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K-1甲子園  作者: 冬夏
16/53

5章ー3話「秒殺デビュー」

K―1側には改めてみき達がセコンドにつく事を伝えた。

高校生だけで大丈夫かと心配になり今日当たらない選手から何人か人を手配すると言われたが何故かみきとしゅんが頑なに断った。


もうどうにでもなれ。


キックミットは英治さんが車で運んでくれて予定だったので手元に無いので僕のサポータをミット代わりにしてアップを始めた。


みきとしゅんが交代。交代でサポーターを持ってくれたけどミットと違って薄いのでしゅんが

「痛いじゃないですか。もっと優しく蹴りなさいよ」

と言う始末だった。


その様子を見て他のジムの人がミットを貸してくれた。

ちょっと今日だけ移籍したくなった。


「ワン・ツー!そこからロー!」

みきの声に合わせてミットを叩いた。

サポーターと違い音がバシバシ鳴り少し自信を取り戻せたようなきがした。


軽く息が上がったせいで力が抜けてきた。

しかしやっぱり英治さんがいない不安は拭い去れない。


「越前 芳樹選手。」

K―1のスタッフの人に呼ばれた。もう間もなく試合が始まるとのことだった。

どうしよう。そんな気持ちがこみ上げてきた。



呼ばれてから10分も経たないうちにリングに上がった。

それまでにお過程に入場曲は勿論ないし派手なハパフォーマンスも一切無かった。


リングに上がり相手選手のコーナーの一礼した。


後ろのセコンドの人たちは全員男で同じTシャツを着ていた。

おそらくジムのシャツだろう。


相手選手は同じ階級だけど学年は2つ上の高校三年だったので体も僕より一回り大きく感じた。

リング中央に呼ばれた。


レフェリーから注意事項を聞かされていたけど全く頭に入らなかった。

下に俯いていたけどちらっと相手選手をみたらすごい顔で睨んでいた。

一度離れニュートラルコーナーに戻った。


相手選手と違い後ろには思い思いの格好をした同級生と幼馴染がいた。


どうしよう。


「良いか特攻だぞ。」


どうしよう。

「君はミドルより上が上がらないんですよ。長期戦になった技の多いほうが有利なんですから短期決戦で挑みなさいな、特攻ですよ。」


どうしよう。

頑張ってね。ケガしないでね。」


どうしよう。


そんなこんなでアナウンスが入った。


「ラーンドワン・・・ファイト!(ラウンドワン)」


カーン。


ゴングが鳴り響いた。どうしよう、どうしよう。

頭が体に追いついてこない。

特攻という言葉の語感だけ脳裏にこびりついていた。


どうしようどうしようどうしようどうし・・・おおお!


僕は相手のコーナー目掛けて勢いよく突進した。


この瞬間僕は何分も時間が経っているかのようにスローモーションに見えた。

相手は左手を差し出していた。


あ、シェイクハンドか。


しかしその事に気がついたとき既に僕の体は宙に浮いていた。


バチン!


ものすごい衝撃音が僕の体を伝わった。

とび膝蹴りを放ったのであろう。


自分では分からなかったが勢いに任せたせいで僕はリングに倒れてしまった。

やばい。

慌てて起き上がり相手選手にむけてガッツポーズをとった。


しかし相手はリングに倒れていてレフェリーとセコンドの選手が駆け寄っていた。


00分3秒KO勝ち。


僕のk―1デビュー戦はこうやって始まった。


6章に続く

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