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Eepisode2 : 嫉妬

書けたけど誤字あると思います。また少し書きたすしたり書き直したりすると思います。

うーん書くのって難しい。

面白いと思っていただけたら嬉しいですが。

自分が書くの楽しんでるだけです。すいません。



僕には誰もが「お母さん」と1度は口にする存在を初めは知らなかった。

お父さんに聞くと僕を生んでからすぐにお母さんは家を出ていったと言う。

お母さんは僕を育てなかったらしい。


「ごめんなトメトお前の母さんには会わすことは出来ない。」


お父さんの表情はどこか悲しそうだった。

どこかで生きている、聞いても教えてはくれなかった。



お父さんの仕事は、家でも出来る仕事らしかった。

きっと僕の面倒を見るためだったに違いない。

家にいることが普通で外に出たいとは思わなかった。2階建ての外から見ると少し細長い長方形の家に住んでいた。

沢山の本が家にありそれを読んで過ごしていた。読める物から読めないものまで。

お父さんがいつも読んでくれた。

初めてお父さんと外に出たとき初めて母親という存在を知った。

何とも羨ましかった。

だけどね、お父さんがいたから大丈夫だったよ。


それからしばらくして母親ができたて。


「初めまして。トメト君」


美人な人だった。金髪の長い髪にほんわかとしたふいんきの顔の小さな人。

とても嬉しかった。初めはうまく顔を会わせて話せなかったけどだんだん話せるようになった。

そして僕には妹が生まれた。名前はニーナよく泣いた。


妹が母親に抱かれている姿、お父さんに抱かれている姿、二人とも幸せそうに微笑んでいる。羨ましかった。


僕もあんな風だったのかなぁ?

いやお母さんは僕を育てなかったんだ。たぶん違ったんだろう。僕の生まれた時はきっとこんなに幸せそうじゃなかったんだ。


僕の心に生まれた負の感情。


僕は妹に嫉妬した。


父さんがいつもよりかまってくれなくなった。

妹のニーナは相変わらず泣いていた。


あぁ、妹なんていらなかった。

母親だけでよかったのに。

なんてつまらないことを思った。


ニーナが歩きだした頃だった。

家は燃えた、お父さんと母親と妹のニーナと一緒に。

なぜかその日の記憶を僕は思い出せない。

なぜ家は燃えたのかわからない。


ただ僕は生き残った、焦げ臭い燃え残りと一緒に。


僕はお父さんのお兄さんつまり叔父さんに引き取られた。

生まれた町を車で去り、磯の香りがするエトルタという町に着いた。持っていくものなどなく体ひとつで。


叔父さんの家は大きかった。

叔父さんの家には子どもが3人と奥さんとお手伝いさんが1人。

子どもは僕より大きい男の子2人、女の子1人

叔父さんの子どもは太っていた。

もちろん叔父さんも。


「お父さん、誰こいつ?」


家の2階の空いてある部屋をもらう。置いてある荷物を片付ける。


「あぁそうだった。今日から内で引き取ることになったトメトだ。まぁ、仲良くしてやってくれアレックス。」


ほんとにそう思ってる?

部屋の外から僕を見下す目線が2つ。


「えーやだよ。なんかくらいそいつ。」


「家族を火事なくしたんだ仕方ないだろ。」


そうかもういないんだ。優しかった父さんも、美人だった母親も、よく泣いた妹も。


美味しそうに食べる食事、僕だけ別の部屋。食べているものは同じ量、同じもの。ただ味が違うだけ。

向こうから楽しそうな家族の笑い声がする。きっと食べているご飯も美味しいだろう。


僕は家族に嫉妬した。


叔父さんは船で荷物の輸送の仕事をしている。

社長らしくお金持ちだった。

叔父さんは自分の子どもには何でもほしい物を与えた。

僕はそれも羨ましかった。

僕が貰えるのは要らなくなったお下がりだけ。


羨ましい、仕方ない。

けど妬ましいそんな気持ちになる日が多い。

不自由はないけど幸せがないそんな毎日。


僕は幸せそうな毎日に嫉妬した。


それから声が聞こえるようになった。


(何をそんなに嫉妬してるのよ。そんなに寂しいなら友達になってあげなくもないのよ。私は嫉妬。嫉妬のエンヴィー。)


それが僕の初めての友達。ちょっと面倒くさいけど。

ある日僕は退屈な家を出て朝から町を歩いた。

人や車が朝から行き来する。

もやもやする気持ちを静めたくて海を見に行くことにした。

海には漁船や輸送船が波に揺られている。

砂浜はなく。人工の海岸だ。


かーえろ。と思って倉庫と倉庫の間の細い道を通る。

重い金属の衝撃音を伴い銃声が聞こえる。こちらに近づいてきている。

通路の終わりから少し顔を出す。



「くっそなんでこっちに行けない。」


男の人は何もない所を殴っている。


「止まれお前に逃げ場はないぞ。通路には俺が結界を張ってある。」


男は銃を片手に逃げ道を探している。


後ろからは軍服を着た軍人が3人物陰に隠れながら迫っている。

この時間帯にここ船着き場に人が来ることは少ない。まして今日は休日だ。釣りに来ている人は今日はいなっかった。


「ええい、来るな。」


男は銃を乱射する。


逃げなきゃ。と思った時には遅く細い通路に男が入ってくる。


「いいところにいたな坊主おとなしくしてないと殺すぞ。」


そう言うと男は僕を片手で抱えた。


「おいこのガキがどうなってもいいのかほら武器を捨てろ。」


細い通路を抜け海が見える海岸沿いに出る。

腕にバラの刺青を入れた怖い顔の男は僕の頭に銃を突きつける。


「なんでガキがいるかなぁ」


頭をかく。


「大佐あの子は悪くありません」


「どうします?大佐」


「仕方ない。銃だけ捨てろ。」


通路から出てきた3人は銃を地面をすべるように投げる。


カラカラカラ

3つの銃がこちらに投げられる。

投げられた銃を海に落とす。


「武器は捨てたぞ。その子をはなせ。」


「まだだめだ。俺が消えるまで動くなよいいな。それとあの見えない壁を解除しろ。」


「いいだろう。その代りこどもを置いてけ」


「そりゃできない相談だ。俺が無事に逃げるまではだめだ。」




こちらを警戒しながら男は後ろ向きにゆっくり下がってゆくその足並みは徐々に早くなる。

こちらが追いかけってこないことを確認したうえで前を向いて男は走り出した。



{ ―――こちらパルセ 第2ポイントに向けて男は逃走中です。どうぞ。}



{ ノモ 作戦変更だ。子どもの救出を最優先とする救出したら直ちに離脱だ。お前の能力でいけるか?}



{ ――― OKいっす。あっ でも俺の能力 手で持ってるもんのだけなんでたぶん無理っすよ。}



{ なら作戦どうりた。 }



{ ―― 大佐こっちもOKだ。ターゲットを確認。いつでも頭をチョパンだぜ。 }



{ 頼むぞ2人とも。}



{{ 了解  }}



男は見えない壁に行く手を阻まれながら進む。



「くっそ。町の外に出れる道は全部だめか。」


それでも男は他に道わないかと進み続ける。



{ ―――― 3、2、1 行ってください。}


憑依(セッション) ギル すり替え ≪スワップ≫ 」


7階建て建物の上から男が飛び降りてくる。


男の持っていた銃が現れた男の手に持っているぼろい灰色のパイプと入れ替わる。


「残念でした。ここから先は行かせないよ。」


面とむかって男に銃を向ける。


「また霊力使いか!!」


手に持った古いパイプを手放し片手を挙げるが人質の子どもを離そうとわしない。



{ ――――こちらパルセ ノモさんの能力で人質とのすり替えはノモさんの言う通り失敗です。}



{ファンガン撃てるか?}


{ ―――――今撃つとノモにもあたるぜ。正面に立つなって言ったろうが、あのバカは。人質はおとなしいから大丈夫そうだ。子どものくせに肝が据わってやがる。俺は撃ちたいところだなノモごと。}



{人質に当たらないならいい撃て、ノモごと殺せ。死んだらあいつが悪い。}



{――――大佐のそういうとこ好きだぜ。}


サイレンサーの付いたスナイパー銃を座ったまま塔の窓から構える。スコープを覗き込み頭を狙う。


召喚(サモン)  レイ ノモに弾が当たるならシールドを頼む。」


黄色い透明な羽の生えた小さな妖精は頷くとなにかを唱え始めた。


「人質を話せ。」


「撃てよ。子どもに当るぜ」


子どもを前に突き出す。

そのままゆっくりとこちらを迂回してゆく。


{――――こちらファンガン ノモに当たらない位置になったら撃つ。タイミングは俺がかってに撃つ。 下手なことすんじゃねえぞノモ。}


{―――― こちらパルセ ファンガン大尉、飛びおりる際にはずれてましたのでノモさんには聞こえてませんから。}


{――――使えん。}





「へへへへ 撃ってみろよ。」


「子どもを離せ。」


「だれが離すかよ。」


そういった後、男の体が銃弾の着弾した音ともに倒れる。


{―――― しゃービンゴだぜ。終わったぞ。パルセと大佐たち後はまかしますぜ。こっちもかたづけます。}



{ご苦労。}


「終わったようだ。とりあえず処理に向かうぞ。」


ノモたちの所に向かう。



はずれた通信機を耳にさす。


「ぼく、大丈夫かい。」


人質の男の子に近づきしゃがみこむ。


「うん。」


男の子は取り乱すこともなく落ち着いている。

倒れた死体がなるべく見えないように自分の体で子どもの視界から見えなくする。


「おうちはどこだい?」


「あっち。」


つれてこられた方を指さす。


(ふぅ今日の仕事もこれで終ね。休みほしい。)


そんなことを思いながらノモのいた建物の上に降りる。


気になって下を見るとノモと男の子が話している。死体に目をやる。頭を撃ち抜かれたはずの男が動いている。急いで無線を持つ。


ピッ


{ノモさん その子を連れて逃げて早く!!ターゲットが悪魔落ちしてる!!}


急いで振り返ると頭から出血はとまっていて2枚の黒い翼が背中から生えている。



{――――繰り返しますターゲットが悪魔落ちしました。ファンガン大尉もう一度撃てますか?}


男の体を黒いなにかが覆ってゆく。


「цξу。цξу。」


よくわからない言葉を話している。


「僕逃げるんだ。」


男の子は使徒を見たまま固まっている。


「くっそ。武装レムレースリーゲン」


ナイフを手にもち悪魔落ちした男と戦う。



{――――こちらファンガン翼が映えてる?俺の専門外だ。もう銃なんかで殺せねえよ。町に避難勧告出せフィン}



{―――フィンです。もう出してます。どうぞ。}



{―――ノモもうすぐ着くそれまでもたせろ。}


{こちらノモです。 人質の子がかたまてます誰か逃がしてあげてください。俺はこいつの相手で無理っす。あと俺一人じゃちょっと厳しそうっす。}


襲ってくる悪魔落ちした男の攻撃をかわす。



「くっそ 殺すのが遅かったか。」


「仕方ないすっよ大佐、起きたことは仕方あないですよ。俺たちよくやってますって。ノモとパルセが何とかしますよ。」



「あの二人じゃきつい急ぐぞ。」


3人は走る。



「セッション リア」


「ぼく早くにげて。」


空から降りてきた人は僕を連れて通路までいく。


「はやく、あとは自分で逃げなさい。」


(トメト。逃げなさい。)


(うん。)


少し興味があったけどエンヴイーが言うので逃げることにした。


男の子は細い通路から逃げる。通路は狭くそしていくえにもわかれている。


逃げたのを確認してノモさんの援護に回る。

ノモさんは意外と接近戦は強い。

相手から繰り出される攻撃をかわす。



「グァァァァァァァーーー」


「うわ」


「きゃあ」


2人は悪魔落ちした男に吹きとばされ壁に頭を強く打つ。

悪魔落ちした男は逃げた子どもの方を追いかけはじめだ。


「ぐっなんつう力だよ。」


起き上がる頭から軽く血が流れてくる。パルセは気を失っているようだ。外傷はない。悪魔落ちした男の姿は見えなくなった。追いかけようにも体は動かない。



「язцзгэъ∵ыюфсэр∵。」

(あの子の方が美味しそうだ。)


四足歩行で化け物は走っている。

さっきまでわからなかったのになぜか黒い化け物の言葉がわかる。


「はぁはぁはぁ」


膝にてをついて休む後ろを振り替えると化け物と目があった。


(見つかったわね。)


「бочр。」

(見つけた。)


化け物の顔は不気味に微笑んでいる。



「ёмоъвь。цξу。рвфюрд∵π。」

(人つかまえた。殺す。魂を食べる。)


すぐに走りだしだけど捕まった。



(トメト。私の言うように言葉をいいなさいよ。セッション エンヴィー)


「セッション エンヴィー」


体からフッと力が抜ける、それと同時に意識も薄れていく。


(トメト意識をもらうわね。あなたの命を守るためよ)


そこで僕の意識は消えた。


「私の前から消えなさい。」


青い瞳は赤へと代わる。


「сэъ、ьλэ∴∮ю※ъывьψюоъжоъвюρ。」

(そうか、嫉妬エンヴィーかお前もいつかわ捕まえる。)


悪魔落ちが後ずさりする。壁をつたい屋上に行き翼を広げる。


「х∵λиλр∵шюсё∵δр。вряыэьλэ∵ю。рюхъ∵шπвьккч∵πмфτэ。」

(残念だ食いそびれた。また会おう嫉妬エンヴィー。大佐が来る前に逃げるとしよう。)


「ノモ パルセ 大丈夫か。」


「少佐悪魔落ちが子どものほうに・・・・」


目の覚めないパルセを見ているとシリア少佐たちがやって来た。


「大佐が向かったよ。」



「セッション ホック 翼 ≪ウィング≫」



黄色い翼を広げ空から探す。


「くっそ。どこだ。」


探していると翼の生えた悪魔落ちが町の外へ飛び去って行く。


「まてよこら!!」


町の外へすごい早さで逃げていく。直ぐに後を追いかける。


「逃がしたら上に顔向けできねえだろうが。レイ ここから届くか?」


首を横に振る。


「仕方ない。サモン セレ 」


空を飛んでいる横に金色の人間の2倍くらいの龍が現れる。


「あそこの悪魔落ちだ叩き落としてくれ。」


数百メートル先の使徒を指さす。


「構わんが少々霊力を絞りすぎだ。うまく力が出ない。」


ふらふらと飛んでいる。


「お前を成龍で召喚したらあいつを倒す力がのこらない。」


「私が殺せばいいだろうが。」


「お前が殺しに行くと証拠が残らんだろうが。焼き消しすぎだ。」


「しかたない。落としてこよう。」


やる気はないがセレが天高く飛んでいく。


ドォン


土埃が立ち込める。


「р∵δр∵。」


悪魔落ちの男がゆっくりと立ち上がる。


武装レムレースエルフェス」


光の剣を手にもち落下したところへ向かう。



やつは上空を見上げ自分を突き落とした犯人を見つける。


「яδъ。」


飛び立とうとした奴の首を落とす。


「おし。」


なにもいなかった所からクライスが出てくる。

悪魔落ちになっていた、男の体から黒い色が抜けていく。元の人間の男の死体になった。


{こちらクライス無事討伐完了どうぞ}


{――――シリアです。場所を教えてください。どうぞ}


{森の中だ。霊に光の柱でも上げさす。それを目指してきてくれ。以上だ。}


{―――了解しました。}


次の日、気が付けばベットで寝ていた。


(もうしっかりしてよね。あんたのせいで私の霊力も空っぽなんだから。ふん。)


足腰も痛い。ゆっくりとベットから起き上がる。

まるでおじいちゃんだ。

昨日はそういえばひどい目にあった。

エンヴィーにおとなしくしとけと言われたからなされるがままにされたけど。頭も痛い。お腹もすいた。


自分の部屋のドアを開けるといつも場所に朝食が置いてある。


「頂きます。」


食べても気分が悪かった。

ベットでふとんをかぶりうずくまる。


(たく、いつまで寝てるのかしら。あらご飯は食べたみたいね。嫌になるは毎日ここにご飯を持ってくるのも。)


ドンドンと叔母さんが扉を叩く。


「トメト起きなさい。」


返事をしなかったので部屋に叔母さんが入ってくる。


「体調が悪いんだ叔母さんごめんよ。」


布団から顔を出す。

自分の顔色が悪かったのだろう。

叔母さんも顔を見るとすぐに出ていった。


それから人の負の感情の声が聞こえだした。

自分が相手を認識すると嫌でも聞こえてきてしまう。


(あーだるい。 うざいなこいつ。きも 。死にたい。仕事めんどくさい。いいなあいつの家金持ちで。別にお前のことなんてなんとも思ってないけど。)


聞きたくないよそんな声。知りたくないよそんなこと。


(人って醜いでしょ。)


(エンヴィー頭がいたい。)


(これが嫉妬の呪いなの。)


(このままじゃどうにかなりそうだよ。)


負の感情が流れ込んでくる。頭がいたいと言うよりうまく動いていない気がする。体がふらふらする。


(呪いに負けたらダメよ。昨日のあれになちゃうから。)


(そんなこと言ったって)


(しばらくしたらおまさまるわ。)


(しばらくってどれくらい?)


(よくて半日?悪くて3日?毎日これから続くわ。なれたら気にしなくなるものよ。)


エンヴィーのいうとおりそれから毎日聞こえだした。


家にかえって、お風呂に入ろうとした時だった。鏡に映る自分の背中に黒い羽のような模様が小さく映っている。

汚れかな?っと思ってお風呂で体を洗うけどのかなかった。

その日も疲れて寝った。


(あなたの不満は なに?  私がかなえてあげる。

あなたの妬みは なに?  私が殺してあげる。

私があなたの嫉妬を叶えてあげる。)


夢の中で声が聞こえた聞き覚えのある声だ。エンヴィーだけどエンヴィーでないその声の誘惑に僕は夢の中で身を任せた。

家族が恋しい、妹とが憎い、叔父さんたちが羨ましい、あれが欲しいこれが欲しい。

夢の中で自分の嫉妬を思い起こす。


目を覚ますと部屋は自分の欲しかった物が部屋中に置いてある。

少し怖くなった。朝食をとろうと思って戸を開ける。いつもの場所に食器はない。

いつもなら叔父さんたちは朝食を台所のリビングで食べているはずだ。

リビングに続く扉を開ける。

部屋には異臭が立ち込める。

何かが焼けた臭いとても臭い鼻をつまむ。

焼けた子供の死体が1つ腹を裂かれている死体が2つ椅子に体だけが1つ座っている頭がない。

台所の流しにうつ伏せで叔母さんが死んでいた。

首から血を流している。叔父さんの頭も流しにあった。

急いでトイレに向かう。


「うっぷおええぇぇぇぇ。」


しょっぱい感覚が口の中を襲う。


(エンヴィー!!)


(なによ?)


(ぼくがやったの?)


(そうねあなたがやったわ。あなたの中の良くない方のわたしが。)


(父さんもニーナも母さんもぼくが?)


(それはわからないわ。あのときは確かに私はあなたの中にいたけどね。)


(そんなあの焼けた死体僕がやったんだろ。)


(あんたじゃなくて、あなたの中の良くない方のわたしがやったの!!)


(どっちなんだよ!!分かりずらいよエンヴィー!!)



(わからないなら知らないんだからふん。)


エンヴィーの気配が消える。

よく見ると自分の服も血がついていた。

風呂場に来て服を脱ぐ鏡に映る自分の顔にも血がついていた。

背中の黒い模様もこの前より少し大きくそして濃くなっていた。


「エンヴィーこれなに?聞こえてる?返事してよ・・・」


心の中はぐじゃぐしゃだった。


風呂から出てどうしようかとしばらく家にいると電話が鳴った。


リィリィリィリィリィリン

リィリィリィリィリィリン

リィリィリィリィリィリン


その音を聞くと何かが迫ってくるようで僕は怖くなって家から飛び出した。


「くっそ出やがらねえ。これじゃ子どもが無事に帰れたのかもわかりゃしねえよ。」


「フィンガもういい俺が直接行く。」


「俺もついていきますよ 大佐」


「ノモもついてこい。シリアしばらく出てくる。」


「忙しいんで忙しいんで早めに頼みますよ。朝から窃盗の被害の電話でみんな忙しいんですら。」


コンコン


「すいませーん。」


扉についた金属のドアノッカーをたたく。

少しっ待っても返事がない。


「留守なんですかね、あれ?開いてますね」


ドアノブを回すと扉があいた。


「ノモ昨日ここにも盗みに来ただろう。」


「やめてくださいよ。フィンガ大尉もう足洗ったんすから。それに昨日の子どもの住所調べるんで大変だったんですからね。俺に丸投げでフィンガン大尉帰ったじゃないですか。」


ノモを押しのけて大佐が先に中に入る。


「うるせぇよ。」


大佐の後に続いて家に入る。


「臭うな、血と焦げ臭いにおいだ。2人とも入れはやく。」


冗談を言い合う空気ではなくなった。銃を構え慎重にゆっくり中を探る。

中に入ると直ぐに2階に上がる階段があった。

白い扉が通路に4つ向かいの突き当りにも1つ。


「犯人はもう逃走したあとなんじゃ。俺ならそうしますけど。」


「開けるぞ」


臭いのひどい部屋の扉を開く銃を構えて部屋の中を見渡すが生きている人間はいなかった。

鉄の血の匂いが広がる。


「こりゃひでぇ。むごいな。」


「焼死体が1つに死体が4つかファンガン人を呼んでくれ。」


「ノモほかの部屋も見て回るぞ。」


「了解っす。」


大佐と2人は別の部屋を見に行く。


カチッ


{ こちらファンガンより各員へ焼死体を含む遺体5つ確認支給応援を頼む。おそらく人間の仕業じゃない霊力保持者またわ悪魔落ちだと思われる。朝からの強盗犯の可能性ありだ。場所は、えーっとだなぁ。}


家の外に出て目印になりそうなものを探す。



{ クリスト通りの白がメインのでかい家だ。何かわかったらまた連絡くれ。こっちも連絡する。以上。}


連絡を入れ終え家に戻る。



{――――こちら パルセ 強盗被害にあった店は子ども用のおもちゃ屋さんです。割りと高額な物をとられたそうです。夜中に音がした後黒い化け物が出ていく姿を見たそうです。翼が2枚生えてたそうですよ。以上です。}



{――――こちらカートン 殺害現場に来てます。頭と胴体が別れた死体が2つ子どもの焼死体が1つです。恐らくファンガン大尉の所と同じ犯人だと思います。付近の捜索を開始します。フインガンさん近そうなんで人送っときました。以上です。}



「たいさぁー この部屋見てください。何ですかこれ?」


2階部屋を見ていると隣の部屋からノモが呼ぶ。

部屋には大量のおもちゃがちらかっている。


「話聞いてないのか?」


無線を指からをぶら下げる。


「持ってくるの忘れました・・・・」


「はぁー」


ノモはいつもどこか抜けている。



{こちらクライス犯人はおそらく子ども名前はミラ・トメト。こっちで亡くなったドビンさんが引き取った子だ。パルセとノモ顔覚えてるな探してくれ見つけても手を出すなよ。危険だ。フィン 、町に避難勧告だ昨日と同じ場所とクリスト通り周辺も人の出入りを禁止してくれ。}


カチッ


{各員に通達。犯人の名前はミラ・トメト年齢は9歳 髪は茶髪 瞳は青 海岸沿いを中心に散策してくれ見つけ次第連絡いれろ。悪魔落ちになっている可能性がある。1人で動くな最低でも3人で動け。俺が行くまで決して接触するな。その場で待機だ。}



「大佐。俺はここに残っときます。戦力外になると思うんで。」


「わかった。」


フインガンは玄関で少し不機嫌そうに手を振る。


「子どもがあんなことするとは思いたくないんすけどねぇ。」


家の外に出ると


「おはようございます。」


敬礼と挨拶、応援の隊員が何人も来ていた。


「ご苦労。入ってすぐの右の扉だ。盗まれたものは2階の1番奥の部屋だ。」


「行くぞ。」


数人をつれて入っていく。


「さって探しますか。」


「海岸沿いに行くぞ。」





海に向かう道を歩く。


父親と母親の間を片手づつ繋ぎ同じぐらいの年の女の子が歩く。


女の子は幸せそうに笑っている。


いいなぁ。と思いながら眺める。


どうして僕はあんな風になれなかったのかなぁ…

そう思うと羨ましくって妬ましくなった。


(あなたの嫉妬を叶えてあげる。)


急に体の自由が奪われる。


(体が動かない。)


なのに体は動いている自分の意思とは別に。


父親と母親の首が飛ぶ。


(やめてよ。やめぇぇぇぇろぉぉぉぉエンヴィィィィィイ。)


急に立ち止まった母親と父親の顔を見ようと女の子は上を見上げる。


血の雨が降り注ぐ。


「いやぁあああああぁぁぁぁ」


その顔に恐怖を浮かべた時に女の子の服に火がつく赤く燃え上がる。

女の子はしばらく悲鳴をあげた。

そして倒れて動けなくなった。


体の自由が戻ってくる。


「エンヴィィィィィィ。うわぁあああああぁぁぁー」


怒り恐怖のでその場から逃げた。


「いや、なにこれ。」


叫び声を聞きつけ人が集まる。


「軍の人を呼ばなきゃ。」


家の電話を取りにいく。




いつも眺めた海を見てるのにいつもと同じ気分にならない。


もう別の世界で別の景色を眺めている気分だ。


海を眺めていると今日の朝のことを思い出した。

叔父さんの恐怖の顔が浮かぶ。

殺している自分の心はまるで殺すことが快楽のように快感に思っている。

確かにエンヴィーに憑依されていたけどその時の自分はどこかで喜んでいた。


女の子の顔が浮かぶ。

殺してしまった。自分の手には血がついている。

生きているのが嫌になる。死にたい。

海水で手を洗う。


(あなたあの不満は、なに? 私がかなえてあげる。あなたの妬みは、なに? 私が殺してあげる。

あなたの嫉妬を叶えてあげる。)


(もう殺したくない。殺したくない。なにも不満はないよ。なにもない。ただ死にたいよ。僕は人殺しだ。そのうち軍の人が来て僕を捕まえるよ。背中のしるしを見て僕を殺す。僕はここで殺されるしかないんだ。)


(あなたの望み叶えてあげる。)


体がまた動かなくなる。今度は意識も薄れていく。


(嫌だまってよ!まってたら!いやだ、いやだぁああぁあぁああああー)



{――――こちら海岸倉庫前より各員へ悪魔落ちと思われる敵を確認翼は4枚です。応援を待ちます。}



{バカ野郎早く、そこから早く逃げろ。}


{―――――うわぁうわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 。 ジッジジジ―――――}


骨の折れる音と炎の燃える音がした。



{総員退避。本部に応援要請を。町全体に緊急警報発令しろ。}


「緊急警報が発令されました。速やかに避難場所に移動してください。」


現場につく。


「まてまて子どもじゃないのかよ。ふつのサイズじゃないか。」


黒い悪魔落ちは軍の隊員と戦っている。


「やばいっす。大佐 俺 この場に居るのが限界っす。」


ノモは震えている。

威圧的な霊力がこちらに向けられている。

炎に包まれた軍人二人がもがいっていたが倒れて動なくなった。


「ふふふ私を殺しに来たのね。魂だけはもらってあげる。」


黒いドレスに4枚の黒い翼、頭からは2本の黒い角子どもの面影などどこにもない。


「お前悪魔落ちじゃないな。」


「ご名答私は嫉妬 あなたの思っている通り私は7つの大罪よ。」


「心が読めるのか?」


「その通リよ。あなたが今何を考えてるかお見通し。時間稼ぎ。本部のこと。あらすごいじゃないあなた強いのね。」


「ノモ逃げろ早く。ここわ 俺がやる。」


「いいんすか大佐全力で逃げちゃいますよ俺。」


「いいからいけ邪魔だ。他のやつにも言っとけ来るだけじゃまだ。」


「すいません。じゃ、お言葉に甘えて。」


直ぐに逃げだす。


「やばいやばいやばいあれ別格でしょ。今までいろんな危険なとこ足突っ込んだけだあれよりやばくなっかたしょ。」


走って逃げる途中焼死体の隣に落ちてある無線を拾う。



{こちらノモ 大佐より誰も近づくな。はぁはぁ どうぞ。}




{――――こちらパルセ 了解市民の避難誘導に当たります。}


{――――そんなに?じゃあ俺もいくのやーめよ。大佐が何とかするでしょ。本部の応援要請でクラリス中将 直々に来るそうです。どうぞ。}


{―――こちらシリア ノモ少尉ほかに情報は?}



{はぁはぁ 7つの大罪?}



{―――こちらファンガンノモそれほんとか?}



{はぁはぁはぁ 間違いありません。どうぞ}


{―――なら早く逃げろ佐官じゃ相手にならねえ将官クラスじゃないと死ぬぞ。ましてやお前じゃただの足手まといだ。}



海岸の方から建物の崩れるおとガラスの割れる音がする。


(大佐・・・・)


ただ遠くから大佐の無事を願う。




(ここはどこだろう。)


赤い部屋赤といっても赤黒い。家具も部屋の壁と同じような色だ。


黒の椅子と黒の丸いテーブルに白い四角のテーブルクロスがかけられている。白いティーポットとティーカップが2つ。白い色は、この部屋ではよく目立つ。


「いらっしゃい。トメト。ようこそ私の部屋へ」


白いドレスに身を包み頭には白で縁取られたルビーのティアラが光る。頭の横から角が2本はえているその女性が1人どこからともなく現れ黒い椅子に座りティーカップに紅茶を注ぐ。紅茶のいい香りが部屋に広がる。


「あなたは、だれ?」


「そうね。私がエンヴィーよ。はじましてね。」


ティーカップを片手に挨拶してくる。長い黒い髪が揺れる。

イメージしていたエンヴィーとは全然違う。

もっとおてんばでめんどくさい奴だと思っていたイメージが崩れる。


「そうね。あなたのイメージでまちがいないわ。あのときは霊力が足りなかったの。今はもう1人の私の霊力を取り込んでいるからこの姿なの。」


「心が読めるの?」


「そうよ。今の状態ならね。どうぞ座って少し話ましょうか。」


椅子を引いてくれたのでそこに座る。

椅子に座りついでもらった紅茶を飲む。


「今あなたの体をうごかしているのもエンヴィーで私もエンヴィー。ふたりで1人なの。いやもとは1人だったの。あなたにはあっちのエンヴィーとも仲良くしてほしいの。じゃないとあなたは死んでしまうわ。背中の印を見たでしょ。あの黒いのがあなたの呪い。」


飲んだ紅茶は甘くて優しい味がした。


「今のようにエンヴィーに願いごどをすると呪いが進む。そして最後にはあなたの体は彼女のものになってしまう。そうなるとあなたは死んでしまう魂を食べられてしまうから。」


「どうすればいいの?」


「あなたが嫉妬の罪を受け入れるしかないわ。私の手を握ってそして乗り越えて。もう1人の私の元へ」


手をとる。


部屋の景色は消え自分の意識だけの世界。


叔父さんたちが殺される景色がまた浮かぶ。

女の子の笑顔と恐怖の顔も。


あぁ 嫌になる。心が苦しい。



(あなたの不満は なに? 私がかなえてあげる。

あなたの妬みは なに? 私が生かしてあげる。)


優しい声が聞こえる。


(僕の不満はこのままたくさんの人を殺すことになるのは嫌だ。

僕の妬みは家族の愛情と幸せに対しての嫉妬。嫉妬深い僕を赦してくれる?)


悲しい。赦されることなどないのに。


(私は嫉妬を赦してあげる。)



意識がまたなくなった。



「フフフ、残念ね大佐さん」


「くそう。霊力が足りん。」


憑依が解かれ体は傷だらけ。服には血の後が滲む。

相手から左手から赤い炎が放たれようとする。


(死ぬ。)


そう思って目を閉じた。


しばらくしてもなにも起こらないので目を開ける。


「またあなたね。エンヴィーなぜ私の邪魔をするの。嫌よ私は人を憎んでいるの憎い憎い。あんな醜い人間たちなんて死ねばいい。あなたもそうでしょ?人は私たちを愛さない。」


左手は手をあげたまま止まっている。


吐き捨てるように言葉を話す。

体の左半分は動かない。

動く右手で大佐を殴り飛ばす。

すると体は動かなくなった。


意識が戻った。

今度は違う部屋いや壁も家具も同じ違うのは白い椅子に白いテーブル、黒のテーブルクロスに黒いティーカップが1つなのと黒いティーポットがある。


黒いドレスに身を包み頭には黒のふちのルビーのティアラが光る。頭の横から角が2本はえているその女性が1人どこからともなく現れ白い椅子に座りティーカップに紅茶を注ぐ。紅茶のいい香りがまた部屋に広がる。


「やられた。代わられたらしかたないわね。」


紅茶を飲みながら話す。


「あっちのエンヴィーにはもう会ったかしら?」


「うん。」


「そう。私もエンヴィー私たちはいつ生まれたか覚えてないの。ただ7人がそこにいた。人とかかわらなければいけないことだけが頭にあったわ。そしてこの世界に来たの。私は人が嫌い。人が憎い。」


ティーカップを置く。


「でも本で読んだことがあるよ。七つの大罪は人になりたかったてそれって人に憧れてた人が好きだったんでしょ?」


「私も初めは人が好きだった。でもね、人は私たちを愛さなかった。私たちをわかろうとしなかった。あなたに私たちの苦痛に耐えれるしら?」


握れと言わんばかりにてを伸ばしてくる。。

仕方なく手をとる。


きれいな手に自分の少し小さな手を重ねる。

部屋の景色は消えまた自分の意識だけの世界へ。


(私の不満は、なに? あなたが満たしてくれる?

私の妬みは、なに? あなたが赦してくれる?

私の嫉妬をわかってくれる?)


悲しみと憎しみのこもった声が聞こえる。


たくさんの人との記憶が流れてくる。

妬み狂う人、負の感情の声に耐えられず自ら命をたつ人、背中の印を見られて殺される人、軍に殺された人、軍に殺されにいく人、呪いに飲まれて魂を食われる人、誰もが自ら命をたっていく。

殺され方も様々残酷なものから簡単なものまで。

その時の人の感情や痛みが伝わってくる。

悲しみ憎しみ恨み怒り痛み。

最後に決まって、すべてはお前のせいだと呪う声。


私は愛していたのに。


私も人であったなら ―――――――――――



私たちは別れた。



―――― 憎む私 と 愛す私 ―――――




(あなたは私を愛してくれる?)


(僕にはまだ愛することがわからない。

僕は僕も嫌いだ。人も嫌いだ。

できるなら人間なんてやめて死んでしまいたい。

僕は人を殺した。

それはいけないこと。でも僕は人を殺した。

君も僕も同じ。嫉妬深い。

ねえ、僕と一緒に考えない人ってどうあるべきなのか。

ねえ、僕と友達になろうエンヴィー。

僕は君を赦してあげる。

僕が君を救ってあげる。

僕が君をわかってあげる。

僕ができるのは今はこれだけ。

エンヴィーがたとえ何人の人を殺したとしても僕は君から離れない。僕も人殺し。君と同じ。それが僕のしっと。)


体の意識が戻ってくる。


(あなたが罪に染まるときわたしはまた現れる。あなたがまちがわないかぎり私は出てこない。あなたがまちがう日を楽しみにしてるわ。その日が来るのはいつかしら。それとも来ないのかしら。)


その声はどこか嬉しそうで優かった。


目を開けると建物の瓦礫と火が燃えている。

周りには人の死体も見える。


背中でなにかが動く感覚がする。

背中にあった黒い模様が自分の左胸に移動してくるそして火の玉の形になった。


(私は嫉妬エンヴィーよろしくねトメト。)


その声の後は記憶がない。誰かが自分の前に現れたきがした。


読んでくださりありがとうございました。(T^T)

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