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K-1甲子園  作者: 冬夏
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8章ー2話「しゅんの秘密②」

そんな出来事があってから僕とみきはしゅんの眼鏡を外させないようにと努力している。

この文化祭は他のクラスや学年は勿論のこと他校生もいる。


僕らがモテたいなどと思ってるいるわけではないがしゅん一人だけモテさせるのはひじょーに不愉快だ。したがってなるべく室内や人が少なそうな場所を選んで行動する必要がある。

 

「おい芳樹。ここは次軽音楽部の演奏らしい。結構人気があるしハッスルする人とかでてくるから一時退散しよう。確か2階に教頭のポエム集ってコーナーがあったからそこに行こう。」

 そうだなそこなら人気もあるまい。

「僕は音楽好きだからここにいたいですよ。」


 ええー。そうきたか。まぁ作曲家志望だからな。

「作曲やりたいなら詩の勉強も必要だろ。教頭のポエムなんて早々見れないぜ。」

「僕は芳樹じゃないんですよ。そんな馬鹿な発想で動くとでも思いますか?」

「そうだな。芳樹じゃあるまいし。」

 おいお前ら、いい加減にしろよ。

 

僕らは胸ぐらをつかみ合い取っ組み合いの喧嘩となった。

その結果文化祭実行委員から退場命令をされその場を後にした。

 

外に出れば危険が一杯である。誰かにぶかった拍子に眼鏡がなんてこと十分にありえる。

「いざとなったらお前の走りこみの成果を見せるときだからな。」

分かってる。

いやそのためにあんなに走ったわけじゃないよ?

 

「おや。あそこにいらっしゃるのは?」

「ん?おい乙女姉さんじゃないか?あれ。」


 前から3人組の女子が歩いてきた。真ん中には乙女姉さんがいた。


「来てたんだ。合宿以来かな。足どうなの?」

「ええ。心配してくれたありがとう。もう大丈夫よ。今日は観ての通り友達と来てるから。」


そういって乙女姉さんは僕とは一切目を合わせずとその場から立ち去ろうとした。

その友人の一人が僕の方をみるとなにやら乙女姉さんに耳打ちしていた。


「ねぇ。君もしかしてこの間深夜番組でテレビに出てた子だよね?K―1甲子園ってのに出る。」

はぁそうですが・・。


「やっぱり!凄いね!本物見ちゃった。テレビで見るより随分日に焼けてるね。」

 あぁそれは合宿のせいだな。


「もしかしたら未来の大物ファイターになるかもしれないでしょ。そうだ写真撮ってよ。」

えっ写真ですか。なんか照れるな。そういいながらも僕はちょっと乗り気だった


なんだか有名人になったようで。

「なら僕が撮りますよ。」

 

しゅんに携帯の写メで撮ってもらった。女子とツーショットで写真撮るのは初めてのことだった。乙女姉さんも入る?とその友人は聞いていたのだが入らないと行って外から眺めていた。

その雰囲気は機嫌悪そうな感じだった。


「撮れましたよ。一応確認しておいて下さいよ。」

「ありがとう。」


 しゅんが携帯を渡そうとした時しゅんの後ろを歩いていた通行人の肩がしゅんにぶつかってしまった。

 あっ。しまった!ぼくとみきが気づいたときは遅かった。しゅんの地味眼鏡が外れてしまった。

「あら・・・。イケメン。」


 僕のターンは終った。




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