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第六話 旅気分とガキ殺し

クラスの皆、元気でやっていますか? マフィです。

私達の旅は順調そのもの。いまや移動手段に購入した馬車を使っているくらいです。

・・・というのも次の村で別れた後、噂になっていた盗賊団をがあって水間さんが壊滅させてしまいまして・・・、

溜め込んだお金とエドさんのコレクションが根こそぎ私達のモノ・・・なんてことが2度ほどあったので。


この世界で金を稼ごうと思ったら、殺しをやるのがてっとり早い、と水間さんが学習しちゃったわけですね。

最初は複雑な思いだった私でしたが、今やすっかり慣れてあーそうですか、で流す感じです。慣れって怖いですね。


ポンメルまではもう半分といったところです。

私も大きな都市だという噂なので楽しみにしています。


それでは、また。 マフィより



水間たちの獅子奮迅の活躍は新聞等を通じて着実に広まりつつあった。

逃げても逃げられない、立ち向かったら返り討ちにあう、シリアルキラーの面目躍如といったところか。

それだけに行き先行き先の村の住民達も少なからず警戒はしていたが、そこはマフィの交渉によって穏便に済まされることになっていた。有難う一般人。

さてさて今日は、夕方頃に辿り着いた小さな村の宿で一夜を過ごす予定になっていた。

「ふう・・・とりあえず皆お疲れ」

「お疲れね~」

エドは頭蓋骨のカップで早くも葡萄酒を開けていた。この異常な光景にも、すっかり慣れてしまったのがマフィである。

「では私は先にお湯をかりてきますね。失礼します」

「ああ。ゆっくりしてこいよ」

小さな村だが食事の内容といい馬車の置くスペースといい中々いい宿場である。3人も大いにくつろいで英気を養いたいところだった。


コンコン・・・


「・・・ん、どうぞ」

「失礼します」

現れたのは宿場の店主だった。白髪に顎鬚がランプに照らされ、顔は弱々しく見えるも、体の方はガッチリしている、心優しそうな男である。

「夜分失礼します。あなた方のことはお噂はかねがね、といったところですけど」

「恐縮・・・かね? ああ、夜食のシチュー、美味しかったよ」

「有難うございます。・・・それとは別に、実は折り入って相談事がありまして」

「・・・仕事の依頼ですか」

「いえ、いわゆるあなた方のような、『異世界人』にあたる人物の話なのです」

「・・・・・・!」

「へぇ~そりゃ興味深いねぇ」


店主は椅子に腰掛け、ゆっくりとした口調で語り始めた。

「ちょうど一ヶ月前ぐらいですか、その男が現れたのは。町行く者にいきなり暴力を振るったり暴言を吐いたりで手に負えない人物でして・・・」

水間とエドは冷静に話を聞いていた。どうやらその異世界人はかなり素でイカれている人物のようだ。

「その後は自警団に逮捕、投獄されたのですが、異世界語なので内容は分からず、後日御札を付けて話を聞いてみたのですが・・・、

 自警団の方々もげんなりするほど話にならず今は牢獄で暴れたりしているようです」

「ならばいっそ殺してしまったほうがいいのでは?」

「それも考えたのですが、小さな暴行傷害沙汰では法的に無理なのです」

「じゃあ説得しろっての? 無理だと思うけどねぇ~」

「それを、無茶を承知でお願いしたいのです。何せこの話は自警団側から入ってきた頼み事でして、断りにくくて・・・」

「だろうね。普段、お世話になっている筈だろうし」


(さて、どうする? 話にならないほどの暴言野郎の説得とはね。正気じゃない俺のような奴の方が適任かもしれないが)

水間は逡巡する。正直に言えば自信がない。だが気になるのも確かだ。狂気たっぷりの異世界人、果たしてどんな人物か・・・。


「・・・・・・・・・・・・分かりました。会うだけ会ってみましょう」

「本当ですか!いやいや有難うございます。これで面も立ちます」

「いいのかいお兄さん? 話にならない相手と話するって、無理でしょ」

「それをいうならおまえと話をしている俺が既におかしいよ。なあに、いざとなったら俺が直接引導を渡すから」

「解体作業は俺な~。丁度人皮が心許なくなってきたんだ」

さて、鬼が出るか蛇が出るか、はたまた両方か、とりあえず今はしばしの休息をとり、3人は風呂に浸かってから早めに就寝した。


翌朝、早速水間一行は自警団本部に向かわされた。入り口で軽い挨拶を済ませ、一応書類上の手続きを取り、向かう先は牢獄の間である。

「どんな人物なんだろうねぇ~。ワクワクしちゃうよ。解体し甲斐がある男だといいけどね~」

「さあな。ま、ろくな奴じゃなさそうだが」


「コラァ! いい加減俺を出さんかい! しばき倒すぞ! ガキンチョみたいに八つ裂きにしてやるか!? ああっ!?」

「おーおー、朝から元気なことで・・・って、何・・・だと・・・!?」

水間が目にした人物は、初対面ながら一時代を築いた日本の殺人鬼だった。

「ああ、何やおまえ、日本人か? 随分糞みたいな顔しとるのぉ~」

「・・・虚勢を張るな。みっともない。俺もあんたも、死刑になって死に損なった間柄だろ」

「なんやと!」

「会うのは初めてだが、あんたは有名人だからな。俺の世代じゃよく覚えてるよ」

「ほう、そりゃそやろ。ガキンチョ殺しまくったからな」


「元創価学会員にして池田小学校殺人事件の首謀者・・・・・・『宅間 守』。それがあんたの名前だ」

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