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K-1甲子園  作者: 冬夏
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4章ー2話「青春は現実」

食事を済まして自室に戻った。

ストレッチしてると乙女姉さんが入ってきた。


「練習どうだった?」

僕は無言で下を向いた。

 

「ノート一杯トレーニングしたのね。英治さんパソコン使えないのかしら?」

 そういう事でもないだろう。

 

「今日帰りにまりかさんに会ったわよ。お弁当の中身タンパク質大目にしてくれって頼まれたから。しばらくあなたのリクエストよりそっち優先にしようかしら。」

 

ええ~。

僕はそんな事をつぶやきながら弁当箱を渡した。

元々肉が好きだからタンパク質は全然間に合っているが何かの間違いで大豆だらけのお弁当になんかされたくない。

 

「まぁ一応リクエスト聞くわ。で今日の答えは?」

 僕は今日の問題の答えを言った。


今日の問題は本当に子供向けのなぞなぞだった。

いい加減子供扱いやめてほしいよ。

 

「正解。じゃあリクエストは?」

 僕は乙女姉さんを見つめた。


今日はいつものポニーテールではなく髪を下ろしてしていた。そうだツインテールでお願いします。

 

「ぶつわよ?」

ごめんなさい。


僕本当はポニーテール萌え何です。

「何の話?」

 

ごめんなさい。

鶏のから揚げでお願いします。


「鶏肉ね。たしかにタンパク質多そうね。いいわよ。」

 

乙女姉さんはそう言って部屋から出て行った。


朝走って、学校行って、昼にみきがきて乙女姉さんの問題を一緒に解いて3人でジム行って練習して。

こんな毎日が続いた。


練習は大変で正直辛いけど不思議と嫌ではなかった。

憧れのk―1。


心が毎日躍っていた。

 

青空の下なんかこう青春っていうのかな?それなりに今を満喫している気がした。

自分で言うのも恥ずかしいが。


しかしある日、現実はあらゆる形で僕を奈落の底に押し込めた。


その理由は2つあった。1つは例の中間テスト。

全教科ほぼ全滅。


学校始まって以来のオール赤点の保持者になっていた。


ボクシングとか団体統一はかっこいいけど全教科統一はあまりにも無様だった。


職員室に担任の先生に呼ばれてこっぴどく叱られた。


普段の授業態度をみればこの結果は当然だ。

次の追試は3日後と聞かされた。少し頑張らないと・・・。


ちなみにみきとしゅんは赤点が一個も無かった。


しゅんはともかく毎日ほぼ昼登校のみきはなぜ??


そしてもう1つの問題。

正直こっちのほうがショックだった。


みきが教えくれた話だった。

「よう昨日深夜のスポーツ番組でk―1甲子園が正式に発表されたたな。」

おっ。

そうだったんだ。それはそれは。なんかこう引き締まってくるねー。色々と。


「いよいよですかー。」

「馬鹿、そんなのんきなこと言ってる場合じゃないぞ。これを見ろよ。」

 

ネットのページを印刷したものだった。

ほうk―1甲子園に天才格闘家出陣・・・。

 

愕然とした。あまりにも巨大で分厚い壁だったから。

 

長門 均16歳。高校一年生。

 

幼少のころから空手を学んでおり4年生でムエタイに転向。


アマチュアムエタイの金メダル獲得。

15歳でプロデビュー。すでに5戦しており全てノックアウト勝ち。

 

なんだ・・・。

この輝かしいチート的な戦歴。

もう甲子園じゃなくて本番のK-1で通用するんじゃないの! 

 そして本人のコメント。


今回の甲子園出場の決め手となったのが「魔裟斗選手に憧れていて。」

 

そう。

魔裟斗に憧れているのは僕だけではない。

それは分かっている。


魔裟斗出現で僕は夢を持った。

ただ魔裟斗の存在はこれほどまでに大きな強敵を引き寄せる事になるとは。

 

先ほどの赤点に加えて気持ちがかなり落ちた。



さっきまで心躍る気持ちはいつの間に消えていた。



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