) 


そういうわけで、今後もルール違反で勢いのある文章を書きたいと思います☆ それがわたし!! よろしくです!!


では本題です。タカナシ君についてです。


タカナシ君は転校生でした。1学年に2クラスしかない田舎の小学校へ、4年生になって都会から引っ越してきた転校生でした。薄茶色の髪の毛はサラサラ、大きな瞳も薄茶色、均整のとれた身体つきで、田舎には売っていないお洒落な服装をしていました。ご両親も都会的な美男美女で、お姉さんはお人形みたいに可愛らしかった! お父さんが日本人離れしたヨーロッパ的な顔立ちだったので、お姉さんもタカナシ君もハーフ(今はダブルと言うのかな?)みたいな顔でした!


外見の良さもさるものながら、タカナシ君はお勉強もできてスポーツ万能! 欧風な顔立ちなのに剣道をしていてギャップが良い! まるで出来杉くんみたいな男の子です! しかしタカナシ君の実力は、こんなもんじゃありません! 見た目も頭も運動神経も良いが、なんと! 性格まで良かった!! わたしは長いこと生きていますけれど、タカナシ君みたいに全部そろった人を見たことがありません!! 誰にでも親切で明るい! そしてカッコイイ!!


田舎の小さな小学校で彼はすぐ人気者になりました! そして中学生になり、1学年が6クラスに増えても人気者の地位は不動でした! さらに街中の高校へ進学してからは、その高校だけでなく他校のお堅いお嬢様学校の女子生徒たちが電車でタカナシ君に会うためだけに定期券を購入(← お金持ちのお嬢ばかりなので、そういう裏ワザが駆使できる)して彼が乗りそうな電車に何度も乗り換えて彼を探すという事象が発生して学校が「特定の生徒(タカナシ君)を目的に定期券を購入してはいけない」と禁止令を出すほど彼はモテモテでした☆


もしわたしがタカナシ君だったら、押し寄せてくる女子生徒たちにウハウハで悪行のかぎりを尽くしたと思います! あんなこともこんなこともやらかして、そんなこともやったと思う! でも清廉潔白なタカナシ君はそういうワルイコトを一切しませんでした! 素晴らしい☆


地元で有名人だったタカナシ君は、東京の芸能事務所にも誘われたらしい。けれども高潔無比なタカナシ君は「大学受験を優先したい」とスカウトを断ったそうです! もったいない!!


タカナシ君とわたしは違う高校でしたけれど、毎朝おなじバスで顔を合わせていました。タカナシ君と共通の話題なんてないのですけれど、明るくて優しいタカナシ君はわたしのグチを聞いてくれたり、わたしのバカ話に大笑いしてくれていた。


え? わたしがタカナシ君を好きにならなかったか? ですか? もちろん人としては大好きです! でも恋愛対象としては論外でした! こうまで完全無欠な人を好きになる度胸は持っていない! 万が一お付き合いすることになったとしたら恐れ多くて言葉も出ない!! ブルブル!!


ある時わたしは、仲のいい友人アンと話をしていました。アンがこれまた、数々の伝説を生みだしたモテ女子で(苦笑)。短期間で10人(!)から告白されたり、すれ違っただけの人から交際を申し込まれたり、横で見ているわたしとしては「モテるのはうらやましいけれどタイヘンそうだねぇ~!」そう同情をおぼえるほど尋常でないモテぶりでした。彼女の見た目は可愛らしいのですけれど、性格は男っぽいというか男前というか、見た目と裏腹なたくましい性格でした。


そんなアンにリナちゃんというお友達がいるという話になりました。リナちゃんは見た目がすごく可愛らしくて、お勉強も運動もピアノも得意で、しかも性格が素晴らしく良いらしい。このリナちゃんはすごくモテるのに、一度も誰とも付き合ったことがないほど奥手で、友人のアンとしては誰かいい人を紹介してあげたいらしい。


品行方正なリナちゃんの話を聞いたわたしは、文武両道なタカナシ君を思い出しました。


ソウ:可愛くて真面目で性格も良いリナちゃんに、よく似たタイプの男子を知ってる……。

ミナ:だれ、それ?

ソウ:タカナシ君。

ミナ:知ってる! 〇〇高校のアイドルだよね! すごくカッコ良くて、性格も良いとか!

ソウ:タカナシ君、いま彼女を募集してる。


彼は当然のように高校で鬼のようにモテていたようですけれど、ピンとくる女子はいないらしい。タカナシ君のあまりのイケメンぶりに血相を変えて寄ってくる女子たちに、彼は食傷気味だったのだと推測します。そして恋愛対象外のわたしに「マチさん、誰かいい人がいたら紹介してよ~!」冗談まじりで言っていたのです。


ミナ:完全無欠な二人を会わせてみたら、どうなるんだろう?

ソウ:おもしろそう! やってみるっちゃ!!


そういうわけで4人が集まりました。わたしを除いてモテまくりのモテモテ勇者たちです! ものすごい絵面えづらだったと思う。同時に3人を見ていると、まぶしかったですもの。溢れ出るオーラで目がチカチカするの☆☆☆ どこを見たらいいか、わからなくなるの☆☆☆


そして二人は出会った瞬間、恋に落ちました♡ まるでずっと探していた人にやっと会えたみたいだった♡ すごく嬉しそうな二人を見たわたしは「ものすごくイイ事をした気がする……!」そう感じて満足しました♪


その後はタカナシ君やリナちゃんに会うことはなく、アンからときどき二人の消息を聞きました。出会った瞬間から仲良しになった二人はずっと仲良しで、一度もケンカをしないまま二人は高校を卒業しました。きっと二人は大学へ行っても、ずっと仲良しだろうな♪ 同じ大学へ行くのかな?


ところがこの予想は、思わぬジャマが入って外れました! リナちゃんのお父様が断固として二人の交際に反対したのです! これにはメンドクサイ親心がありまして……。


リナちゃんのお父様は、地元で評判の名士でした。お父様は病院の院長先生です。リナちゃんは品行方正で性格も良い上に「お嬢様」だったのです。神は二物も三物も四物も与えるよなぁ……!


お父様には三人のお嬢さんがいらして、リナちゃんは末っ子さんでした。二人のお姉様もリナちゃんと同様に品行方正で素晴らしいお嬢さんだった。お父様は3人の娘をとても可愛がっていました。

お姉様たちは二人ともお父様を尊敬していたので、薬剤師さんになりました。するとお父様はある夢を抱いたのです。「どちらかの娘が医師と結婚してくれたら、わたしの病院を継いでくれるんじゃないだろうか? そうなれば可愛い娘たちの将来は安泰だ!」


お父さまの夢を知ったお姉様たちの行動は迅速でした。あっという間に医師でない男性と結婚なさったのです! お父さまはガッカリしましたけれど、まだ夢は捨てていませんでした。「可愛いリナがいるじゃないか! リナは医師と結婚させる!」


途中からお父様の夢が野望に変わってしまって残念ですけれど、お父様の意志は(医師だけに)堅かった!!


父:タカナシという若者は文系志望なのか!? 医学部志望じゃないなら交際は絶対に許さん!!


お父様の妨害工作は、なかなかエグいものでした。リナちゃんを説得して、遠くの音楽大学へやってしまったのです。聞いた話によりますと、彼女が住む高級マンションにはグランドピアノがあったらしい……。ご令嬢の大学生活はケタが違うぜ!! そうは言っても遠くの大学へ進学したのはリナちゃんの意見もあるでしょうけれど、二人は遠距離恋愛になってしまった。しかし二人はあまり気にしていないようでした。電話やメールで愛を育み、タカナシ君が就職したら結婚しようと言い合っていたらしい。仲良しな二人にとって、遠距離は問題じゃなかった♡ 


4年間の大学生活でも二人は一度もケンカをしなかったそうです! お互いの時間を工夫してクリスマスや夏休みに会えることを楽しみに、遠距離恋愛を乗り切ったらしい。素晴らしい!!


ところが就職で、またまた問題が生まれました。今までだって遠距離だったのに、もっと遠距離になってしまったのです! タカナシ君は東京で会社員になり、リナちゃんは地元である福岡へ。以前より遠く離れてしまった。そしてタカナシ君は東京でさらにモテモテで、音楽教師になったリナちゃんもモテモテで、さらに彼女のお父様が医師とお見合いをさせるため奔走しているらしい……。さすがにこの二人、終わるんじゃなかろうか……。


この話をアンから聞いたのは、みんなが24歳くらいだったかなぁ? 「親が結婚に反対しても、駆け落ちでもなんでもできるじゃん!」そう思いました。でも二人はしなかった。そしてわたしは自分の人生に翻弄されてアンと会うこともなくなり、タカナシ君やリナちゃんの消息はわからなくなってしまいました。


それから二人の結末を聞いたのは、10年以上たってからでした。みんなが35歳くらいになった頃です。


高校時代に出会った二人がずっと仲良しで、でも家族の反対にあって結婚できなくて、その10年後……。二人はどうなっていたと思いますか??






















リナちゃんは雨のように次からつぎへと降ってくる医師との見合い話を頑強に拒み続け、ずうっとある瞬間を待ち続けたそうです。その瞬間とは「女性としての賞味期限切れ」の瞬間。高収入で条件の良い医師とお見合いができる女性は、一般的に「若くて……」という接頭語が付きます。リナちゃんは「若くて……」という言葉が自分に当てはまらなくなるのを静かに待ち続けた。そしてタカナシ君はリナちゃんが自分と一緒になってくれるのを、ずっと信じて待っていた。


そしてついにリナちゃんに「若くて……」という言葉が当てはまらなくなった時、医師とのお見合いはもうできない、自分の病院を継いでくれる婿は見つからないとあきらめたお父様が二人の結婚を許したそうです!! 


おめでとうございます! 気の遠くなる道のりにも、ちゃんとゴールはありました!! 


こんな野望を持つ父親を裏切らず、父が納得するまで待ち続けた二人はすごいと思います!! 二人が結婚したのは34歳くらいだったかなぁ? 今ならフツーかもしれませんけれど、いや今でも遅いかもしれない、とにかく当時は遅すぎるくらい遅かった! でも二人はついに結ばれました!!


お二人がどこで暮らしているのか、二人に家族が増えているかわたしは知らないです。でもたぶん、今この瞬間、わたしがビビりまくっている台風の中に二人(もしかしたらお子さんも)がいて、同じ台風を「ちょっと怖いね。ww」って仲良く言い合っていると思います♪ そんなお二人と、ご家族に幸あれ!!


そして同じ台風の圏内にいるなろう仲間と、ラッキーなことに圏外にいるなろう仲間にも、イイコトありますように! この台風が抜けたら、きっと気持ちの良い秋になります♪♪ 楽しみです♪♪


どうやら風がすごいので、お出かけしなくていい方は全力でお出かけを回避なさってください! どうしてもなご用でお出かけになる方は、どうぞくれぐれもお気をつけてお出かけください!!


どうぞご安全な一日をお過ごしください~!!

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― 新着の感想 ―
[一言]  台風ですが、関東には来なかったので大丈夫でしたが、あの日はゲリラ豪雨に遭遇しました。  ゲリラ豪雨のような突然の大雨に遭遇すると、息が出来ないほどの圧迫感があると言いますが、それは本当のこ…
[良い点] 恋愛小説を読んでいる気分でドキドキハラハラしました!相変わらず文章表現が素晴らしく上手い! [一言] ソウさんの人生とタカナシくん達のお話でドラマ4本くらい作れそうですね!
[良い点]  結ばれてよかった♡ [一言]  マンガでも、セオリー無視した描きかたする先生ありますが、それも個性。  それが気に障ってやまない読者も、それは好み。  お互い、好きなようにすればいいか…
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