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ゴールデンの毛並み
加賀見くんのもとへ行くあさこ
ゴールデンの毛並みが風でなびく――――――――
加賀見君が倒れた自転車をなおしてくれていた
振り向き際にわたしに気づいた
「犬----?」
不思議そうにこちらに来た
止まらぬしっぽ
自らも加賀見君に近寄った
急いで
飼い主を探そうとする加賀見君
そして見守るあさこ
加賀見君ごめんね、飼い主いないんだよ――――――――
束の間、
加賀見君の私服に大興奮するあさこ
白いシャツに涼しげな色のパンツを履いていた
学校では制服とジャージくらいだしな
あっという間に夕方になってしまった
暗くなる前に帰らないとな
わたしの頭をなでて心配そうに見つめる
大きな喜びと罪悪感
「家にこのまま連れていくか」
ついに
この時が
きたのだ