雨の子
「わぁ〜・・・今日雨だぁ・・・」
「だるいよねぇ。ジメジメするしぃ・・・」
「うんうん。けど体育のときとか大歓迎〜!」
3人の中学生が昼休みに話している。
いつもどおりの毎日、いつもどおりの昼休み。
退屈しそうな日々。
そしていつもどおり、1人の女の子が話す。
「そうそう!<雨の子>って・・・知ってる??」
「え?何それ?!教えて〜!!」
「私も!教えて!」
「それはね!聞いた話なんだけど・・・」
その<雨の子>は、雨が降ってほしいなぁ〜と願っている人に
近づいてくる幽霊。
ある人の話によると・・・
晴れた日に歩いていると、目の前に
傘をさした5歳ぐらいの女の子が。
その人が心配して声をかけた。
「なんで傘をさしてるの?」
女の子はこう返す。
「お水をちょうだい。そしたらあなたの願いを叶えてあげる。」
(よくわからない・・・)
そう思いながらとりあえず水をあげた。
女の子はごくごくとおいしそうに水を飲み干す。
「ありがとう。あなたの願いを叶えてあげる。あなたの願いはなんですか?」
その人は少し悩んで
(そういや今日晴れだったら徒歩で帰らないといけないんだった・・
なら雨でも頼んでみようか・・・)
「なら、雨を降らせることができるのかい?」
「もちろん。じゃあ、雨を降らせてあげる。」
女の子は優しく踊るように傘をふり、歌を歌い始めた。
「雨雨フレフレかあさんが〜 じゃのめでお迎えうれしいな〜
ピッチピッチチャプチャプ ランランラン。」
女の子が歌い終わると、晴れた空に雲がかかっていた。
そして、しばらくすると・・・
「あ、雨だ・・・。本当に雨が降ってきた・・・!!」
その人がお礼を言おうと前を向いたら、
女の子はもうどこにもいなかった。
「・・・って話。なんか面白くない??」
「えー。ちょっと怖いかも〜・・・だって幽霊でしょ?」
「私は面白いと思う。けどすごいよね〜。その人、お化け見えたんでしょ?」
3人はそれぞれ意見を話し合い、がやがや話していた。
しばらくすると、チャイムが鳴り響いた。
「あ!ヤバイ!!次国語だよ?!先生に何を言われるか・・・」
「そうだった!!急がないとやばい!!」
「走れーーーー!!」
3人はバタバタと走って教室に入っていった。
次の日。雲ひとつ無い晴れの日。
3人は一緒に登校していた。
いつもどおりの毎日、いつもどおりの登校。
退屈しそうな会話。
けど、少し不思議な朝だった。
「今日体育あったっけー??」
「あるよー。2時間目に。」
「えーうっそー!めちゃくちゃ晴れてるじゃん・・・」
そんななにげない会話をしながら歩いていると
1人の5歳ぐらいの女の子が傘をさして立っていた。
(ねぇねぇあの子さ・・・大丈夫なんかな?)
(結構朝早いのに、1人で何してるんかな・・・)
(てか今・・・晴れてるよね??)
こしょこしょ話をした結果、女の子に話しかけてみることに。
「ねぇねぇ、そこで傘さして何しているの??」
「てかこんな朝早く1人で・・・どした?」
「あと今日めちゃ晴れてるよ?なんで傘なんか・・・」
女の子はにっこり笑顔で答える。
「お水をちょうだい。そしたら願いを叶えてあげる。」
3人は誰か水を持ってないか聞き合いした。
「あのさぁ、少し飲んだお水でもいい??」
そう言いながら水を差し出した。
女の子はにっこり笑顔で水を受け取り、ごくごくと飲み干す。
「ありがとう!じゃあ願いを叶えてあげる。あなたの願いは何ですか??」
(なぁなぁ!なんかはよ願いきめなあかんで・・・)
(どうしよどうしよ・・困った・・・)
(今日体育だし・・・雨でも降らせてもらう・・・?)
「賛成!!」 「もち賛成!!」
「あの〜、雨を降らせることもできるんですか?」
「もちろん。じゃあ雨を降らせてあげる。」
女の子は優しく踊るように傘をふり、歌い始めた。
「雨雨フレフレかあさんが〜 じゃのめでお迎えうれしいな〜
ピッチピッチチャプチャプ ランランラン。」
3人は同時に空を見上げた。晴れた空に雲がかかってきている。
しばらくすると、雨が降り出した。
「わぁ!!ほんとだぁ!雨だ!!」
「うっそー!まぢありえんティーやん!」
「信じられない・・・まじですか・・・」
3人がお礼を言おうと女の子の方を向くと
そこにはもう女の子はいなかった。
「あれ?これってさ・・・」
「昨日話してた・・・あれじゃない??」
「あ、ほんとだ・・・。じゃああの女の子は・・・」
三人は声をそろえて言う。
「「「雨の子だ」」」
そして<雨の子>の噂がたちはじめ知らない人はいないぐらいに回った。
しかし、もう雨の子が現れることは無かった。
初投稿です!!
これからも頑張っていくのでよろしく御願いします!