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サツキさん

「そのまま収穫を続けろ」



 そういうとサツキさんはこん棒持って狂暴なキングトマトウルフに討って出た!

 畑での危機!

 収穫中にキングトマトウルフが現れたのだ。

 キングトマトウルフは兎に角デカい。

 キングトマトウルフはトマトウルフを食べることもあるくらいだ。

 牛程の重量級で人間相手でも逃げない。


 巨体で爪と牙を剥き襲いくるキングトマトウルフ!

 真っ正面からサツキさん!



 どごーん!



 一撃だった!


 一瞬のフェイントの後、キングトマトウルフの脳天を撃ち抜いたサツキさん!

 どさりと崩れ落ちるキングトマトウルフ!




 すげえよ・・・・

 こん棒だけで巨大獣倒しやがった!


 俺には出来ない芸当だ!

 こんな強い人見たこと無い!


 そしてトウモロコシの収穫をする俺と優子をそのままに、サツキさんは台車にクソ重いキングトマトウルフを器用に載せて運んでいってしまった。


「一昨日のトマトウルフと違って、こいつは高く売れる!」


 嬉しそうなサツキさん。

 あんたホントに野菜農家か?


 実は近所の農家の人達の体つきを見てみたが、どいつもこいつもガチムチだった。農家恐るべし!

 冒険者としての自信失くなるわ。

 そして、農村と敵対してはいけないと心に誓った。




 夕飯。


「食え!」


 今日は珍しく穀物の鍋。

 それと珍しい鳥料理。

 超旨い。


「ところでサツキさんのスキルはなんなんですか?こん棒の神様かなんかですか?」


「いや、そうではない。【爆速のマーメイド】だ。泳ぎはきっと超速いぞ」


 ぶっ!


 この、ゴリラより強いのがマーメイド?

 色々おかしいだろ!

 ここ、山の麓の農村だぞ!

 海も湖もないぞ!


「泳いだことは?」


「無い!ここら辺の川は膝くらいの深さしか無いしな」


「おおう・・」


「そういや聞いてなかったが、お前らは?」


「俺は【お得な剣士】」


 ぶっ!

 サツキさんがフいた!

 やっぱりか。


「くっくっくっくっ! どおりで日当値切りたくなったわけだ。そおか、値切っていいか? くっくっくっ!」


「おい!」


「私は【カッコいい魔法使い】です」


「ほお、カッコいいって具体的にはどうなるんだ?」


「そう言えばそうだ今まで聞いてなかったがどうなるんだ?」


 急に真っ赤になる優子。

 ん?

 恥ずかしいことか?


「その恥ずかしいので・・その・・」


 前にもそう言ったな。


「待ってろ」


 そういうとサツキさんは棚の奥から酒を持ち出した。


「さあ飲め優子!」


「いやいや、駄目ですってば!」


「いいんだよ!飲め!」


 だん!と、置かれたコップに酒が注がれる。

 あ、俺にもか。

 そして、サツキさんはどんぶりだ。


「よし、飲もう!乾杯だ」



「かんぱーい!」

「かんぱーい!」

「かんぱい(ボソッ)」


 ふうっ!

 俺はコップ、サツキさんはどんぶりで飲み干した。


 優子はちびちび。

 半分も減ってねえ。


「はら優子、魔法やってみろ!」


「いやその・・」


「ええい!残りも全部飲め!でないと、厚志とっちゃうぞ!」


 なんでそうなる!


 だが、優子は残りの酒を飲みきった。

 ええ・・


「優子~可愛いな、このこの~」


 サツキさんが優子のほっぺたをツンツン。

 だんだん優子が赤くなる。しかも酒継ぎ足したして飲ませてるし。

 あーあ。


「ほらやれ!」


「じゃ、一回だけでしゅよ」


 あ、酔ってやがる。


 優子がふらふらと玄関から外に出る。酔うのはええ。

 俺とサツキさんは後に続く。



「一度だけですかりゃねー」



 優子は空に向けて魔弾を撃つ構えをする。

 この間と違う、今回はデカい。

 手に集まる光。

 なんか優子の全身にオーラが!



 どーん!



 魔弾でた!


 夜空に向かって走る光の塊。




 そして優子の姿は、






 痴女になっていた。





 グレーの髪はシルバーに。

 長袖長ズボンは消え、何故か布面積が不足してる痴女衣装になってるし、その衣装の布は半分透けたピタピタなもの。股間キレあがってるしすげー。

 ソバカスは消え、目は切れ長になって、少し背も伸びた。控えめだった胸は特盛に。ずばり美人だ!

 あ、ポッチリが透けてるんだが。



「「誰だお前!」」



 俺とサツキさんはハモった!




 優子の言うことでは、ちょびっとした魔法では変化しないが、デカいのを使おうとするとこうなるのだそうだ。そしてしばらくすると元に戻る。

 特盛に変化した優子の胸をわしわし揉むサツキさん。


「本物だ!」


 マジかい!

 てか、身体はともかく、服まで変わるとは!

 だから恥ずかしくて使いたくないと。以前下着多く着こんで変身してみたが、やはり透け透けの衣装になってしまうという。

 ローブも消えてしまうので、魔法発動前にローブを素早く投げて、変身してから急いでローブ拾うのだそうだ。ローブがなければ恥ずかしさで死んでしまうと。


 で、冒険者らしい事をせずに農作業をしている今は嫌いじゃないらしい。痴女になることが無いから。

 でも、サツキさんが居ない時に害獣出たら痴女に成るしかないと言ったら、


「周りに人が居なければおっけー」


 だそうだ。

 まあ、田舎だしな。



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