ナイチンゲール誓詞
我はここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わん ―――
わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさんことを。
看護学生になった当初、何度も読まされたなぁ・・。
任務を忠実にかぁ。 精一杯のことはしている。
この実習だって、自分なりに真剣に取り組んでいる。
ナースコールで呼ばれ、病室に急ぐ。
私達からしたらなんでもないような事でも、患者様にとっては不安材料なことだったりもする。
「どうかしましたか?」
「なんだか怠くてね」
「検温しましょうか」
電子体温計が終了音が鳴り響く。
「36.4℃ですね。主治医の先生に伝えておきますね。安静にしていてくださいね」
患者様の顔の表情をきちんとみて、モニターや、点滴速度を確認をして病室を後にする。
――― 我が任務を忠実に尽くさんことを。
よつ葉は任務を果たせているのだろうか?
看護学生として医療に携わる者として、覚えたことを発揮できているのだろうか?
――― 我は、ここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わん。
ナースステーションに戻り、看護記録に今のことを記し指導看護師に報告する。
・・・誰かの役に立ちたいと願った、あの誓いは・・・。
よつ葉は、少しでも役に立っているだろうか。
――― 我が手に託されたる人々の幸せのために身を捧げん。
まだまだ、半人前の看護学生に担当させてくださる患者様を思い
少しでも役に立ちたいと思っている。
思うようにいかないときもある。 泣きたいときもある。
でも、病棟では涙は見せない。 これは自分に課した課題でもある。
われは、心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸せのために身を捧げん。
看護学生のつぶやきを、ナイチンゲール誓詞にのせて・・・。