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夕飯その5
俺は部屋に戻り、段ボール類をクローゼットに押し込み、ベッドのスペースを確保して小さな丸テーブルを部屋の中央に置いた。
六畳一間ではあるが綺麗な部屋で収納には困らない。トイレは別だがシャワーが供用らしい。
寮の一番奥は小さな炊事場とランドリースペースになっていて、今はたまみさんが作っていると思われるカレーの香りが一面に漂い空腹感が爆上がりしてくる。
「あー、おかえりぃ」
俺が戻った事に気付いたのか奥から声がする。
「もうすぐ出来上がるから、お部屋で待ってて〜」
「安成くんのお部屋でいいかなぁ?」
「みんなで食べられる様にしててね」
奥から忙しそうなたまみさんの声が聞こえる。
「了解でーす!」
俺も早く食べたいので思わず声のトーンがアップしてしまう。(急いでスペースを確保せねば!)
俺はあらゆる物を更にクローゼットに押し込み、ベッドも畳んでパッと見は片付いた様に取り繕ってカレーの到着を待ったのであった。