お嬢様は死んでもお嬢様生活がしたいらしい。
私は変な夢を見た。
夢の最初はメイドと車に降りた時だった。
その時にそこにいた通り魔を刺してきたのだ。
メイドは急いで私を助けようとしたがあっさり私は死亡...
というなんだか虚しい話だった。
でも、その話はなんだか現実気味でとても背筋が凍った…
「お嬢様!もう朝ですよ!」
んーっ。もう朝…?まだ寝たいよ…( ¯꒳¯ )ᐝってもう7時半!ちょっと時間無能すぎんだろ!なんなんだよっ。
「…(・д・)チッ」
思わず叶うはずがない願いが叶わなくなり舌打ちしてしまう。願い?もちろん時間が永遠にある事に決まってるじゃないか。頭の眠気を頑張って追い払い食堂に行く。
「あらお嬢様。おはようございます。」
「うん…メイドおはよ」
朝からしっかりメイドは髪を結いて朝食を作っている。何故メイドはどんな早い時間でも身支度にダメな所が無いのだろう。不思議でしょうが無い。
ん?何故メイドがいるか、って?実は私の何代も前のおじいちゃんがある企業の開発に成功した億万長者だったらしい。だから今私はこのような生活を送っているのだ。
こんな事を考えていると私の前には綺麗に3等分されている卵焼きや食欲を誘う料理が置いてあった。きっと私なら1時間以上は必ず必要になるような料理を手早く作れるメイドの器用さは本当に尊敬に値するほどだ。
「いただきます。」
しっかり手と手を合わせて料理を口に運ぶ。口の中に卵焼きの甘い卵の味が広がり私は幸福に満たされた。
「最高っ…✨」
思わず感嘆を口から漏らすとメイドはにっこり笑った。
「それは良かったです。ところでお嬢様そんなゆっくり食べていると遅刻してしまいますよ?」
そうメイドに言われ思わず時計を見ると時計の針はもう8時を指していた。
「えっ、もう8時!?絶対遅刻する!Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)」
急いで学校の支度をしてメイドが出した車に乗り込む。そして、私は車の中でボサボサな髪をとかした。
(とりあえず遅刻は防げるな…)
そう思った私は、メイドに一言告げた。
「メイド、ここで車を止めてくれない?ここからは私だけで大丈夫よ。」
「えっ…。分かりました。では私は失礼いたします。」
そう言うとメイドは車から降り私に深く一礼した。
...その時だった。
「あぶないっ!!」
メイドは力強く叫んだが遅かった。
近くにいた通り魔が私の腹を思いっきり刺したのだ。
「お嬢様!!」
メイドは私のところに駆け寄ったが、腹から溢れ出る血を見て私は死を覚悟した。
(転生してもお嬢様生活がしたいなぁ…)
何故か欲深いお願いをして私は眠りについた...
「お嬢様!!もう朝ですよー!」
えっ?朝?何のこと?私死んだはずなのに…
って、私転生してる!?!?