第三 うるさい断末魔
「ありがとうおばあちゃん」
「ん、ありがとうね~」
「どうも」
「ん、君もありがとう~」
あれから八尋と菫は言った通り部活が終わっては今、高校の近くへとある昔からある古い駄菓子屋へと来てはアイスを買っては外にあるベンチに座っては食べていた
ちょうど部活が終わった時間帯なだけあり他の部活も沢山と横に広がっては帰っていた、生憎な事に車など通らない事が幸いに横全体に広がってはととても高校生になってでもやるような事じゃなかった
そしてそんな中に部活に入っていないにも関わらず例の幼馴染含め不良の集団がその中に混ざっては周りに怒鳴り散らしてなど散々な光景だった
「・・・あぁ…俺の知ってる幼馴染はどこに消えたんだ…」
「あむっ、…お前の知ってる幼馴染はただの内面隠してた表面良い面したただのくそビッ〇だったって事なんだろ、それよりいい加減お前アイス食えよ、溶けるぞ」
「んな卑猥な言葉使ってんじゃねえって、何食ってんだよ!?」
過去のしがらみに囚われてはそう涙流していた八尋だったわけだが、そう菫に言われてはアイスを見たわけなのだが、そこにはもう残り半分となってしまっていたソフトクリームが合った
横を見てみては頭を抑えては顔を青くしてと一気に食べた証拠が合った
「っあぁ~…冷たい…頭いてぇ…!」
「っ頭いてぇじゃねえよ!?アイスもう半分しかねえじゃねえか!?しかもこの減り方、天沢お前スプーンじゃなくて口付けて食ったろ!?」
ちなみに味はバニラアイスで、その残り半分となっている上の部分を見てみては八尋が言った通りまるで噛り付いたかのようなそんな跡が付いては無くなっている事に八尋は唾飛ばさんばかりに大声上げては突っ込んでいた
「あぁ?そんなの当たり前だろ?誰がお前のそんなアイスに私のスプーンなんか使うかよ、私のスプーンが汚れるわ」
心底嫌そうな顔をしてはそう自分のアイスへスプーンを刺し入れては自分の口へ運び食べる菫、そして美味しいとでも言いたそうな幸せそうな顔をしては笑顔浮かべる
「っ…これじゃあ俺が食えねえじゃねえか!間接キスになるだろ!?まだ一口も食ってねえのに!一つ300円もしたんだぞ!」
しかもその一つ300円もするアイスを二つも買っては合計600円と、高校生でバイトなどしていない八尋としては相当な痛みだった
「ぐだぐだうるせぇな、私みたいな可愛い女と間接キス出来るんだから遠慮なく食ってりゃ良いんだよ!」
「っぷ!自分で可愛いとか!お前それだったらまずその口調から直せよ、後自分で可愛いという女に関して今まで碌な女に会って来なかったけどンヴぁ!?」
最後まで言わせないとばかりにそう菫は笑う八尋から強引にアイスを奪ってはと八尋の口の中へぶち込んでいた
「っうぇ!?きったな!ったく、残すんじゃねえぞ、残したら下す」
「っん~!!んぶ~!!」
無理やり詰め込んではと菫はパッパと手を払ってはそう八尋を睨んでいた、だが当然無理やり詰め込まれては噛むことも出来ずと咳しては出していた
「っはぁはぁ・・・殺す気か…お前…」
「そのアイスはお前のアイスだろ、お前が責任持って食え、ちなみに私のアイスはこれだ、…食べるなよ?」
「・・・誰がお前の口付けたアイスなんかー、やめてください」
「…はぁ、お前は口が減らないやつだな、まぁ、だからこそあの幼馴染という女に愛想尽かされたんだろうけどな」
どんどんと部活帰りの集団の中にまみれては消えていく幼馴染とそしてその彼氏にその不良の集団、菫はなんともゴミを見るようなそんな目で見てはすぐ傍にあるゴミ箱へと立ち上がってはその木で出来たスプーンを捨てていた
「…いや、愛想尽かされるもなにも付き合ってすら無かったんだが」
「・・・それじゃあ今から走って気持ち伝えてこい」
「…!天沢…」
「そしてこっちに戻ってきて泣け、笑ってやるから」
「振られる前提なのかよ!?」
何か良いことを言い出したかと思えば最後の最後には黒い笑みを浮かべてはそんな事を言ってきた事に八尋はクリームを口へと入れては食べていた
「はぁ??当たり前だろ??えっ、なに?お前もしかして付き合えると思ったの??いや、ありえないわ、それに元々お前とあの女の居るべき場所が違うんだし」
「・・・居るべき場所」
「あぁ、見てみろよ、あの女、すっげえ楽しそうにしてるじゃん」
「・・・」
楽しそうにしている、八尋はそう隣に座りなおしては菫が指さした方へと立ち上がって見ては確かに笑顔浮かべては大笑いしているのが見えた、しかも最悪な事にそのリーダーである彼氏と手を、指を絡めてはその前にいる大人しそうな男に絡んでと、どちらにしても最悪でしかない光景だった
「…アイス、戻しそう…」
「っお前、人の足の上に吐き出したらまじ殴るからな…後あんな物見てまだそんな顔するとか、はっきり言って異常だとしか思えないな、まぁお前とあの女ははなっから根の底から合ってなかったんだよ、善と悪、・・・はぁ、可哀想だなお前…本当に・・・」
「・・・本当の意味での哀れみな顔、やめてくんないかね?」
心底哀れみな顔を向けてきてはそう下から見てくる菫へと八尋は絶望した、死んだ目を向けてはそう言っていた
「・・・はぁ、彼氏彼女、何が良いのか私にはさっぱりだね…」
「…お前は好きな奴とかいないのかよ」
「は?私に好きな奴がいるとでも思ったのかい?」
「…いいや、全然、寧ろ友達がいるのかどうか怪しいー、やめろ、いややめて、その拳やめて」
ふと休み時間中などに菫を見つける事があるも、ほとんど全て、というよりも見つける限り一人で歩いている事しかない為に八尋はその事を思い出してはそう今にも立ち上がっては拳を振り下ろそうとしてくる菫へと腰ぬかしてはそう言っていた
「…今後私に人間関係の事について聞くのはやめろ、後少なからず友達はいるぞ、友達はな」
「へぇ~、いるのか、だれ?」
まるで危機感がないのか、もしくはアホなのか八尋は最後の一口とばかりに口に放り込んではそんな事を聞いていた
「・・・そうだなぁ、友達ではないが、一人だけいるな」
「??友達ではない??」
「…あぁ、お前だよ」
「・・・っえ…お、俺!?」
「…あぁ、今唯一、ぶん殴りたい奴がさ・・・」
「っあ、ご、ごめんなさい、お願いだからその腕を下ろしくれると俺、いや僕の寿命がー」
ねぇぇぇぇぇぇ~!!!?
小柄で、可愛い顔をしておきながらもその腕の力は強烈だった、八尋は顔面にパンチを食らってはそんな事を思っていた、断末魔を残して