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K-1甲子園  作者: 冬夏
26/53

7章ー1話「拉致と夏休み」

7章

 

夏休みに入った。

帰宅部の僕にとってそれは自由を意味していた。


勿論試合に向けて目下練習中だから結局部活していう人と変わらない夏を過ごしそうだ。


ただ練習以外の休みの時間だってある。


この夏休みを利用して色々遊ぶ算段をみきやしゅんと立ていた。

高1の夏休みは一度しか無い。夏休みの宿題はたんまり出た。


この間の期末試験の一件があったためこれは粗末に扱えないと判断して、早めに終らそうとこちらも計画を立てた。


得意科目に分かれて3人で分担として、みきは社会のレポートと英語の翻訳をしてしゅんは数学を担当した。


僕はそんな二人のをただ写すだけになってしまっているので二人のご機嫌をとるためなけなしのお小遣いでお菓子やらジュースを買って機嫌をとり続けた。

 

それでも途中集中力が途切れ、休憩を称してゲームに熱中した。夏休みだからと気が緩んでしまい朝6時までゲームをやり続けたのはさすがに嫌悪感を感じた。


その日のジムは本当に辛かった。

古来のよりRPGで宿屋に泊まると体力が回復する理由が良く分かった。睡眠大事だな。

 

こんな夏休みのスタートを切った僕なんだがどこでどう伝わったのか、英治さんと会長の耳に入ったらしい。


期末テストの件でまだ懲りてないのかと、少し気合を入れなおさないとあいつは今度のトーナメントで生き残れないと思ったらしい。

 

そして結果として今僕は英治さんの車にいる。


この日も明け方までゲームに熱中していたのだが朝5時に英治さん率いるピンクパンダの面子が揃っておりそのまま拉致される形で車に放り込まれた。


出発まで時間かかかっていたので何度か脱出を試みようとしたが会長とラッキー先輩に取り押さえられた。乙女姉さんが僕の荷物をまとめていたらしい。・・・ソースはここは。裏切り者め。


「あんたが悪いんでしょ。まったく毎日毎日遅くまで。」

 

別にそれで走るのさぼったりしてないしジムでも頑張ってるさ。

ってかなんで乙女姉さんまでここに乗ってるのさ。


「乙女ちゃんには私が頼んだよ。女私だけじゃなーんかむさ苦しいもんねぇ。」

 

英治さんの車には運転席に英治さん助手席のまりか先生、真ん中の席に僕を挟む形で会長とラッキー先輩が居て、後ろの席には今回最大の被害者であろうみきとしゅんそれに乙女姉さんが居た。


乙女姉さんはともかくこいつら財布携帯以外の荷物を持っていない。


「芳樹。ちょっとうちの鍛え方が甘かったかな?」

 ちょっと不適な笑みを浮かべながら英治さんが口を開き始めた。


「若いし体を持て余しているのはいい事だ。

だがな人間っていうのは夜明けと共に目覚めて夜眠るようにできている。それが人間があるべき自然の流れだ。より室の高い練習をするのは規則正しい生活か必修だ。」

 

それと・・・今回の拉致はどう関係が。


「合宿だ合宿。長野に知り合いがジムと民宿を経営していてね。この夏休みを利用して一週間くらいみっちり練習しようじゃないか。」

 

英治さんは鞄からノートを出して僕に放り投げてきた。そのノートの表紙はまりか先生の字で


「☆目指せ関東王者!K―1ファイター育成計画夏休みの書☆」

 と書いてあった。

肝心の中身はというと。

 

ノートの端から端までびっしりトレーニング内容が書き込まれていた。

早朝4時から始まって走りこみ、シャドー、走り込み、ミット、走り込み、スパーリング、水泳、ウェイト、走りこみと永遠と書き込んであった。


 僕は奇声を上げながら赤信号で止まった車から飛び出そうとした。

もちろん再び強引の取り押さえられたのは言うまでも無い。


 これじゃあ試合に出る前に死んじゃうよ!

 「どの道今のお前じゃあ小泉の突きにやられるか万一勝てたとしてもその豪腕朝比奈か長門のハイキックに殺されるだろう。」

 

「そう!他のトーナメントのエントリー者に壊されるか!ピンクパンダ首脳陣の殺人メニューに殺されるか!二つに一つ!」


 それどっちも死亡じゃないですか!!

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