[Turn 悪鬼]61.
「だめだったか……。」
みさきは苦いものを食べたかのように顔を歪ませる。
「大丈夫だよ。強くなったのに変わりはないから。」
「そうだよね。」
総司の言葉にを受けて、彼女はこの出来事を肯定的に捉えるようにした。
「総司。能力の規模が大きいし苦しいでしょ? ちょっと休んでて。……あ、攻撃を避けられる程度にね。」
みさきはウインクをする。それに対して、総司は小さく笑みを浮かべた。
「ちょっとー。二人が目立っててうちらモブになってるんですけどー。」
と少し文句を言いながら歩いているのは碓氷だ。
「モブとかそんなの関係ないぜ嬢ちゃん。四対一でも、勝ったときは勝ちで、負けたときは負けなんだ。世の中、結果がすべてだよ。」
と俊太郎が彼女について行くように前に出る。
「……ていうか、復活してたんですね。」
「遅くない⁉ まぁ……おかげ様でな。二人へのお礼に、僕たちも頑張らないとなぁ。」
二人は肩を鳴らしている。
「世の中が、そんなかっこつけのひとり言を待ってくれているというあるあるは、間違っているんだよなー。」
その瞬間、再び白煙が現れた。
煙が一瞬切れる。
狙われたのは碓氷だ。
「『氷花風月』っ‼」
総司は、それによって浮かび上がる分厚い氷の影が見えた。
煙が晴れる。碓氷は平気そうだ。弾は氷の中に埋まっていた。
「セーフ……。」
碓氷はなぜ息が持つのか心配になるほどに大きく息を吐く。
「『夢幻魔術』。」
「……っ。見え、ない。」
「残念だったね。君の能力は、僕の下位互換なんだ。君は何らかの経緯で知っていたから、僕を真っ先に狙ったんだろう? あぁ、答えはいらないよ。だって縛り付けて問い詰める選択をしても、君は逃げるだけだろう?」
パイソンは顔を歪める。
「『幽遊戦鬼』。」「『氷花風月』。」
そこからはもう早かった。
総司がパイソンを殴り、碓氷が氷を刺してゆく。
「だいぶ惨い方法を使いますね。」
「そっちこそ。」
二人はパイソンが息絶えるのを確認するまで、何度もそれを繰り返した。
第一戦、勝利。




