夕飯その8
そう言い出したのを見た途端、桜庭さんは焦りを隠せずアタフタと挙動不審になり顔が真っ赤になる。
「ちょ、ちょ……ちょっ!」
「何言ってんのよ、このバカ猫っ!マジで何考えてんのよ!ぶち◯すわよ!」
猫島さんはめちゃくちゃ悪い人の顔になっているのだがとても楽しそうだ。
「いいから、ココ座れよ!」
俺も桜庭さんの表情を見て返答に困る。
「でも、いや…… 」
「桜庭さんも嫌がってますし……あはは…… 」
(困った、もう何が正解なのか分からなくなってきた)
瑠美さんは俺の顔を見据えて更に悪い顔になる。
「あぁ!?でももヘチマもねぇんだよ、朝のアタシの言った事もう忘れたのか?」
「ほら、言ってみろ?先輩の命令は……?」
瑠美さんは何故か頭に手を当てて俺の返事を待っている。
「…………絶対、です」
朝の言葉は覚えていた……その言葉を、口に出したくは無かったのだが体育会系の家庭で育てられ、男子高卒業の俺にとって先輩や目上の人間というのはある意味絶対的存在で分かっていても抗えない。(−_−;)
「よぉし、よく覚えてたじゃねえか!そうだ絶対だ!」
「ほら、早く座れよ!良かったじゃねえか両手に花でよ!」
瑠美さんはゲラゲラ笑いながら俺の背中をバンバン叩くのだが、結構力が有り地味に痛い……