[Turn Kinsei]8.
総司と真琴は、廊下を歩きながら話していた。
「篠崎さんは、ああ見えて、結構おばさんなんだよ?」
「え?そこまで歳をとっているようには見えませんでしたよ?」
「だから怖いのだよ。実はね。」
真琴は総司の耳にこしょこしょとなにかを話した。
「え、いやいや、そんなわけないじゃないですか。」
「いや、実はそうなんだよね。」
「えぇー。」
「着いたよ。」
総司と真琴はある部屋に着いた。
その部屋の扉には、社長室と、書いてあった。
「社長室?」
「ああ、そうさ。」
真琴は扉を二回ノックして、扉を開けた。
「社長、失礼します。」
「ああ、真琴か。それとそっちの方は、新しく入った、日松川 総司、だな?」
「は、はい!よろしくお願いします。」
「ああ、私は、福野 和也だ。」
「あ、あと、そちらの女性は?」
福野の横に、一人の女性が立っていた。
「ああ、彼女は、神崎 優奈、私の秘書だ。」
自己紹介された神崎は、総司に一礼した。
「よろしくお願いいたします。総司様。」
「は、はい。よろしくお願いします。神崎さん。」
さっきまで黙っていた真琴が話し出した。
「社長、新一さんはどこに行ったんですか?朝から見てないんですけど。」
「新一か?あいつなら、今日の早朝にお菓子が無くなったと言って、買いに行ったぞ?そろそろ帰ってくるのではないか?…と、噂をすれば、だな。」
次の瞬間、社長室の扉が勢いよく開かれた。
「たっだいまー!」
「新一、お帰り。」
「お帰りなさいませ。新一様。」
「ねぇねぇー。優奈ちゃーん!駄菓子屋に行ったらさぁ!西日本にしか売ってないお菓子が売っててさぁ!珍しいよねぇ!」
「それは良かったですね。」
「ほら、新一、お前が会いたがっていた、新人の総司だぞ。」
新一と言う人は、ようやく総司に気づいたようだ。
「君が総司君かぁ、どれどれぇ?能力『絶対能力』」
新一と言う人は、総司をまじまじと見始めた。
「なるほどぉ、鬼化かぁ、面白そうな能力を持ってるねぇ。それに、いや、この話はまだいいか。…僕の名前は、神川 新一、この『雑用係』の、探偵さ。」