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君の好きな子
聖奈side
「へぇー、好きな子いたんだ。」
そう、私は言った。
「夢野!?はっ、盗み聞きか。趣味悪いな。」
「モテますねー。」そう嫌味に言った。
「けど、肝心の1人にモテなきゃ意味ない。」
そう、彼はせつなそうに言った。
「そんなに好きなの?」
「あぁ。もう、大好きだから。」
そう、顔を染めていう君。
本当に好きなんだね…。いいなぁ、その子。
「お前は…好きな子いるのか?」
正直迷った。ここで「うん、藤田だよ。」って言ったらいいのかな?って。
けど、そしたら、藤田を困らしてしまう。だから…
「うん、いる。」としか答えなかった。
「誰?」
「え?」
「お前の好きなヤツ。」
「それは…」
「じゃあ、どんな子?」
「んー、かっこよくて…たまに優しい人…。」
そう言ったんだ。すると、藤田はいきなり…
私を押し倒した。
「キャッ!!!」
目の前には馬乗りになった、整いすぎの藤田の顔。
「ちょ、どいてよ…。」