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据え膳食わぬは乙女の恥

 俺は洗った食器を水切りラックへ並べながら、今日の事を思い出していた。優しく面倒見の良いたまみさんの事、俺の弱点を突いてくる姉御肌の猫島さん、絶対俺の事を嫌いな桜庭さん、よく分からない板場先生。


 他に行く所も無いし、上手にここでやって行くしかない。(明日も大学があるし引っ越しで疲れたので今日は早めに寝るかな。)

 部屋にいる桜庭さん達はいつまで俺の部屋にいるつもりなんだろうか?帰ってくださいとも言い難いし、取り敢えず部屋へ戻ろう。 


 部屋に戻ると、四人は丸テーブルを囲みながら話し込んでいた。板場先生はボーッと虚な目で三人の話に耳を傾けているが、どう見ても目を開けながらなている様な感じだ。


「それでねぇ、しつっこく私に電話番号渡してきたおじさまがね〜」


「うわぁ……そんな人いるんだ?しんじらんない!たまちゃんがそんな見ず知らずのおじさんの誘いなんか乗るかっつーの!」


「丁寧に断ってるのに今度食事に行きませんか?何度も誘ってくるから、私も仕事中だし余りしつこかったからちょーーっとだけ、フゥーーーってやったら青褪めて逃げてっちゃった、うふふふ。」


「こっわ、良くそのオッサン生きて帰れたな!そのオッサンもたまの正体知ったら二度と誘わないぜ?絶対」


どうやら仕事中の出来事で盛り上がっているらしい。しかし俺も明日があるので何とかお開きに持って行きたい。


「あの、たまみさん今日は本当にご馳走様でした。今度何かお礼しますね、それと皆さん大変申し訳ないのですが、今日は引っ越しで少し疲れたのでもう休もうと思うんですが……」


「ん?寝りゃ良いじゃねーか、誰も気にしねぇって!なぁ?スミ、たま?アタシらはアタシらで楽しくやってっからよ、気にしねーで寝て良いぜ」


「いや……そう言われましても……俺の部屋……」


「小せえ事言うなって、なんなら明日起こしてやろうか?たまに起こして貰えりゃ寝覚めもいいってもんじゃねーか。ま、そい言うこったからサッサと寝ちまいな!」

あたし達に構わず寝ろと言うのもあまりに無茶苦茶であるが、抗う術がない。


 帰る気配が一向にないので俺は折りたたみのベットを組み立てて布団を被って寝る事にした。今日はとても疲れたので風呂は明日の朝学校行く前に入ろう……

 そして思ったより疲れていたのか、すぐ隣で三人が喋っているのにも関わらず俺はあっという間に眠りに落ちてしまった……


「おい、寝たぞ…… 、スミどうする?やるのか?」

「安成くんの寝顔……かぁわいい〜♡」

「ふ〜む……」


「ちょっ…… 、私だって心の準備とかあるんだから急かさないでよ!こんな大勢に見られながらするなんて絶対無理!」


「アンタ達、ちょっとそっち向いて!恥ずかしいから絶対こっち見ないでよ!」

(ど、ど、ど、ど……どうしよう……。いきなりこんなの無理なんですけど!)

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