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二度目まして、そして、初体験のはじまり
「ようこそ!我が社へ。
首を長くして、お待ちしておりました!
来てくださって、とても嬉しいです!」
自社へとやって来た餡を 秋也は、満面の笑みで出迎えた。
扉を大きく開き、招き入れ、エントランスから中へと、紳士的に 餡をエスコートする。
「誰、あの綺麗な人」
「さぁ」
丁度良い身長差で並び歩く、すらりとお似合いの 秋也と餡を見ながら、
ひそひそと話す、男性社員たち。
社長の息子直々の出迎えに、
受付嬢や社員たちから、餡に、驚きと好奇な目が向けられた。
餡は、それを察知しながら、落ち着かない気持ちで 秋也に連れ、歩みを進める。
それを知ってか知らぬか、
秋也は、餡の背中に そっと手を添え、誘導しながら
堂々と エレベーターへと入って行った。