[Turn 明星]60.
男性の攻撃は、みさきに当たる直前で止まった。
「…止まった?」
そして、時が戻っていくように、男性が元いた場所に戻されていった。
「これが私の覚醒能力?」
「俺だけの、時が戻されたのか?」
男性は、みさきに銃を向けた。
「お前を、一番先に倒せと、本能が言っている。」
そして、三、四発、発砲した。
「…ッ!…『完全修復・時戻』。」
四発の弾は、みさきに当たりそうになる所で弾は止まり、男性の方へと銃弾が戻って行った。
「やっぱりだめかぁ。」
「何度やっても無駄だよ。」
「俺の名を、言っておこう。…俺の名は、コルト・R・パイソンだ。組合の社員だ。」
「なんで急に名乗ったの?」
「名を、残しときたかったからな。悪役としてのパイソンを、残したかったんだ。」
総司はみさきとパイソンの間に立った。
「僕だってこの能力を扱えるようにならないとな。」
「お前も使えるのか?」
「ああ、『幽遊戦鬼・餓鬼』。僕以外の、この世界から、時間を消す。」
次の瞬間、パイソンは壁に打ちつけられていた。
「…ッ!?」
「はぁはぁ、なんとか、なりそうかな。」
総司以外のこの世界から時間を消すことによって、総司以外の時間を止めた状態になったわけである。
「もう一度だ!」
「…わかった!この攻撃の対処法が!」
パイソンは、総司が能力を発動する前に、総司を攻撃した。
「…ッ!」
「能力発動前に叩けば、なんとかなるだろう。」
その時、パイソンの後ろから声が聞こえた。
そして、パイソンは血を吐いた。
「…ゴフッ。」
パイソンの後ろにいたのは、みさきだった。
みさきが、なぜか折れているナイフをパイソンに突き刺した。
「邪魔だ!」
パイソンはみさきを蹴り飛ばした。
みさきが刺したナイフは、パイソンの体内に入り、その入り口は、治っていた。
「これでいい、『完全修復』。」
みさきはナイフの破片に能力を発動した。
ナイフの破片は、パイソンに向かって、飛んでいった。
「…!?な、なんだ?破片が飛んできた。」
その破片を、パイソンは全て避けた。
「ふぅ、危ないなぁ。」
だが、破片は軌道を変え、再び、パイソンに向かっていった。
「まさか、体内にあるこのナイフに向かってきているのか?だとすれば、対策は一つ!」
パイソンは、自らの身体に手を突っ込んで、ナイフを引っこ抜き、なにもない空間に投げた。
すると、パイソンへ向かってきていた破片は、パイソンが投げたナイフに軌道を変えた。
「はぁはぁ、これでいい!…これでいいんだ。これが今の、ベストだ。今の、ベストの行動だ。」




