5/14
中庭で彼と
聖奈side
中庭に来て、なぜか門野に全部話してた。
藤田の名前は出してないけど…
「そっか…、かなしいねぇ。」
「うん…門野は好きな子いるの?」
「ねぇ、門野ってやめて?優斗って呼んで。」
「え!?」
「俺も聖奈って呼ぶから。」
「うん…。」
やばい!男の子を呼び捨てなんて緊張!
「聖奈。」
「ん?」
「もっと、泣いていいよ?」
「え?」
「つらそうな顔してる。ムリしないでいいんだよ?」
「う、ん。うん、ごめ、ごめん。」
私はまた涙を流した。
すると、優斗のぬくもりにつつまれた。
「へぇ!?」
私、優斗にだきしめられてる!?
うそうそ!?
「ごめん、このままでいさせて…。」
「う…うん。」
でもこれが不思議と安心できた。
「おい…。」
すると、そんな低い声が聞こえてきた、
この声。知ってる。でも、違うと願う。
「おい!夢野!」
やっぱり…しかも、超不機嫌。
「藤田…。」
すっごい、怒ってる…。
「陸斗…。」
「なんで夢野が優斗といるんだよ!!!」
え、知り合い!?
「夢野行くぞ。」
そう藤田が言うと私の手を引いた。