依頼を探そう!
少しの間で色々な現実を突きつけられ、
1人になるとドッと疲れが出てきた。
ライフ掲示板のある広場、そこのベンチに腰を下ろし
頭を抱えて座り込んだ。
時間で言えば30分ほどだろう。
腹も減り喉も乾いた
ここには母親はいない。
全て自分でやらなければいけない。
「はぁー。働くのか。」
そう呟き、タケルは頭をかかえる。
『ここにいたでゲスか』
一度聞いたら忘れないであろう独特の喋り方の持ち主が
近づいてきた。
手には汚い布で包まれた物を持っていた。
リキ『アッシの御下がりでゲスが、その布の服よりマシでゲス』
そう言うと包みをタケルに渡した。
「これは?」
リキ『アッシらのギルドに入ったお祝いでゲス!』
タケルは正直嬉しくて涙が出てきそうになった。
包みを開くと動物の毛皮でできた服が入っていた。
異様な臭いがする。
リキ『さぁ、着てみるでゲス。それなら防御力が少しマシになるでゲス』
意を決して着てみる。
体のそこら中が痒くなる
「に、似合ってますか?」
リキ『男前でゲスよ!』
タケルは防御力が5上がった。
リキ『さっき伝えるの忘れてたでゲス。この世界にはパラメーターと呼ばれる自分の能力値があるでゲス。それを上げるには仕事をするか、モンスターを倒してレベルを上げないといけないでゲス。確認はギルド証を見るといいでゲス。』
タケルはギルド証を広げて見る。
タケル 山賊見習い
HP 20
MP 5
攻撃 1
防御 6
器用さ 2
運 1
賢さ 1
元の世界でよく見たRPGのステータスが書いてあった。
そんな事より初期値が低すぎやしないだろうか。
リキ『おやっさんから聞いたでゲスよ!前はニートってライフだったみたいでゲスな!聞いたことないライフでゲスからきっと上級ライフなんでゲスな!』
タケルはさっとギルド証を閉じポケットにしまった。
リキ『まぁ、それで仕事がはかどるでゲスな!早速掲示板で仕事を探すでゲス!今回はアッシも同行するでゲス。』
一緒にライフ掲示板の前まで行き目的を探す
リキ『これがいいでゲスよ!』
リキはそう言うと1枚の依頼状を見せてきた。
依頼状にはこう、記されていた。
『今日の夕暮れ、カリン山に貴族一行の横断があるらしい。
傭兵を数人従えてはいるが、獲物は高価な物が沢山あるに、ちげぇねぇな。俺の変わりに行ってきてくれ。報酬はそれなりに
出すつもりだ。』
リキ『夕暮れまだもう少しでゲスな。急ぐでゲスよ!』
タケルは訳も分からずリキについて行った。