現実か夢か
目が覚めるとそこは全く見覚えのない景色
夢だろう。そう思い再び深く目をつぶる。
リキ『おいおい、真横で看病してるナウい男をフル無視するのは流石のアッシも傷つくでゲスよぉ』
再び目を開け声の方を見る
そこには髭面のいかにも山賊と言える様な男が座っていた。
リキ『目が覚めたでゲスか?』
(なんだコイツ勘弁してくれよ。どうせ夢見るなら可愛い女の子にしてくれよ)
心の中で溜め息をつき目を覚まそうと、もう一度深く目をつぶる
リキ『どうしたでゲスか?まだ体調悪いんでゲスか?水飲むでゲスか?お腹すいてないでゲスか?アッシは腹ペコでゲス』
(うるせぇなコイツ、ちょっと黙ってろよ集中できねぇだろうが)
その後も一向に黙る気配がないリキを無視し目を覚まそうと試みる物の全く目が覚める気配がない。
それと同時に冷や汗が出てきた。
夢にしては妙に五感が良く感じるのである。
せんべい布団のかび臭さ、隣の山賊の汗の臭い、部屋の外の生活音、布団を触る感覚
全てがまるで夢とは思えない感覚。
「こ、、ここは何処ですか?」
タケルは意を決して隣の山賊に聞いてみた。
リキ『おぉ!やっと喋ってくれたでゲスな!』
ニヤリと笑い喋り始めた。
ここはクライシスって世界
お前は森に倒れていた
アッシらは山賊ギルド(ツバメ)
お前を助けてくれたのはギルドマスター
ここはアッシらのギルドタウン
アッシの名前はリキ
(このオッサンは何を真顔で言ってるんだ?ヤバい奴なのか?クライシス?俺がずっとやってたネトゲの事か?ははーん、さてはここはコミケの会場か何かか。)
「リキの兄貴!ここから出るにはどうしたらいいんですか?」
タケルは機転を利かせた。
こういう奴等にはとりあえず同じ空気で対応して早い所、家に帰ろうとした。
リキ『兄貴、、、?!お前気に入ったでゲス。着いてこいでゲス。』
そう言うとリキはタケルの手を取り歩き出した。
(ちょっ!コイツ力強すぎだろ!腕だけ持って行かれる所だったぞ。それに何だ俺のこの服は、、汚い布切れ羽織ってるだけじゃないか、、、俺の服は何処だ?)
夢にしてはリアル過ぎる腕の痛み、そして布団から出た時の酷い立ちくらみに戸惑いながらもリキに着いて行った。