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第二 女に幻想抱きすぎ

「っうるせえな、また殴るぞ」


「やめろ、いや、やめてください」


天沢菫、乱暴な口調、また乱暴な暴行をしてくるわけなのだがこれでも一応女で、そんな男口調気味な部分がまたその見た目と大変合っていない故に、とりあえず一言で言ってしまえば「残念な女」でしかなかった


「・・・はぁ、とりあえずもうそんな奴の事なんか忘れろ、所詮はその程度の女だったって事なんだよ」


「…んなこと、わかってる…わかってるけどよぉ…」


そして少し戻って八尋がそんな幼馴染から完全に一方的に振られてから約一週間、なんだかんだと理由が出来てはこの今いる部活へと八尋は入部していたのだった


何の部活をしているのか、それは一言で言ってしまえば「何もしてない」そんな部活だった


部活動名は「自由部」、特にこれと言って目的があるわけでもなくただ適当にのんびりとするだけ、ほぼほぼ雑談やらなにやら自由に遊んだりしてはお終い、はっきりと言ってしまえばそんな部活になんの意味があるのか、おとなしく家に帰れば良いだけのそんなところだった


ちなみに今八尋の目の前にいる菫の外見を適当に説明してしまえば肩越しまでの金髪のショートどちらかといえばウェーブの掛かったボブで、顔はどちらかと言えば幼く若干少し釣り目で、また肌もどちらかと言えば白く、本当に何がどうしてそんな男口調になっているのか不明だった


「女々しくてうざいなお前本当に、初めてお前と会った時の方がよっぽど男らしかったぞ、蛆虫」


「誰が蛆虫だ!仕方ねえだろ…!?普通あんな本投げてきて頭に来ない方がおかしいわ!!」


夕日が部室内を照らし、時計の僅かな秒針が鳴る中、菫は両手に湯のみを持ち、八尋は机へと拳叩きつけては今更だがまだその幼馴染の事について話をしていた


「・・・ふぅ、男のくせしてたかだか幼馴染如きに振られ一生懸命部活をしている連中を置いて、大の男のお前は校舎裏で振られ大泣き、しかも裏返った気持ち悪い声で、・・・そんな声を聞いて嫌悪感を抱かないやつがいると思うか?いいや、確実にそんな奴はいない、そして一言お前に言おう」


お前女に幻想抱きすぎ、きもいわ


とことん毒舌、また辛辣を欠かさないのか他部員が誰もいない事を良いことに空になった湯のみを持ってはポットの下へと置き入れてはそんな辛辣すぎる事を口に含んでは言っていた


実に今の八尋にとっては心を打ち砕かんばかりな言葉だったばかりに座っていた椅子から横へと落ちるなり血涙流していた


「ってめぇに人の心はねえのかぁ…ッ!!ずびれぇぇぇ!!」


「そんなの知らねえよ、後私の下の名前はずびれじゃなくて菫だから、後もう一つ人の名前下で呼ぶのやめてくれない?天沢って名前があるんだけど」


心底軽蔑した様なそんな目で上から睨んできてはそう言う菫、一方で八尋は立ち上がるなり椅子を元に戻してはまた座り、睨み返してなど、完全にバカ丸出しな事をしていた


「・・・君と話してると知能が落ちそうだね、いや本当に」


「そうか、そりゃぁ良かったなざまぁみろ」


溜息付いては頭抱え込む菫、八尋は何を勘違いしてなのかそう頭抱えては湯のみを机の上に置いてはまた前に移動する菫へとそんな残念な事を言っていた


「…私今わかった、お前が普通に振られた理由」


「え」


「・・・バカでつまらなくて弱虫で泣き虫で蛆虫で屑で、もう本当に振られる理由ー」


「ごめんなさい天沢さん、この後アイス奢るからもうやめて」


「・・・今、言ったな?」


「…!!あ、は、はい、言いました」


「・・・アイス」


「…はい、奢ります・・・」


「…何味」


「…バニラです」


「・・・人の好みの味覚えてるとか変態?」


「…?何言ってんだお前?」


「・・・・・・っふんッ!!」


「っ!!ごぁぁあぁぁぁぁ!!?」


そしてなんだかんだと幼馴染から振られて一週間落ち込んでいた八尋なわけだったが、今こうして新しく自由部に入部しては目の前にいる菫となんだかんだ会話を続けては菫はともかくとして、八尋は友達が出来ていたのだった


「ふぅ、脛を蹴るって気持ち良いんだね」


「っいてぇよ!!?後口調きもヴッ!?」


「・・・なんか、言ったかい?」


「ナンでも、ないです…ぶっ!!」


「・・・全然面白くないんだが」


「・・・ごめんなさい」


ギャグを狙って言っていた八尋なわけだが、どうにもギャグが寒かったのか菫は八尋の顔を掴んでと目で殺していた


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