エピローグ 終わり
水間が眠り続けて早3日、ポンメルとフェルテ帝国の和平条約はとんとん拍子で事が進んで無事に締決した。
あのバーン・B・バナリスが敗北した相手から持ちかけられた条約となれば、流石の強硬派の上層部も黙るほかなかった。
下手に戦争でも仕掛ければ確実に国が滅ぶのだから当たり前と言えるが・・・。
そして自分は政治家に向いているかもしれないと確信したテッドは、後に本格的に政治活動を始める事となる。
帰りの馬車の中で、ようやく水間は目を覚ました。
「よう、めちゃ眠ってたな」
「・・・宅間か」
「なんかテッドが頑張って和平条約が成立したらしいで。これで異世界人がぽこぽこ出てくる事変も終わりや」
「・・・そうか」
「ああ、あとお前垢まみれで臭かったから男総出で脱がして洗いまくったからな。感謝しろや」
「別にいいのに・・・大体この馬車だってエドのコレクションで臭いままだろうに」
「それはそれ、これはこれや。ほら、みんなに挨拶してこい。女性陣は心配しとったからな」
「・・・・・・」
(そうか、終わったのか・・・全て。案外、早かったな・・・)
ポンメルへの凱旋は静かなものだった。ある意味国を救った英雄の凱旋ともなれば盛大なパレードを企画してもいいと提案もあったが、
殺人鬼をセレモニーで祝ってどうするんだという水間の発言もあり、あっさりと企画は頓挫した。
そしてそれは皆が日常に戻ることを意味していた。
テッドは正式に国会議員となった。公約に一夫多妻制を盛り込んだ巧みな話術で見事当選。後にポンメルの懐刀と称される位置にまで昇進する。
そこにはかつて金と地位を手に入れられず劣等感に苛まれていたレイプ魔はいなかった。
ゲイシーは「ポゴ」に戻った。今でも絵を描いたり大道芸をしてお金を稼いでいるらしい。
いずれはサーカスを開きたいと言っていたが、それも可能なまで仲間も増えたそうだ。
エドは死体コレクションを展覧会に・・・とはいかずただの墓荒らしになった。今でも街外れに構えたポンメルの彼の家にはコレクションが絶賛増加中らしい。
ポンメルには悪い事をして死ぬとエドに墓を荒らされるぞ、ということわざが出来た。
宅間は金を貰ってターゲットを殺す暗殺者に転身した。結局彼は殺しの道から足を洗う術を覚えずに生きることを決意したのだ。
一線を越えた自分が一線を越えられない人に代わって復讐代行を営む、そういう職である。
そして水間とかしまし娘コンビは・・・、
「さあ、故郷に帰って結婚の手続きをしなくちゃですね」
「私は愛人枠でいいですけど、腰の骨が砕けるくらいたくさん子供を産みたいと思います」
・・・能天気なものだった。
そんな帰りの馬車の中、静かに水間は起き上がった。
「・・・悪いな、2人とも。役目を終えた英雄は、去らなければならないんだよ」
そう残して馬車を去ろうとした。
が、
「み~ず~ま~さ~ん、何処へ行こうとしてるんですか~」
「何か女の勘がピリッとしていたと思ったらやっぱり」
「ロープでぐるぐる巻きにしておきましょう。ちゃんと監視しないと」
「英雄は色を好んでもいいんですから遠慮しなくてもいいんですよ」
「・・・・・・・・・・・・」
(バナリス。シリアルキラーなんかより女の方が余程怖いぞ。肝に銘じておけ)
こうしてマフィの故郷へ連行されていくのだった。
嗚呼・・・殺人鬼達に幸あれ。
良い子の皆さんは、こんな糞小説読んではいけませんよ




