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K-1甲子園  作者: 冬夏
11/53

4章ー1話「鬼トレ」

いつもの通りの朝が始まった。

ジャージに着替えて走りに行って。


今日も天気が良く一日の出たしには気分が良い。

淡々と走る中でも頭はk―1甲子園で一杯だった。


入場曲とかあるのかな?

やっぱサインの練習必要かななどくだらない妄想まで発展した。

 

家にたどり着いたら乙女姉さんが待っていた。

お弁当を貰って少し話した。


入場のガウンとか作ったほうがいいかと聞かれた。

どうやらK-1となるほ派手なイメージが付きまとうみたいだった。


すでに何着かノートにデッサンしていたので一応目だけ通して頭を深々と下げ丁重にお断りした。


いつかチャンピオンになったら改めて着させて下さい。

 

「そう。残念。」

一言そういってその場は解散した。

 

学校に着くとしゅんとそして珍しく午前中からみきがきていた。

 

「出るのかい?」

  

ああ。もう書類書いてきたよ。試合は一ヶ月後だ。

 

「また乙女姉さんのお弁当をいただきましょうかねー。」

 おい。何がメインだ。

  

席に着いてホームルームが始まったもう直ぐ中間試験だから気を引き締めて授業受けるようにと言われた。


しかしこのときは甲子園で頭が一杯だった。

それどころじゃない。


夢が目の前に迫っているんだ。

 

この日一日ソワソワしていた。

早くジムに行って書類提出して正式にエントリーしたいと思っていたからだ。


 

学校が終わると急ぎ足で事ジムに向かった。

ドアを開けると腕を組んで会長が待っていた。

 

「来たか。書いてきたか?」

 はい。宜しくお願いします。


鞄から書類を出して会長に手渡した。会長は書類をチェックしそれが終わると外に出かけた。たぶん昨日の人と会うのだろう。


 英治さんが近寄ってきた。

K-1甲子園に出ると報告したら早速練習しよう言われた。


その手に握ってるのは英治さん考案のトレーニングメニューだった。


ちきしょう。

やっぱり考えていたな。

 

着替えを済ませ軽くアップをしてリングに上がった。


今後試合までの練習内容を説明された。


前半にスタミナのトレーニング、後半はテクニックを重視したライトスパーリング。まりか先生のほうは有酸素運動がメインとなった。

 

「パンチいくぞ!」

 英治さんの掛け声に合わせパンチングミットを打ち始めた。


英治さん曰く高校生同士では学年で体の成長具合が違うためもろにフィジカルの差が出てしまうため高校生になったばかりの僕は手数を多く尚も威力を挙げ多彩なコンビネーションをマスターしたほうがいいとか。


多分英治さん自身16でプロデビューして感じた事なんだろう。


そんな経験を余すことなく教えてくれることに素直に感謝したい。そしてその内容を無料月謝で聞き込んでるみきとしゅんの二人組みは土下座させたい。

 

「次いくぞ!」

  

英治さんは次々にコーチングミットで指示をだしてくれた。ワン・ツー、ボディ、左ボディダブル。左ジャブ左フック、そのほかにも10連打のコンビネーションで息上げをした。


ボクシングのトレーニングだけどあくまでもキックの間合いでやるため頭から突っ込んだりはしない。


姿勢もそんなに前傾ではなくすこし腰を落とすくらいでやる。


不器用な僕でもパンチなら何とか追いつける。


英治さんの持つミットめがけて両手を振り回した。30分を過ぎるともう体が動かなくなってきた。鉛のように重い。


「キックいくぞ。ローキックから!」


キックミットに持ち替えた英治さんから激がとぶ。

「キックを打った足を打ちっぱなしにするな!打ったらしっかり引いて戻せ!」


「遅い!もっと早く!」

「雑になるな!落ち着いてしっかり蹴り込め!」


息がどんどん乱れてくる。

苦しい。苦しぃー。心臓がバクバク鳴っている。


もうはちきれるんじゃないか。マイ・ハート。 


「回し蹴りいくぞ!声だしてけ!」

回し蹴り・・・。一瞬躊躇した。


この動作が一番苦手だからである。

英治さんが外側に持っているミットではなく英治さんのボディに斜めから蹴りが入ってしまった。

 

すみません!

必死に謝罪をしようとした。相手は現日本王者。


乱暴な性格ではないが怒らせて得な人とは思えない。


近くによって弁明しようとした。

が、こっちの気持ちとは裏腹に英治さんの様子は落ち着いていた。


蹴りの当たったお腹の辺りをさすったりこち側を交互に見えていた。


「誰かにこの蹴りを習ったのか?」

 いえ・・・本当に回し蹴り苦手で失敗するとこうなってしまうんです。


乙女姉さんには誤魔化せたが英治さん相手じゃそうもいかない。

「ふむ・・・。なるほど。とりあえずここで良い。


さっき間違えた軌道でいいから蹴りこんでみろ。」

 英治さんは外側から内側へとミットを移動した。


そこを目掛けて打つ込みを始めた。

こんな所にに打つなんて始めてだ。一心不乱に打つ込んだ。とにかく英治さんの言うこを信じて。前半が終わり水分補給の休憩になった。

 


少しずつ、少しずつだけど夢を追いかけている感触があった。

 みっちり3時間汗を流した。


スパーリングとまりか先生にトレーンニングを終えて汗を拭いてジムを後にした。そういえば今日はラッキー先輩を見なかった。

 

僕はしゅんとみきに支えられながら家まで帰った。

何故か二人も疲れていた。


気づかなかったが英治さんにしごかれていたらしい。


二人とも帰宅部なのに運動部ばりに体が引き締まっていた。

いっそ二人も本格的に格闘技やったほうがいいんじゃないか?

 

玄関まで送って貰ってその場で解散した。

部屋に荷物を置いて即効でシャワーに入った。


試合に向けて初日だっていうのに体がギシギシと悲鳴を上げているようだった。



試合まで持つのだろか?

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