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キツネの恩返し
「妾はお前さんに恩返しをすべく、来る日も来る日もお前さんの家に行ったのじゃ。しかし何もできず雨の日も風の日も窓の外でお前さんの姿を見ておった……」
確かにあの日からウチの庭に小さなキツネが現れる様になって、家族で眺めて喜んでいた記憶がある!
「そして、ある日の夜お前さんが話しているのを聞いたのじゃ……大晦日の夜売れ残った傘を地蔵様にかけてあげると、地蔵様が動き出し恩返しにきた話を!」
「また別の日には、罠にかかった鶴が猟師に助けられその独り身の猟師の元へ鶴が人化の法で嫁入りする話を!」
なんてこった確かに国語の宿題で教科書の読み上げをしていた事はある……
「妾はその時気付いたのじゃ、地蔵が歩き鶴が人に成れるのであればキツネである妾も人になれるはずじゃ……と、そして毎日修行に明け暮れたが一向に人化の法を会得する事は叶わず途方に暮れておった所、お前さんの家のお稲荷様がこう仰ったのじゃ!『心の優しい我が眷属よ……お主の願い叶えてやろう』妾はその申し出を有難く受けこの姿になる事ができたのじゃ」




