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頼庵のエッセイ集

好きだけど『嫌いではない……』

作者: 藤谷 K介(武 頼庵)


 

 皆さんの周りで今現在話題になっている事って何ですか? 趣味の事、食べ物の事、ファッションや音楽の事、さまざまにあると思います。


 現在カタールという中東の国にて初のサッカー ワールドカップが開催されていますが、どのくらい話題に上ってますかね? 学校で職場で、友達同士で、又は井戸端会議で等など話題に上がってますか?


 

 本日のエッセイのテーマは『好きだけど嫌いじゃない』についてです。

 このテーマと冒頭の話に何が関係するのかというと……。私は以前から掲載しているエッセイにおいて自身がサッカー経験者という事は書いてきていると思います。

 サッカーが好きでサッカー選手をしていたわけですが、勿論そうなるためには憧れの選手だったり、好きなチームが有るんですよ。


 ただそれは『日本』ではないのですけどね。


 1998年当時、Jリーグが発足してから数年を経て手にしたワールドカップ フランス大会。

 現役選手だった私もワクワクしながらその試合を観てました。周りはもちろん日本が出るというので盛り上がりまくりのお祭り状態で、何処に行っても日本代表の話が話題に上るほど。

 

 そんな様子を私は少し冷静に見ていました。何故かというと周りは皆と言っていい程の日本代表ファン。ガチのファンからにわかファンまで一緒になって盛り上がっているんですが、私は『日本代表』のファンではなかったからです。厳密に言うと……怒られてしまいそうですけど、日本代表には興味が無かった。今もそれは続いています。


 日本に居て、日本に住んでいて、日本人なのだから日本を応援して然るべき!! という感じが当時もありましたけど、私はその波にどうしても乗ることが出来なかった。


 え? どこのファンなのかって?

 実は私はイタリア代表のファン。生粋のアッズーリティフォージ(イタリア代表の熱烈ファン)なのです。見ている試合もセリエAが主。好きなチームもイタリアのフィオレンティーナなので、日本代表の試合を見るというのは、仲間内で誘われて見にいくときくらいでした。


 私が小さい頃というのは、まだ日本にプロリーグは無く、トップリーグといえどもそれは社会人サッカーだったのです。

 なのでわたしが憧れたのは海外の選手であり、海外のリーグ・チーム。そんな気持ちのままいたので将来的には海外でプレーしてみたいなんて事も考えていました。


 しかし、時代は日本にもサッカーでのプロ化の波が押し寄せてきました。それは既に先に決まっていた『日本でのワールドカップ開催への招致』が始まって、日本サッカーの強化・底上げが急激に始まることに繋がって行ったのです。


 そうなると急激に熱がこもってきます。Jリーグも発足し選手たちの活躍はTVでの放送なども充実していたこともあって目にする頻度が増えました。


 Jリーグ入りを目指す方も増えた印象があります。そして確かに底上げには成功した。だからこその(※1)韓日共同開催ワールドカップでの活躍となるのですが、その前にはオリンピックも有ったりして日本全国にサッカー熱が充満していたような気がします。


 それからすでに20年の時が経ち、日本がワールドカップに出る事が当たり前と捉えられている昨今。


 皆さんの周りでサッカー熱を感じますか? 

 色々なメディアでも日本以外のサッカー中継が手軽に観る事が出来るようになって、海外選手の動向を追う事が容易になった今ですが、それに比べると日本代表を扱う機会が少なくなっているような気がします。


 多様性が上がったので仕方ないのかもしれません。興味があるファンは今もなお日本代表を熱烈に追い応援する事が当たり前。しかしほとんどサッカーに興味がない方々にとっては、聞き齧る程度にしか目にも耳にも届かなくなった。


 人気絶頂であった頃には、サッカーに興味がなかった人たちをも巻き込み『にわか』と言われるファンまで作り出してしまったあの興奮も中継熱でさえも、感じられなくなってしまったのは気のせいじゃないのかもしれません。


 日本代表に特別な感情が無い私でも感じるのですから、大なり小なり感じられている方はおられるのではないでしょうか?


 私は結局の所、サッカーは好きなんですよ。

 でも日本代表はと言われると……『嫌いではない』と答えるしかないですね。でも嫌いではないからと言って、サッカーから興味が失せるわけではないのです。若い方々の試合はもちろんチェックしますし、プロリーグではない下のカテゴリーの試合もチェックします。私が若い頃に目指した、全国高校サッカー選手権は必ず毎年観ますしね。


 日本代表を応援しないのか? と問われれば応援はしますよ。ただし好きな国の『次以降』にはなりますけど……。どこまで行っても『サッカーは好きだけど、日本代表は嫌いじゃない程度』なのは変わらないと思います。これは仮に日本代表がワールドカップを制しても変わらないでしょう。現に女子日本代表が制しましたけど変わる事は無かったっですから。カテゴリーは違えど日本代表に変わりはありません。日本人を応援することはあっても……という事ですかね。なんとなく怒られそうな気がしますけど。



 人それぞれに思考は違うし、時代によっても変わるでしょう。

 私もサッカー自体が『嫌い』にならない限りは、ずっと年老いても見続けると思います。その時にどのような感じにワールドカップを迎え、どのようにサッカーの試合を観るのかは想像できませんが、20数年前に感じたあの熱はもう感じられないのかもしれませんね。



 ワールドカップが始まったので、こんなエッセイを書いてしまいました。

 今回のエッセイはこの辺で締めたいと思います。


 

 



 

 

 

(※1) 韓日共同開催ワールドカップ。

 当初は日本単独開催の予定だったのですが、隣国と共同開催という形で最終的に決定した大会。

 隣国はアジア圏国初のベスト4進出を果たすものの、史上最悪のワールドカップとの声も上がる。

 因みに日韓ワールドカップと言われることが多いが、正式には韓日ワールドカップ。隣国名が先に来る。


 お読み頂いた皆様に感謝を!!

 サッカーが好き!! という方にもいろいろいらっしゃると思います。

 自分も変わってると良く言われますが、そんな『色々な人』の一人でしょう。どうしてそうなったかなどの背景を落とし込んだこの作品は、皆さんにどのような感想を抱かせるのでしょうか……。


 後書きまでお寄りいただき感謝です!!

 ではまたエッセイにてお会いしましょう。



 ※あまりにも酷い内容の感想などは削除させていただきます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 『ドーハの悲劇』をリアルタイムで観ていた、観戦キャリアだけは長いサッカーファンです。 今日は、またドえらい試合を観てしまった――っ! ドイツ、スペインのどちらかと引き分けられれば何とか、と…
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