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Sea Box   作者: 紗良
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〜あなたがくれた贈り物〜

長女を幼稚園に送りドーナツ屋さんで次女と2人。

「ねーママーママー」

2歳の次女はママ依存。可愛いんだけどね。

自分の時間がほしい…最近よく思ってしまう。

独身で仕事をしていた時は早く結婚して、子供が欲しいと思っていたけれど、子育てよりお金を稼ぐ方が楽だとつくづく思う。私の母、世の中のお母さん達、あなた達は素晴らしいです。尊敬します!!


そんな事を考えていたら…

シンディーローパーのタイムアフタータイムが

流れ始めた。懐かしいな。音楽って凄い。忘れていたその時にいきなりタイムスリップする。



1997年、私星野春花。高校2年生。

流行りはルーズソックス、ポケベル、細眉。

そんな流行りに特に流されるわけでもなく、黒髪を二つに結び、部活に励む私。恋愛話は友達の話を聞くのが楽しかった。もちろん私は…恋愛経験ゼロ。憧れは…もちろんありましたとも。でも友達と毎日ふざけて、くだらない話をして、笑い転げてることが毎日楽しかった。


彼との出会いはそんな中突然やってきた。


幼馴染の美咲は同じ高校に入ったけれどクラスは別。優等生が集まる進学クラスだ。私は、まあ普通の…みんな仲良しな楽しいクラス(笑)

美咲はちょこちょこ私と話に私のクラスに入ってくる。今日もそんないつもの感じで入ってきた。

「ねーねー、駐車場見てよーかっこいい男の子が車で寝てるの。」


「え?男の子?」


うちの高校は女子校。男教師がモテる日常。

そんな中男の子が駐車場に?ミーハーな私は即

「見に行くー!!」


2階の窓から駐車場を見下ろすと大きめのバンが何台か停まっていた。そのうちの1台に作業着の繋ぎをきた男の子が3人車の中で寝ていた。


「ほら、3人ともかっこよくない?私は緑の繋ぎの人がタイプ〜!」美咲が興奮しながら話す。


「私はね〜…」


私が美咲に話そうとした瞬間、紫の繋ぎの男の子がパッと目を覚まして、こっちを見上げた。

ドキ。なぜか心臓がドキドキした。なんて綺麗な顔。するとこっちに向かって彼が手を振ってきた。美咲はアイドルのコンサートに来たかのように興奮して嬉しそうに手を振り返す。

私も振り返したけれど、紫の彼の目線は美咲だった。


「バンドエイドあるー?」


突然彼が下から話しかけてくる。

美咲は「ちょっと待っててーかばん見てくる!」

そう言うと教室に走っていった。


私は1人になってまた彼を見てみたけれど、彼は美咲を待っていた。


「おまたせー!バンドエイドあったよー!」


美咲がシャープペンにバンドエイドをつけて紫の彼に投げた。


「ありがとうねー!」と紫の彼。


ん?何かちょっとイントネーションが…違う?

紫の彼がバンドエイドを受け取ると嬉しそうに美咲に手を振った。


「あの紫の繋ぎの人、美咲の事気に入ってるよ!」


私が美咲にそう言うとお昼休み終了のチャイム。


「彼にバンドエイドを投げた時、家の電話番号書いた紙も一緒につけちゃった!」


美咲はそう一言私に言って嬉しそうに教室に戻っていった。緑の繋ぎの人がタイプっていってなかったっけ?まーいっか!


それからしばらくして美咲はその紫の彼と電話をするようになっていた。美咲の話によると彼は弟と友達と宮古島から東京へ仕事をしに来てるという。あの時彼の話し方に違和感があったのは、方言だったんだ。そして美咲のお気に入りの緑くんは紫の彼の友達らしい。

美咲は紫の彼と友達になって、緑くんを紹介してもらうという作戦のよう。


紫の彼の名前はれんくん、

緑くんは瑠衣るいくんという名前だった。


それから何日かが経ち、いつものように夜美咲と電話。美咲とは夜ほぼ毎日電話をするのが日課だった。


「ねー来週さ、蓮くん達と会わない?春花も行こうよー!」


「ついに会う約束したんだ?いいよー」


興味深々で美咲と一緒に会いに行くことにした。

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