魔法仕掛けのーー?!?
ーー帰宅後
「ーーーーーーーーーーーーーーただいま」
「あらおかえり お弁当台所に出してね」
「はいーー」
「次の新学期までお弁当作んなくて助かるわぁ〜」
「いつもありがとう」
「残さず食べてえらいえらい」
「学期末試験も赤点なくてよかったじゃん」
「、、、、、はぁ、、、」
「どしたのそんな暗い顔して」
「、、、、なんでもない」
「あら、なんでもあるような顔してるわよ」
ーーーーーーー
一旦お茶を濁し
階段を登って部屋に入っていった
ドアを勢いよく閉め
ベッドにスライド&ダイブ
白目7秒
深呼吸数回
何か引っかかる
なんだこれは、、、、、
思い当たることーーーーーーー
一学期終了
赤点なし
夏休みの課題
加賀見くん
加賀見くん
加賀見くん
あ、
上履き持って帰るの忘れた
明日取りに行こう
疲れすぎて変な声が出た
「ーーーーん゛ん゛んんんんーーーーーーー」
めんどくさいけど行かなきゃ
うつ伏せで奇声がベッドに籠る
、、、、、
なんで最後になにも話しかけられなかったんだろう
少し泣いた
そのまま寝落ちしてしまい、朝になっていた
翌朝
上履きを取りに学校にやって来たーーーー
駐輪場には自転車がなく
ガランとしていた
下駄箱にも靴はなく
あるとしても
持ち主不在の長年埃かぶった靴だけだった
階段をあがり
長い廊下に着く
いつもは聞こえる
吹奏楽部が奏でる音も
合唱部の歌声も
遠くから聞こえる運動部の声も
なんの音もしない
廊下には静かに窓から日が差す
スリッパの音だけが廊下に響き渡っていた
教室に着いた
持って帰ろうとわざわざ
ホームルームで袋に入れて置いたのに
机の脇にぶら下げたままだった
靴下だったのに気づかなかった
私が1年の時からずっと洗わずにそのまま2年にあがるまで履き続けてしまったこの上履きを今日持ち帰らずしていつ持ち帰ろうか
渋い顔をしながら持ち去る
他に忘れものがないか
一応机の中にプリントが挟まってないか確認をして
顔を上げた
自然と目の前の机を見てつい今までの事を思い出してしまった
連絡先もしらない
SNSやってるのかな
あーーーーー帰ろ帰ろ
とは言うものの
このまま帰るのは何となく嫌で
学校から徒歩15分
広い公園にやって来た
虚空を見つめながら数分ぼーーーっとしていた
・・・・・・・・・・・・・・・
はぁ、、、、、
「恋の悩み、聞いてあげよっか?」
?!?
「え??!」
横をむくと
どこからやってきたのか
隣には誰もいなかったはずなのにーーーー
しかも
なんだその服装は、、。
黒のベストスーツにちょび髭とシルクハットを被ったおじさんが私に話しかけてきた
「ハロー✨」
ウインクからは星が出て見えた
「誰なの?!」
「私は君の魔法使い」
「魔法使い?」
「そ、君が呼んだの」
「私が??」
「恋は盲目、ラブイズブラインド、シェイクスピアは知ってるかい?」
眉を動かしながら私にドヤ顔でそう言う
「誰にも相談できなかったんでしょ?」
「っつ」
「感覚的だもんね、説明とかできないタイプ☆」
「ど、どうしてわかるの?!」
「だから君の魔法使いって言ってるでしょ♡いじらしいわホント、、、ちょっと待ってなさい」
次の瞬間、おじさんが持ち上げた手に息を吹きかけたらキラキラした箱が出てきた
?!?!?
「何が出るかな 〜 ♬︎何が出るかな〜♪♪チャラララン‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧」
箱が開かれると煙が吹き出し 出てきたのは
ーーーーーーおもちゃの時計?
「これを首からぶら下げてね☆」
手渡されて成り行きで首からかけると勝手に針が回り出した
「時計さん、後は頼んだよ」
「えっ?」
「彼の元へいってらっしゃいーーーーー
嬉し恥ずかしホニャラララ〜〜〜〜〜♡♡♡
宙ぶらりんな気持ちをお直しお直し〜〜♡♡♡♡
あとなんか臭いから、ちゃんと風呂にはいってね」
「え」
「 んじゃまたね、アデューーー☆バイナラーーーーー☆彡.。」
おじさんは消え
訳の分からぬまま とりあえず
上履きの匂いを確認した
どこからともなくおじさんの声が聞こえる
なりたいと願えばそれが叶うよーーーーーーー
制限時間は自分が決めた分だけーーーーーーーーー
・・・なりたい自分にーーーーー?
ゴクリと唾を飲み
頭で唱えた
1分、
犬の姿になれーーーーー
目を開けると
地面が近くなっていたーーーーー
この香ばしい匂いと勝手に上がる息ーーーーー
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ギャ、ぎゃーーー〜ーーーー!!!!!!!
私は本当に犬になってしまったのだーーーー