[Turn 悪鬼]63.
「※@#$%^&*()_+%^&*_)(&^@#$‼」
もうパイソン――いいや、鬼は何も話さない。
正確に言うと、ちゃんとした言語を既に発していなかった。
「おっとぉ……。こいつはやべぇぞ。」
俊太郎は一歩下がる。他の全員も同じように行動した。
「何気に鬼を退治するのは久しぶりだもんね~。」
碓氷は余裕そうに呟くが、冷や汗から内心緊張しているのだろう。
そんなことを話している間も鬼は問答無用に襲ってくる。
「まぁ……。鈍ってはいないですよ。」
俊太郎も碓氷も総司も、過去を思い出しながら避け続ける。
「……血だ、血。傷つけるの頂戴。」
「はいはい。これ。」
碓氷が俊太郎に小型のカッターを投げる。
「てっきり氷を出してくるのかと思ったが……。」
「能力の無駄遣いはダメでしょ~。社長がいい例。」
「確かに。」
俊太郎はまっすぐ鬼に向かって走る。
「ちょっと! 足遅いおじさんが走って大丈夫ー⁉ 首切られんなよ⁉」
「あぁ!」
このまますぐに決着はつきそうだ。
……本当にそうだろうか?
総司は、ものすごく嫌な予感がした。
「鬼になったのが、バカだったな‼」
俊太郎はお札を手に取り、一滴の血を垂らす。
それを鬼に貼り付けて――。
鬼はすっと俊太郎の横を通った。
「…………は?」
鬼は俊太郎の首に手をかける。
ぴしゃ、と。
一瞬にしてその首は吹っ飛んだ。
今回の鬼は今までとは少し違う。
理由はわからないが、いつもよりもずっと狡猾で、ずる賢い。
「……きゃっ!!!」
「みさきちゃん――」
お札を貼って。と言おうとしたところで、総司は気がついた。
みさきは一度も鬼と対峙したことがなかったことに。




