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K-1甲子園  作者: 冬夏
24/53

6章ー8話「日本拳法とアマボクシング」

ジムには久し振りに英治さんが居た。

「よう試験どうだった?」


今日終わりました。凄い長く感じましたよ。

「期末試験なんて懐かしい響きだな。」

 

そう良いながら英治さんはラッキー先輩とスパーリングを始めた。


英治さんの動き・・・・。いつもの動きではない。特にパンチの打ち方。独特的というか従来のボクシングテクニックじゃない。これは・・・。


「気づいたみたいだな。そうこれは日本拳法だ。」

日本拳法。

日本最古の総合格闘技とも言われる拳法。


防具を着けて突きや蹴り。関節技を含む。


総合格闘技のルールに近い拳法だけどボクシンの渡辺二郎選手や最近ではキックボクサーの長島☆自演乙☆雄一郎選手(2010年K―1日本王者)など日本拳法出身者だったりする。


でもなぜ英治さんが日本拳法を?英治さんは空手出身のはすなんだけど・・・。


「出稽古はこれを少しでも習得しようとして知り合いの日本拳法の道場に行ってた。理由は・・・。」


 英治さんは会長に目をやった。

会長は一回咳き込んで僕に雑誌を手渡した。最新の格闘技雑誌か。あっ折り目がしてある。


ぼくはそのページをめくった。

 

「K―1甲子園激戦区関東ベスト4選手。」

 激戦区・・・?

 

「関東は、とりわけ都内は色々なジム、道場が集中してるからな。必然的にそういうことになるだろう。実際長門がエントリーして軒並み選手が辞退したけどその前は結構エントリーした選手してたし。」 

 なるほど。


ぼくはそのページに目を通した次世代の天才児長門 均がK―1を制するか。

相変わらず扱いでかいな。


ん?これか。

 魔裟斗が認めた秒殺スナイパーが日本拳法の戦士と激突!

 

僕はこの人と当たるのか。

 

「小泉 彬17歳。高校2年生。父親に幼少の頃から日本拳法を仕込まれキックに転向。日本拳法では高校生対象の大会で何でも優勝している。この間の甲子園でも日拳仕込みの突きを応用してKOしている。芳樹は自分の試合で頭一杯だからみてなかったかも知れないしテレビで扱われないかったから意識してなかったかもしれないけど・・・。強敵だぞ。」


「対応策が立てずらい。これだけトリッキーな相手だと易々とスパーリングパートーナーが見つからない。さらにただトリッキーなだけじゃなく日本拳法の理論に基づいたあのパンチは威力がある。一発貰えば倒されてしまうこと請け合いだ。」

 

ただ単に試験の事で精一杯でもうほとんど頭に無かったなんて言えなかった。

でもいま久し振りに頭が真っ白になりかけてきた。


そうだ。

長門がエントリーして多くの選手が辞退したってことは、自信がある人しか残っていない。裏をかえせばそういうことだったのに今気がついた。

 

「更に長門と当たる朝比奈 文学18。高校3年生はボクシングのインターハイ、国体含めて5冠やら6冠してる超エリートだ。


ムエタイのエリートといえどあの豪腕パンチがあたればひとたまりも無い。

小泉に勝っても長門とも限らないかもしれない。


この二人どちらとも当たっていく準備もしなくてはいけない。」

「日本拳法にボクシングにムエタイ・・・これぞまさにK―1だな。」

 K―1

その言葉がずっしり体に響いた。

そうか僕が出ようとしてるのはK―1なんだ。


「まぁ気にするなよ。次の試合は10月だろ。これからまだまだ練習すればいいしそれに夏休みも挟むしみっちり練習出来るさ。」


 ラッキー先輩がリングを降りて声をかけてくれた。


「まだ試験結果が出てないのがきがかりだけどもうどうにもならないものを気にしても仕方ない。芳樹着替えて練習にはいろう。まずは日本拳法攻略だ。」

 

はい!



僕はまた一歩先に進めるんだ。



 

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